2018年11月4日日曜日

Vol.224「ARB40周年」の巻

10月末、今年もあと2ヶ月か。10月6日のジュテームが終わると毎年、今年も終わりかぁな気分に包まれて翌年のスケジール帳を買ったりして今年をラストスパートいきますぜってな気持ちになる。朝夕と空気も冷たくなって、イチョウも徐々に徐々に黄色がかってきたり、枯葉を見るたび冬に備えてミノムシみたいな気持ちになるこの頃、いかがおすごしか。

とはいえ去年はジュテームが終わってからもマラソン大会があったり演劇「荒れ野」の稽古がはじまったりと新たなものに挑戦する気持ちになってたなぁと。秋が深まっていくとまた去年の空気もおもいだすんだろうな、なこの頃。
今年はジュテームを終えてからは幾つかのライブに向かい、その中の一つ、ARBの40周年にゲストボーカルとして参加させてもらったことが自分の中で大きかった。

ARBを初めて知ったのは二十歳くらいだったか。大学の友達が主催するバーベキュー大会の河原で後輩と音楽の話しをしていて、その後輩がすすめてくれた。早速聞いてみたら、その男くささに惹かれてハマった。ボーカルの石橋凌さんの歌い方にも惹かれたし、何より曲、歌詞に惹かれた。泥臭く力強くて、その当時流行ってた音楽とは一線を画していて。自分は「HEAT WEAVE」や「長渕剛」や「SION」や数々のFOLKの先人達などもそうだけど、余計な飾り立てがなく等身大で歌ってる人たちにその頃焦がれた。胸の奥が熱くなる、楽しい気分やテンションが上がる曲というだけでなく、ググッと熱くなる。目線は何もない自分にも優しく、下から上に拳をあげるようなパンク精神もあり、この感覚こそが生きてる証だと、人生の道標のようにも思え、生き方にも影響してくる。ともすれば暑苦しいと言われがちな音楽が、時代関係なく好きだった。僕の中では、外国から入ってきたロックやFOLKを噛み砕いて血肉にして発してる人、その人の文体が見えてくる人達に惹かれて、音楽の側面だけを取り入れて適当に言葉を乗せてるようにおもった人との違いが大きく感じて、先に挙げた人たちに憧れた。

十代二十代で聞いた音楽は、その後幅を広げたり経験を積んでも根底に焼き付いてるんだなぁとおもう。 In the Soupを組む何年か前にベースのKと「山賊」ってバンドを組んだことがあった。出会ったばかりの二人で、教えてもらったばかりのARBに惹かれてコピーしてバンドで演奏した。バンド名でもわかるとおり、女子にモテるモテないなどは関係なかった。熱くなれるかなれないか。路上や畑の真ん中で歌っていた自分にとって、狭いスタジオやライブハウスでデカイ音を出すバンドというものが苦手で、周りのバンドマンをみてはただのカッコつけだろうくらいにしかおもえなかったし、地元にライブハウスがなかったのでライブハウスという場所は自分には縁遠いものだとおもってた。そんな自分でもARBのコピーは熱くなれたし、バンドっていいなぁと思わせてくれ、バンドのライブっていうのは何か自分以上の力が出せるものなんだともおもわせてくれた。また、ナヨナヨしてる自分が硬派な気持ちにもなれた。「魂こがして」「ユニオンロッカー」「WAR IS OVER」「トラブルキッズ」「Heavy Days」「Just a 16」あたりをコピーしてた。

それから数年経ってIn the Soupを組んでオリジナル曲で勝負していくことになり、3年後に事務所として声がかかったのがライブハウスの新宿ロフトだった。新宿ロフトと言えばARBの歌にも「LOFT 23時」という曲があるほどARBのホームだった場所で、そのつながりで当時ラジオやテレビでMCを務めさせてもらっていた番組に凌さんがゲストとしてきてくれ、影響を受けた想いを伝えたり、「After 45」を一緒に歌わせてもらったこともあり、LOFTにてIn the Soupとの2マンを組んでもらったりもした。影響をもらった憧れの人とはその曲だけで繋がれればよくて、会いたいような会いたくないような気持ちもあったけど、ミーハー心をグッとこらえて大先輩の胸に音楽で飛び込ませてもらい熱くなった。

