2010年1月27日水曜日

Vol.120「送りバント」の巻

新年改めまして、あけましておめでとう。
いやはや、あっという間に1月も終盤を迎え、あぁでないこうでないと、日々せわしく過ぎる毎日です。しかも寒かったり暖かかったりと今年の冬は緩急激しく、気の抜けない毎日でもあります。

 「バカは風邪ひかない」などときくと、あまり風邪をひかない僕からすると、ひくほうがバカだぜと、まったくそれどころじゃないぜと。いや、うっすらひいてるかもしれないなんて時は、気がつかない作戦、無視力にたよっていたのですが、この冬の緩急をつけたピッチングに対しては、送りバントをしてでもランナーを先に進めなければと、少し用心が必要になってきそうです。いかがおすごしか。風邪なんてひいてられないね。ヨロシク。

さて、気がつけば、なんとなくわかってはいたけれど、この連載、締切を大幅に遅れずれこみ、一か月、すっとばす勢いで遅れていて、この辺で軌道修正せねばとのことで、前回から間を狭め軌道修正にあたっている所存です。ってしっかりやっとけばよかっただけよね。スイマセン。


バイザウェイ、突然ですが、ブログについて。
ブログの存在は昔から噂で聞いていたのですが、自分で検索してまで調べようとはおもえず、どこか知らないところで、みんなつながって楽しんでいるのだなぁくらいにしかおもっていませんでした。 

地元に帰った際、友達に「ブログやってるからみてみてよ」と誘ってもらい、「どうやってみんの?」となり、「携帯にいれといてやるわ」となったわけです。東京にもどり一時して思い出し、スターなのに「ポチっと押して携帯代がものすごく高くなったらどうしよう」とか少々ビビりながら覗いたわけです。

すると、その友達の子供の話やら、昔の話やらが書いてあり、ホッコリしたり、笑ったり、グっときてしまったり。携帯の小さな小窓一つから、東京にいて、田舎の友達の日常のささいなドラマに心動かされたりして。ほんのちょっとした子供のことが書かれているだけでも、それぞれにそれぞれたくさんの出来事があるんだなぁとなんだか嬉しくなって、ブログとの距離が急接近したわけです。

んがしかし、自分がやろうなんてまったくおもわなかったところに、スタッフkさんが宣伝の一環としても、自分の記録としても、ブログをやるべきだと勧めてくれたわけです。自分の場合、「歌手」が本分なので、ライブ情報をのせたり、アルバムできましたなど宣伝の役割が大きいですが、写真を撮ってのっけるってのはおもろいです。

写真のうまい下手はわからないけど、携帯のカメーラでしっくりくるのが撮れたりするとしっくりきます。歌にも似て、言葉だけだと言えないことが、メロディーにのると言えるみたいな。写真って、しっくりきたりこなかったりしながらも、自分でも自覚していなかった自分の心象風景を自覚する作業なのかもなぁともおもったりして。

いろんなキッカケをもらいながら、ブログやってみてよかったなぁとおもった次第です。三日坊主の自分がはや1年半、あっというまに続いてるってのがびっくりです。自分にはできないとおもっていたので、やってみたら、やれることってあるんだなぁと実感したりした次第です。

続くといえば、この連載ももう今年で十年目。過去の記事を見たりしない限り、実感はわかないけど、暮らしの中で知らず知らず続けてることってあるんですね。
たくさんの人が関わってくれ、読んでくれ、こうして何かを続けられるってのは幸せなことであります、自分の本分でお返しできたらと思うと同時に、締切はきっちり守る、コツコツ非常に現実的な目標を守ることから始めたいと思う次第です。

軌道修正、このへんで。また来月よりこの「センチメンタルのバカ野郎」でお会いしましょう。またゆっくり。

P.S.今年の花粉、早めの参上らしいとTV情報あり、鼻が出ようがかゆかろうが、認めない作戦、花粉症の方、ぜひおためしあれ。
P.S.2 ここで一句
「ホームラン ランナーためて かっとばせ」


