2021年8月3日火曜日

Vol.257「枝と枝、役割担って一本の木」の巻

  夏だ、きっとずっとすぐに思い出せる年になるだろうな2021年の夏。感染者数が4,000人を超えて、オリンピックが無観客で行なわれていて、僕はライブを遂行し、さすがに躊躇、やってていいもんかと心ざわつかせ、キャンセルするべきかとよぎり、いや、やろうと繰り返し思考がいったりきたり、きっとみんなはじめてのこと、はじめてのことが2年も続いてる。そこにきて総理大臣の記者会見などをみると、一体全体何を言ってるかわからない、それでもすがる気持ちで何を言ってるか汲み取ろうとするも、ボンヤリ光線を浴び続けてこちらもボンヤリしてくる上に、記者の質問にもすべてボンヤリ光線で返してる、だれかこの意図を汲み取ってる人はいるんだろうか、なんでこんなことがまかり通ってるんだろうか、わからない自分がボンヤリ生きてきたからだろうか、などと思う。おまけに記者からの質問に対しては一回答えたきりディスカッションが行なわれない仕組みで、次々と記者が変わり、質問がスライドしてそれにボンヤリ光線でボンヤリさせて終わり、「オッケー了解、ようし頑張ろう」とか、希望も安心感も何も感じない。一体誰のための、なんのための記者会見なんだろうか。餅屋は餅屋と言うけど、どこらへんでその手腕を発揮されているのか、何か一つでも感じられたらいいのだけど、全然聞こえてこないから自分たちの代表がボンヤリだと不安になる。感染対策バッチリしてできることをやって行くしかないべやと自分で自分を引き締めていくしかない、これが自助というやつか、と思うこの頃、いかがおすごしか。

 ともあれ、それはそれで、そんな中、弟Ucocaより連絡あり、「仕事を手伝って」とのことでありました。弟Ucocaは歌も歌って来たのですが、ここ数年は植木屋さんの修行をしていて、めでたく今年一人立ち、植木屋さんの一人親方となったのです。待ち合わせ場所に行くと、東京の住宅街に大きな木が一本、トラックも通る道沿いに立っており、交通の妨げにもなるので住民の方からの依頼で剪定をするとのこと。

 弟は自作のはしごを木にかけ、するりするりと木の上に登って行く、木の上にロープをかけてロープ頼みで寄りかかったりしながら枝を切って行く、その枝を下に落とすのだけど、その時に人や車が通ってないか確認して、来てなければ「オッケーでーす」と伝えて弟が落とした枝をすばやくとって、軽トラに積むためにうもう一人の助手しゅんくんに渡すのが自分の役目。下から見ながら、弟は子供の頃から木登りが好きだったもんなぁ、自分でなんでも作るのが好きだったもんなぁ、中学校卒業式の時、学ランの背中に「この木なんの木きになる木」ってでっかく刺繍入れてたもんなぁ、歌でも森のことを歌ってるもんなぁ、いい仕事についたなぁと枝を拾いながら思ったのでした。

 そんな作業中にクワガタがぼとりと落ちて来て、見てみればミヤマクワガタでした。自分の中ではミヤマはレアな存在。ギターで言うとノコギリクワガタがギブソンならミヤマはギルド的な格好良さがあり貴重。しかももう一人の助手、植木屋さんのしゅんくんに「植木屋さんて仕事中にカブトムシとかよく見る?」と聞くと「いやーみないですねー」と聞いたそのあとすぐだった。

 東京の住宅街のたった一本の大きな木、カブトムシがつくクヌギの木でもないのに、しかも1匹だけが落ちてきて手に取れば力強い。カゴもなかったのでまたその木につかまらせて眺めながら作業をしていたらいつの間にかどこかへ飛んでいったようだけど、出会えてよかった、コロナ夏の思い出、たった一匹のクワガタが夏を焼き付けてくれました。

