2017年11月3日金曜日

Vol.212「楽しみきったれ2017年」の巻

10月分の連載、大幅に遅れてしもてすいません。
11月に突入してしまいました。 いやはや、10月、インザスープワンマン、ジュテームat新宿ロフトを終え、毎年の山場を越えて、例年ならば、東急ハンズに行き、「来年の手帳をどれにしようかなぁー」と「今年ももう終わりか」感に包まれてる頃ですが、今年はそこから新たな挑戦へ。

今年の初めに、「脱皮の年にしたい」と思い、そう思ってるとこへ2つの挑戦状をいただき、それを受けましてのことを今回は書こうとおもいます。

一つは「横浜マラソン大会への出場」tvkはしゃかりきの収録の合間に「tvkのメディアランナーとして走ってみませんか」とのお誘いをいただき、フルマラソン大会に出たことがなかったので、脱皮だ!と「やります」と即答。先月も書いたけんどメニューを作っていただき、8月から走りはじめた。お誘いをいただき実際に練習するまでは、「多分いけるっぺ」くらいに考えてたけど、実際に5キロ、10キロと走ってみると「これの4倍かー、やばいなぁ」「想像つかんなぁ」とやばいが先行。そんでも10キロを繰り返し走っているとその距離が短く感じ始めて10キロが楽勝になり、15キロ、20キロと走ってみると、「いやはやこりゃ大変だ」「これの倍以上って」とまたやばいが先行してきて、10キロをメインに走り、一度30キロを走っておこうと皇居の周りをグルグル走ったところ、体は終始だるかったものの、終わった後の体の痛みなどもなく、「お、これプラス10キロとちょっとか」「いけるかも」となって、しかも目標は完走であったけど欲が出て、「5時間も切れるんじゃないだろうか」と思うようになった。30キロを走り自信がつき、安心してしまい1週間ほど走らない日が続き、やばいなと思っているとこへ雨の日が続いた。当日も雨の可能性があるので調べたり、聞いてみたところ「透明のゴミ袋に穴を開けてそれをかぶり、顔と手を出して走ることもある」と聞いたので実践してみたら、走りにくいし、ちょっと恥ずかしいし、何より、腕が濡れて体温が奪われて足先、手先が固まって痛くなりキッツイなこりゃと雨の日の大変さを実感した。

雨の日も慣れておこうと何度か走ったけど、いやはや、もうこりゃ本番は雨が降らないことを祈るしかないなとおもった。 雨の日が続き、台風がきて、これで晴れるだろうとおもったのも束の間、すぐにまた違う台風が発生した。当日が近づくにつれて大会当日の降水確率があがっていき2日前には90パーセントになっててびつくり。完全に雨だなと。いよいよ前日になると厳しい戦いになるなと覚悟を決めた。雨の中の42,195キロは相当大変だなと、でもきっとアドレナリンとか出てくるんじゃないか、つらさの向こう側には何かありそうだなぁと雨を受け入れ逆に燃えてきた。大会前日、雨対策にカッパ的なものや防水スプレーを買い、前乗りするため横浜に向かう途中に着電、tvkのスタッフさんより大会中止の旨を聞いた。力が抜けた。ちょいと受け入れるのに時間がいった。すんなり「ガクーン」という言葉が呟けた。その日は大会に向けて禁酒であったけど「呑むしかないな」と解禁した。

本当に大丈夫だろうかと緊張していたが、何とか心も立ち向かう構えになっていたし、燃えていたし、何よりミーハーになれる街・横浜を走れることを前から楽しみにしていたし、数ヶ月前からの目標であったので残念におもった。んが、「今までの苦労が、、」とか「何のために今まで走ってきたんだろうか」とはまったく思わなかった。確かに大会を目指して走ってきたけど、走るたび、その時その時で走り終わった後の充実を感じていたし、頭のモヤモヤもすっきりするし、距離やタイムが伸びると成果を実感できたし、走ること自体を楽しんでいたからだとおもう。きっとこれは「物事は結果じゃなくて過程が大事」ってことなんだべかとも思ったりして。大会には出れなかったけど、マラソンは続けていこうと台風去った翌日に走ってみたところ、今までより体が重かった。横浜マラソンという目標の重さなんだろなとおもった。この数ヶ月の僕の暮らし、日常に横浜マラソンは「張り」をもたらしてくれてたんだなぁと実感した。中止になって残念であります。応援してくれたみなさま、ありがとうございました。