それから15年以上たった今年、ARBの40周年ライブにお誘いをもらい嬉しかった。今までも誰かの周年イベントや追悼ライブなどのお誘いをもらったことがあったけど、きっと自分より好きな人がいるだろうとおもうと自分が出ちゃいけない気持ちになり出れなかったことがあった。ARBももちろん自分より好きな人はたくさんいるんだろうけど、燃えた。自分には自分のARBがあると思えた。 いつでも聞き続けてきたわけではないし、知らない曲もあるけど、二十代で燃えた感覚は血が覚えているし、時々聞くたびに血がもどる。また、時間が空いて時間つぶしに一人でカラオケボックスに行けばARBを歌い、歌わずに曲だけ流して歌詞を眺めたりして「こんなにすごいのに、いい曲なのになんでもっと聴いてる人がいないんだろう」と何様目線かもしれないけれど、そうおもったこともあった。自分たちの世代はどちらかというとARB世代ではなく、そのあとのBOOWY世代なんだろうとおもうが、僕には世代を超えて血肉になったバンドだ。

そんなバンドの40周年、もちろんお祝いの気持ちもあったけど、そのほかにも色んな気持ちがあった。影響をもらったバンドに、自分は自分としてやってきたことでおもいきりぶつかって恩返ししたい気持ちや、おこがましくも自分より下の世代にも伝えたい気持ち、自分を応援してくれる人やつながりをくれた大学の友達や、デビュー当時にまだ20代だった我々とARBの2マンを組んでくれた社長や、今回誘ってくれた方への気持ちもあった。そして何よりその全部で、ARBを愛するお客さんたちに対して恥ずかしくないよう、より血肉にして挑んで伝えたい気持ち。いろんな気持ちが力になって挑まさせてもらった。

本番、会場はぎっしりとARBファンで埋め尽くされた。40年ARBを守ってきたキースさん、再結成してからのメンバーであるギターの内藤幸也さん、ベースのEBIさん、そして凌さんの場所に自分が立つ。それがどんだけのことかとわかってたつもりだったが、より実感がわく。2日前のリハーサルでも緊張したが、埋め尽くされたお客さんを楽屋のモニターでみて、「エーアールビィ!エーアールビィ!」と会場に鳴り響くARBコールを聞いて、やはり緊張した。

出番になり「ROCK OVER JAPAN」「Heavy Days」「反逆のブルース」の3曲を歌わせてもらった。 曲、音が真ん中にあった。キースさん、幸也さん、EBIさん、お客さん、スタッフのみなさん、ロフト、全部の真ん中に曲があるような感覚になって、綺麗なその熱がまだ残ってる。MCでも言ったけど、一人一人にそれぞれのARBがあって、それを持ち寄ってぶつけ合い、愛し合ってるような、その真ん中に曲があるのを感じて感動した。

十代の頃、ヒッチハイクの旅の途中で一人、公園の黄色い花をみて不思議と許された気持ちになった、心にある空っぽも、そのままで満たされて輝いて見えた。何かに包まれてるような感覚になって、「愛だな」って普通に思えた。

音楽をやっていて嬉しいのは、曲ができた時だけど、ライブではそこにいる人と会場の空気と、そんな感覚になれた時だ。自分でいて自分でないような、それは何かに豹変するとかではなく、エゴや余計な心はもちろん、自分がなくなる、なくなって満たされる。心と体が行くべくして行く方向に勝手にいくような、全方位から包まれて勝手に動かされてるような感覚。幽体離脱ってこれかなというような記憶が残る。とか言いながら歌詞を見失ったりもしましたが、そんな記憶が残るライブでありました。
これ音楽に限らず、人生の達人だったら日常生活の……例えば洗濯物を干したり畳んだり、食器を洗ったり掃除をしたり、そんな中でもあり得ることなんでしょうね。

リハから本番、楽屋からステージ、会場、打ち上げまで、ARB愛、LOFT愛に包まれ、日本のロックの洗礼を受けたような気持ちにもなり、今までの縁に感謝して。これからも自分のステージ、日常に挑めたらとおもった次第です。と、今月はこの辺で、また来月に。


ジュテ-ムに向けて 靴が欲しく 購入
マ-チン

いままでのエフェクタ-に限界を感じ ジュテ-ムに向けて購入
これからよろしくお願いします。

そしてこちらが20年以上つかってきたエフェクタ-
どうもありがとう

PVチ-ムのみなさんと花火大会

渋谷駅前の釣具やさん
10月いっぱいで閉店
あじのある建物がなくなるのもさびしいとこです
下北の駅しかり
開発建て直しなどするときにまったくちがうものをたてるんじゃなくて
どこかに名残をのこすとかだめなんですかね