 弟は休憩中に遠くから木を眺めたりして画家のように考えたり、お客さんと話をして作戦を立てている。「一番上の枝を切ったら切り口から水が溢れて来てたから、この木がこの辺の空気をキレイにしてくれてて、夏の間は葉っぱも日陰を作ってくれるし切ってしまわない方がいいですねー、冬になったら切りましょう」とか「あの枝が風を受けて台風の時に木全体が倒れる可能性があるから切りましょう」とか。一本の木を剪定するのに、いろんな角度から考えて切るものなんだなぁと感心したのでした。

 一本の木、しっかり立って、いい空気を出したり日陰を作ったり、クワガタの住処になったり住宅街、人と共存。切ってくれと頼まれてもいろんな角度から考えて、何でもかんでも切るでなし、木の役目、枝一本一本の役目、季節や人の暮らしを察しながら仕事する弟が頼もしく思え、コロナや政治に歪んだ心を和らげてくれて気持ちのいい仕事終わりの帰り道でありました。

 2021年夏、まだまだ落ち着かず大変な状況ですが、一本一本の枝。ボンヤリ光線を受けながらも、それぞれが自分で決めた役割をできる範囲で果たしてるんでしょうね。我慢強いられる飲食業、ライブハウス、逼迫する医療、そこで働く人たち、ライブをする人たち、今はしない人たち、ライブへ行く人、自宅で配信を見て我慢する人。

 それぞれがそれぞれの役割でつながってる。愚痴りたくなること限りなく自分で自分を通せんぼ、窮屈になりがちですが、それぞれにそれぞれの役目に「ありがとう」を。

 違う役割を果たしながらつながっていることも思い出しながら一本の木。感謝も忘れずにこの2021年夏、そしてこのコロナ渦を乗り切っていけたらと、思いながら今月はこの辺で。ほんの少しでも、できる範囲で夏を焼きつけられますように、2021年よい夏を。


自分は下北沢でラーメンと言えば一龍のニンニクそば。ずっとあってくれてありがとうございます、な7月頭。

高木フトシさんと。フトシさんとは10年前の終戦記念日にはじめて対バンし、それ以来ずっと戦争についておもうことをフトシさんに話したくなったりして、意味ある2マンに嬉しくなりました。ヘブンズドアと加川良さんの教訓を一緒に歌えたこともよかった。

そんなこともあってか5年前からいつか歌にするだろうと思っていたテーマを書き出して、ライブで歌いました。

石橋凌さん、かっこいいなと思わずYouTube見てパシャリ。

だめだ、年に一度くらいにどうしても食べたくなる永福町の大勝軒。ライブ前には食べてはいけないなと思いました。

ソフトボールはファインプレーがすごかったですね、日本アメリカも。やっぱりソフトボールはおもろい。

あぁかっこいいなと写真撮った後日、VHSをDVDにしてもらう業者さんから届いたのをチェックしたら、一緒に歌ってるでないですか凌さんと。自分の司会ぶりにはハラ立ちましたが、歌は良かったなーお前良かったなーと感動致しました。

YouTube2本目のくじら。みてもらったでしょうか、雷が所々鳴ってる、一本目の時は車が、今回はAメロの間の間奏前に遠くで雷鳴って嬉しくなったのでありました。しかし、募集しました場所ですが、いまだ1通も応募がありません、わかりにくかったでしょうか。ヒントはですね、

だいたいこのようなことがやりたいということですね。

そして木。

するりするりと木に登る弟。

ぼとりと落ちてきたミヤマクワガタ。

焼きついた夏、やったねだ。

風通しよくなってさらに気がよくなった。いい仕事や。気がいいのがいちばんだあね。

諭介がお答え致します

■「中尾さん、48才のお誕生日おめでとうございます!40才から毎年、誕生日をパワフルな先輩達とエネルギー全開で過ごせることは、とても幸せで特別感満載ですね。中尾さんの紡いできたキラキラ光る線を見せてもらって充電させてもらってます。これからもライブや配信を楽しみにしています」(柿の種 2021/07/13 22:35)