と、もう一つの挑戦は舞台。今まで楽器をもって、どちらかと言えば音楽をやっている役として舞台に立ったことはあったけれど、今回は役者としての参加。今これ役者としてと書いたものの、自分の中ではそういう意識があるかと言えば役者になると言うよりも、今までやってきたことの延長ではあるけんど。

今回は作演出の桑原さんよりお誘いをもらい、桑原さんの作品を観たこともあり、自分がやってきたこととの共通点も感じていたし、色んな偶然にも運命を感じ、楽器を持たずの舞台もあまり経験がなかったので、脱皮だ!とおもいスケジュールも合ったので参加させてもらうことにした。これもマラソン同様決めた時はなんとかいけるんじゃないかとおもうも、初稽古日が近づくにつれて、「やばいな、考えないようにしよう」と、なって初稽古の日にはど緊張で胃がキリキリとしながら小雨降る中稽古場へ向かった。 そこで初めて台本をもらい、初見で台本をそれぞれの役が読む台本読みが行われ、考える間もなく読んでいると吹き出してしまったりしておもろいなとおもった。キリキリしてた緊張がやわらいでドキドキになり、何度か読んでいくうちにワクワクになったりもして、んが、やはりそんなに簡単ではなく、動きがついたり台本を手放したりしての稽古ではまたその難しさにキリキリとなったり、マラソン同様、できなかったことができるようになったりとこちらもまた、「やばいなぁ」と「いけた」を繰り返していくんだろうなとおもう。マラソンも自分の中では何があっても諦めないをテーマにしていたけど、舞台も何があってもへこたれない、へこたれても下向かない、そんで何よりも、全部でぶつかって、この経験を楽しみきろうと決めた。

時々、昔のことを思い出すことがある。「どうしてあの時、もっとがんばれなかったか、楽しむ方向に自分をもっていけなかったか」その時はその時の精一杯であったにしても、もしも今ならもっと頑張れるはずだとか、考え方、受け止め方、対処の仕方、その術は昔より広がったはずだと思う。色んな経験をしてきて男40も超えたら、自分が選んだことを自分が楽しみきれなかったら負けだっぺってなこともおもったりして。

共演のみなさんはその世界でのベテランさんやその道一本で生きてきた人たち。僕は違う畑ではあるけど、きっと何か共通点はあるはずだとおもうし、うまい芝居なんてできるわけがないので、やってきたことの延長を繋げて見たことのない景色を見て、音楽にお土産を持って帰れたらとおもう次第です。

この時点で言葉や心、その動きを表現することに対してとても刺激をもらってる。ちょっとしたアドバイス、ダメ出しでガラっと変わる、同じ言葉なのに世界が変わる。言葉の芋掘りでここに繋がってたのかぁとか。すごいな、さすがだなぁ、と共演のみなさんにもシゲキックスいただいてる。全部ひっくるめて、2ヶ月間ほぼ毎日、このチームみんなで一つのものをつくっていく、こういう経験をさせてもらえるのは本当にありがたいことやなぁと、なおさら振り切って楽しみきりたいと稽古を重ねるたびにおもうこの頃であります。

いかがおすごしか。小倉、豊橋、東京と周りますよってにぜひ見に来てね。と、今月はこの辺で。よい秋を。

最近 米炊くときの水加減が 一発で決まるの図。

ジュテ-ムが終わったら観に行こうと決めていて時間が空いたので観に行くも、疲れていたのか最後の最後で寝てしもたのでまた観に行かねばです。

喬太郎師匠
ブログ参照

年いくと、涙もろくなるとは言いますが、なりましたね。

初稽古に向かうわたし。 どんな役なのか、何をするのか、まったくわからずに 緊張、ド緊張。
今自分はどんな顔をしているのか、撮っておこうとパシャリ。
思った以上に情けない顔をしてました。

んで、本読み。

大会当日、本来ならスタート地点での待機30分間で食べようとおもって買っていた大福をその時間に食べる。雨を見ながら、走れたんじゃないかとおもったりもして。

皇居まわりを走ってる時に。

選挙の日、友達が当選おめでとうなんつって送ってきてくれました。

豊橋公演:11月30〜12月6日
https://stage.corich.jp/stage/86563
福岡公演:12月9、10日
https://stage.corich.jp/stage/86576
東京公演:12月14〜22日
https://stage.corich.jp/stage/86564