携帯も限界を感じ買い換え
もはやガラケーのいきるみちは閉ざされてるのか
どこへいっても在庫少ないと言われて あってもピンクですとのこと 。
ここまできたら半ば意地になっているとこもありますが、いけるとこまでガラケーでいきたいとこです。
んなこんなでデイタが完全に移行できなくて写真少なめであります。

記念Tシャツとバッチ

諭介がお答え致します

■「早いですね。ジュテームが終わりました。待ちに待ったジュテーム、楽しい時間はあっという間に終わってしまって、もっとくれ妖怪が出そうです(笑)土曜日だったのもあり、私が知っているのは何人かですが、遠くから来てくれた顔を見られたのも嬉しく、この日を一緒に楽しみに集まれた今年は今年のジュテームでした。終わってしまったという感じはあるけど、続けてくれるインザスープがあるので、こちらこそいつも次の山を前に楽しみに思えます。でも、長く続いているものなのに、毎回ジュテームの日を迎える気持ちは不思議と新鮮です。それも、分け入っても分け入ってもインザスープかなと思いました。どこまで行ってもある青い部分。音楽で心が動いたりすることがどこまで行ってもあるからですかね。そして、私も来年はとても良い年みたいです、やったー!です。でも、妖怪にはならないよう謙虚に頑張ります(笑) 」
(A.T 2018/10/16 0:57)
→ジュテイムありがとう。山のぼってはまた次の山次の山あるもんで、ありがたやや。謙虚も大事だあね。実るほど-や。まずは実りたいけんど。

■「ジュテーム今年も最高に楽しかったです。 分け入っても分け入っても青い山、広がるイメージは秋空の青い空と澄んだ空気と目の前に広がる深緑。心はただ静かに自分の中に沈んでいく。そんな感じです。 年末までもライブてんこ盛りなので、ひと山ひと山どんなイメージが広がるか楽しみにしてます」
(柿の種 2018/10/21 11:27)
→ジュテイム楽しんでくれてありがとう。11月はライブがっつりだもんで自分でもどんな景色かたのしみや、一個一個のライブに立ち続けてないとジュテイムにも繋げられないだもんでがんばります。

■「こんばんは。ジュテーム行きました。今年もインザスープの事が大好きなのか、台風が来るとか来ないとかでヒヤヒヤしたけど無事終わって良かったですね。 インザスープにはライブではあまりやらない名曲がたくさんあって、今回はそんな曲達も聴けて最後までワクワクが止まりませんでした。 毎年ジュテームが終わると、今年も終わりに近づいているなーって感じるんだけど、今年は12月にもライブがあるから楽しみです」
(夕陽 2018/10/22 23:25)
→ジュテイムありがとう。ほんとに毎回台風に脅かされてるけど今年も念力でそらすことができて無事やれてよかったわ。12月もハッスルや。

3 件のコメント:

  1. ARB、人が凄すぎて全然ステージが見えなかったけどステージから熱いエネルギーがバンバン伝わってきて楽しかったです!
    熱くて骨太なライブを堪能できました。

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  2. 自然と曲や歌詞が二人にも馴染んでいるような感じで聴けたのは、コピーしていたのもあったのかもしれないですね。ARB40周年で諭介さんとKさんがかっこよく参加してくれてたのがファンとしても嬉しかったです。諭介さんの「それぞれがそれぞれのARBを持ち寄って集まった」の言葉で、出演者とお客さん、たくさんの人の中のARBを想いながら聴けたような気もします。先日稲毛では、コピーしてたら同じ曲作ってましたと同じタイトルの曲やっていて、そこまでしてるなら(笑)、影響もらって憧れた人達と同じステージでライブできたことは嬉しいことだろうなと改めて思っていました。インザスープでもそれぞれがそれぞれのインザスープを持ち寄って、みんなジュテームやイベントに来ているんですよね、きっと。40周年どうなるのか楽しみです(笑)まずは来月のライブですね♪

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  3. ARBは“男の人が好きそうな音楽”っていうイメージであまり聴いたことがなかったけど、自分が憧れて影響を受けた人達とステージで演奏できる諭介さんの感動や興奮が伝わってきました。
    諭介さんが受けた日本のロックの洗礼がこれからの諭介さんの音楽にどう活かされるか楽しみです。

    まずは12月のインザスープ、楽しみましょう!

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