→ありがとう、配信をみてくれてありがとう。線を通していきますからね、強烈な光目指していきますからね、これからもよろしくお願いします。

■「暑いですね~!48歳の諭介さんこんにちは。45歳から続く心の声が面白かったです。確かに50は信じられないですよね。でも何かの計算間違いではないので48歳まだまだ余裕で頑張ってください(笑)と、笑ってしまいましたが、48歳の諭介さんを少しも想像してなかったわけではないけど、もっとしっかり想像していたとしてもそれより素敵に年を重ねられてるようにも思いました。見た目も若いしかっこいいし!(誕生日過ぎたけど褒めプレゼントです。笑)それに、今続けられていることや周りにいてくれる人がいることがその証拠だと思います。誰だって後悔はあるし元に戻せないこともあるけれど、そこを含めて今を大切にできれば、その先の自分も好きでいられるように思います。先には立ってくれない後悔が僕の背中を押しました。みたいなことってやっぱりありますよね。この先も想像を超える諭介さんでいて欲しいです。追伸:YouTubeで歌う場所の提案が一件もぉおっ。って言ってましたけど(笑)そうそう、まだ1個目なんで様子見なんですよ!(笑)インザスープとの思い出がある場所とか考えてはいましたが、個人的な思い出をどう伝えるのがいいのか迷っていたり、諭介さんのインスタの写真なんかも見ながら考えたりしていました。今はまだ難しいかもですが、全国でここで歌ってみてほしいってきっとありますよ。ということで、第2弾のUPも楽しみにしています!」(A.T 2021/07/21 15:34)

→ありがとう、そう第二弾もあげましたからね。場所の提案は、そんなに考えすぎなくていいですからね、ふっと思った感じで。一人で機材もっていくだけですから、もしかしたらここで歌ったらおこられるかもなぁってとこでも、一か八かでいけるかもしれません、気軽な感じでぜひ。褒めプレゼントもありがとうございます。

■「今回のコラムを読みながら、初めて諭介さんの歌を聴いたときの衝撃から今までをなんとなく思い出していました。言葉で書くのはすごく難しいですが、初めて聴いたときと今聴く諭介さんの歌が入ってくる感覚は変わらずで、もちろんギターが上手になって心地よい音が聴けたりも嬉しいのですが、その変わらないものを聴きたくなってずっと聴いているのかもしれないなと思います。私も同じように年を重ね若い頃のように身軽ではなくなってなかなかライブに足を運べなくなって、それでもそんな私の所でも諭介さんの今の歌が聴けるのは、地面にお尻をつけず頑張ってきたくれた日々があるからなんだな~って思うと感謝の気持ちが溢れてきます。本当にありがとうございます。太くても細くてもよれよれの線でもきっと聴いていたいなって思うのでこれからも応援しています!なるべく早くライブに行けますように⭐」(hitomi 2021/07/23 23:44)

→あぁ、力が湧くわ、よれよれでもって、迷わず当たってぶつかっていける感じがする。歌ってるからね、ずっと。ウィルスが落ち着いついて、いけるとおもったらまた体感しにきてね、ありがとう!

■「48歳、ビックリですね。・・・ってIn the Soupの音楽と共に歩んできた私も自分の歳をふと思い出してビックリです(笑)。後悔は先には立ってくれませんね。その時はそれが正解だと思っていても、後になって「タラレバ」が頭をよぎり、わぁ~っ!ってなりますよね。歳を重ねれば重ねる程、色んな壁にぶつかったり楽しい事ばかりじゃない現実を突きつけられる場面も増えるけど、それも経験としてめげずに生きていけば、成るようになるんじゃないかと思います。諭介さんの残りの40代、そして50代も微力ながら応援してます。お互いカッコいいおじさん、おばさんになりましょうね」(夕陽 2021/07/24 11:53)

→そやね、魂みがいていきましょ。わー!ってなる感じもその先の自分を成長させてくれるんだろね、巌流の映像もやっぱり全部みてられんくらい、わー!ってなるわ。年を重ねると突きつけられるね、昔気になってたようなことがどうでもよくなったりしてどんどんシンプルにもどってくね。