川。
夜、テレビで吹奏楽などを流し、
延々と川の映像が流れるのをみる。
延々見るわけではないが、好きだ。
川ってシングルを作るきっかけもくれた。
真夜中、整理つかない頭でホテルにもどり
TVをつけると、流れてた。
気づくと延々みてた。なんか泣けてきた。
今も、なんだか見てしまう。
透明で流れていくもの。

2010年1月13日水曜日

Vol.119「2010 正月」の巻


 新年あけまして、おめでとう。
さっぶい寒波に襲われながらも、年は明け新しい年がはじまった。
2010年もよろしくお願いします。

今年は正月を実家、宮崎の延岡で迎えた。
二日あたりに帰ったことはあったが、大晦日から正月を実家で迎えたのはもう10年以上ぶりだ。
大晦日にはいつもライブ納めをしていたので、新鮮な気持ちだった。

田舎にいたころから、やっていたであろうに、大晦日は早めに夕飯をすませることを、「年納め」ということを、はずかしながらこのたび知った。

実家で食べた大根の煮つけがうまかった。親戚が持ってきてくれた猪肉がうまかった。うまいもの食って呑んだ。

なんだか、正月っていいなぁとおもった。すっきりするところがある。
ずっと会っていなかった親戚や友達に会ったり、話をしたり、お年玉をあげたり。
知らないうちに、モヤモヤっと散らかっていたものが、整理整頓されてく感じだ。

自分の順番というか、物事の順番というか。勝手に力をもらう。

正月は昔から知ってたけど、代々どうしてこんなに、大袈裟に、かしこまって受け継がれてるのかなぁと思っていたけど、年々その大事さがわかってきたようにもおもったりして。 
どこにいようと、誰といようと、誰といなくても、これからも正月には、手を合わせ、気持ちよくすごしたいものだなぁとおもった。大人になったつもりでも、今まで親、親戚、じいちゃん、ばあちゃんがみせてくれた正月に比べると、自分はなんにもできないもどかしさも感じたりして。うかうかしてられんと。いつまでもと。いいやつ、歌、シコシコつくってバンバン歌っていきたいとおもわせてくれた正月、イン宮崎は延岡だ。


この度は、鈍行列車で宮崎まで帰った。長い列車の中、退屈も疲れもあったけど、窓からの景色がそんなことぶっとばしてくれたりもした。夜の黒がうっすらと青紫に滲んできて、ぼんやりと雪景色が浮かんできたときは、夢の中にいるような気分になって、一人静かにテンションがあがった。夜が完全に明けきるまでの不思議な時間、贅沢な時間だった。



河川敷でキャッチボールする親子の風景も、一人で壁にゴムボールを投げて遊んでた少年も、自転車に乗って犬の散歩するじいさんも、バケツに覆いかぶさり腰を振っていた犬も、鈍行列車とはいえ、あっというまにその風景とすれちがっていくので、一瞬のフィルムを観ているようで、そのあとに頭の中で尾をひいて、想いやおもろい気分がめぐってった。

大晦日、九州に入ってから、二両しかない短い列車に乗って。九州ではめずらしく雪が吹雪いていた。
隣に座ったおじさんと、おばあさん、おそらく親子の会話が聞こえてきた。
おじさんがおばあさんに、「あんたのこれからの勝負は、何度正月を迎えられるかなんやからね、歩いたりして、努力せんといかんよ、努力せんと」「うんうん、努力しようとおもっちょるよ、努力するが」。
吹雪いても吹雪いても積もらない雪が窓の外で真横に流れてた。そんなおじさんとおばあさんの会話と景色がずっと残る。

ぐずぐずしてられんなぁともおもった正月だったし、当たり前のことだけど何より、みんな元気でいてくれたらとおもった2010年、正月だった。

2010年今年も自分は、ここに生きてることを、生きて感じることを爆発し、叫び囁き、歌ってライブしていく所存ですので、そこんとこどうぞよろしく。
そこにあんたがいることも、ともにライブできたら嬉しくおもう次第だ。


2010年1月。