◆諭介がお答えいたします
■「ここにきて急に寒くなってしまいました。今年の秋はやる気満々ではなかったのでしょうか、ね?いつだかここで日本に四季があってよかったと書いたことを、短かった夏や秋を感じて思い出し不安になったりします。でも、毎年匂ってくる金木犀には安心。それは年に一度のジュテームにもです。今年もジュテームがあってよかった♪マラソンの話、呼吸の音、グランドキャニオンでの音の話。読みながら引き込まれ、私の耳も静かになりました。自分の呼吸音は自分だけの音楽。そうかもしれないですね。自分の心の中のことが曲や歌になったりするから、呼吸の音も言葉のない音楽ですよね。そして「これが聴ける。」って自分で言ってるところがなんか面白かったです。諭介さんが自分と向き合って曲を作るのがわかるような気がしました。なにはともあれマラソン大会、気持ちよく走り、夢、その手前の目標を超えられるよう頑張れ!応援しています。」
(A.T 2017年10月17日 17:16)
→がは-中止だったのですね-残念でした。応援ありがとう!

■「中尾さん、こんにちは!ジュテームありがとうございました!スペース雑遊での公演も無事見られそうで良かったです。今年の秋後半は雨続きで、地元の運動会も秋祭りも延期や中止が続いてハラハラしました(現時点でも延期中でまだ終わってないイベントもあります(;^_^A)その分、横浜マラソンが良いお天気になるよう祈ってます! 自分の体の音を聞く…面白いですね!私は「逆立ち」ブームですが、さかだち中は耳の血流がゴォゴォ鳴ってる気がします。まだ壁にもたれないとできないですけど。中尾さんは逆立ちできますか? 冬のパワーフードの件ですが、しょうが(体を温める・抗菌作用がある)とはちみつ(のどに良い)は、マラソンにも舞台稽古にもおススメです!私は冷え性なので、これからの季節は足の指をわきゃわきゃ動かして全身の血流をせっついてます。 ではでは(^-^)/ 」
(しゃるろっか 2017年10月21日 9:33)
→耳の奥で血がゴォゴォってなんかすごいね、かっこいい感じもあるね。逆立ちはできましぇ-ん。

■「ジュテーム、今年も最高に楽しかったです。 毎年ジュテームが終わると何か少し燃え尽きてしまったような感覚と切ない気持ちでいっぱいになってしまうのはきっと秋のせいですよね? 諭介さんはきっとマラソンやら舞台やらまだまだ大仕事が残ってるからセンチメンタルになってる場合ではないですね。(これが更新される頃はきっともうマラソンは終わってますね?強制送還される事なく完走できているように祈ってます。) 私は走るのが苦手なのでマラソンとかあまりやった事はないんだけど、走るとしたら音楽のリズムに合わせないと途中で飽きちゃうので、自分の呼吸音を聞きながらなんて考えた事もなかったけど面白いですね。 多分・・・ほぼ絶対、マラソンとかやってみようなんて思う事は無いだろうけどもしそんな機会があったら自分の呼吸音をBGMにしてみようと思います」
(夕陽 2017年10月22日 14:45)
→これ自分の悪いクセだけど、やりたいと思わない人にも自分がハマッてるものをすすめるクセがあるね。歩くのができたらちょっと跳ねてみてそんだけで走ったことになるから、そっからはじめてみればいいのにって、うざったいか。

■中尾さん、こんにちは。 ジュテームお疲れさまでした。楽しかったです。中尾氏、まじいい感じに格好良かったです。 5月はびっくりするくらいはぢけてて、今回はしっとり落ち着いて安心感みたいのを覚えて、どちらも中尾諭介だ!と感じました。 マラソン大会のお天気は、、決行か否か、と心配な日のコメントです。 頑張ってください! いっぱい走れるようになって、変わったことはありますか? グランドキャニオン、いいなあ!!!素敵な経験!堂々としてでっかいんだろうなあ。 夜、暗闇の磯でバーベキューって、、おもろい大人な遊びしてますなあ。。 余談ですが、自分はたまに山に登るんですが、息が上がりそうなとき、耳の奥に呼吸がこだまして、目の前の自分が息だけになってる感じを覚えることがありますが、その時は囀りが鬱陶しいくらい苦しかったりするのですが、また、雨に降られると恐怖なくらい孤独になったりしますが、後になって思い返してみると、苦しいとか恐いとかが妙なことですが、森羅万象の一部な自分を愛おしく有難く感じられる記憶として残りますです。 。」
(たかの 2017年10月28日 9:27)
→はい、中止でやんした。気にかけてくれてありがとう。 自分を愛しく有り難く感じられるのって素敵やね、その時というより、記憶の中でそう残るってのが、また。