2014年8月27日水曜日

Vol.174「2014年、夏の記念品」の巻。

あっっっと言う間に夏ってヤツは通り過ぎていくもので、毎年毎年8月も半ばを過ぎるときちんと雲が変わって、風が変わる。持ち前の貧乏性からか、これも毎年毎年、6月くらいになると「梅雨も夏の内、もう夏なんだ」と実感するようにつとめ、周りにもそう伝え、「そう思えば夏も意外と長く感じられるんじゃないか」と、あっっっと言う間対策を遂行するも、お盆の頃になると「あぁやっぱり終わりは来るのだなぁ」と「あっっっと言う間だなぁ」と思わされる。「ですよね、もう終わりですよね」とアスファルトに燃えつきて腹をみせて転がってる蝉や蛾なんかを見ては夏の終わりを知らされる今日この頃です、いかがおすごしか。

前に書いた夏貧乏性、小学校の頃などは毎年夏休みにいとこが遊びに来るもんで、その間にどれだけたくさん川や海に行って一緒に遊べるかと、次から次に提案してたものだった。大人になってからそのいとこに「ゆうすけがガリガリで真っ黒で原始人みたいで怖かった」とその頃のことを言われたが、自分はそれほど活発な方ではないと思ってたが、その言葉からして太陽に焼けて遊ぶ派だったんだろうなとおもう。だからして大人になっても、ひと夏に一度も海に入らない夏なんて夏であるものか、と忙しく海に行く時間も作れない年などは泣けてくるほどであったし、夏夏しい行事の予定がない夏などは、何かしら焦ったりしてたものだった。

そこにきて今年の夏はライブにて札幌、愛知、兵庫、千葉に行った以外は、海も川も山も花火も祭りも帰省の予定もなく、いっそ今年の夏は蝉にまかせて逆に引きこもって夏眠してみようかと決めたのでありました。

ギターを弾いたり、今まで、専門の人がいるのだから専門の人にまかせるべし、得意な人にまかせるべしとして遠ざけていた録音機材などを購入し、説明書を読みながら、あぁじゃねこうじゃねぇとやってみたりと、やっぱり機械ってむずかしいなぁと実感したりして初歩の初歩で立ち止まってる夏であります。しかし機械、音楽やスポーツと違って一度解読して覚えたら次には使えるようになっていてまた次にいけるあたり、おもろいなぁとおもいます。このペースでいけば何年後かには使いこなせるようになってるんじゃないかしらと期待し機械を眺めています。

そんな夏もいつもの夏と変わらず夏のフィルムに焼きつくのが蝉の声と甲子園。 日本の夏に甲子園があってくれてよかったなぁと。選手はもちろん、応援する人達も含めて、その汗、涙はこちらの心をも熱くしてくれます。 どちらかと言えばスポーツは自分でやりたくなってしまうほうですが、甲子園はなんだか見ていて熱くなります。かっこいいです。高校を卒業してもずっと甲子園で活躍している球児達を見れば年上に見えてたものでしたが、さすがにこの頃はその通り年下に見えだしたものの、やっぱりかっこよく、ヒーローに見えるわけです。

去年は我が故郷の延岡学園が準優勝であったため、こりゃ今年の宮崎代表である日南学園にはいいとこまでというより優勝してもらいたくツイッターで応援したところ一回戦で負けてしまい、であれば次はどちらかといえば実家から近いし大分にがんばってもらいたいとまたツイッターで呟けば、残念ながら一回戦で負け、ツイッターで呟くからかもしれないと同じ九州ということで佐賀をこっそり応援したがこちらも負けて、気がつけば九州勢は早い段階で全部負けていてびつくり。うってかわって東北勢が強くてこれまたびつくり。その昔、東北や北海道は雪が積もってグランドで練習できる時期が少ないということで、それほど強い学校がいなかった印象だったが、温暖化の影響がこんなとこにも影響があるのか、いや違うと思うけど今は北海道、東北が強いんですね。

そう、このチームを応援するぞと決めなくても見入ってしまうのが甲子園で、ぱっとテレビをつけて負けているほうのチームが攻撃をしている時などは、その場にいるかのような臨場感で、「ナイバッチン!」「よっしゃ!」などと大きな声が瞬発的に出ています。自分が小学校の時、試合に出ていて、監督、コーチ、おいちゃんたちがベンチの方にいるのですが、そのプレーの度にやはり「ナイバッチン!」とか「よっしゃ!」と応援してくれてたんですが、今自分がテレビを見て瞬間的に大声を発した後に、そのおいちゃん達が浮かび、自分もおいちゃん達の仲間入りやなぁといちいち思い、怖くもあったけど一喜一憂、ともに喜んだり悔しがったりしてくれてたおいちゃん達の声が焼きついてるんですね。そんなことも含めて、やはり色んな気持ちを思い出させてくれる甲子園があってくれてよかったなぁとおもいます。

球児達のグローブを見るのも好きで、どこのメーカーの使ってるんだとか、それぞれに汗と泥と沁みついたグローブ、とりわけ内野手のグローブなんかかっこいいなぁと見てしまいます。クワガタってかっこいいなぁってのとちょっと似た感覚でそうおもいます。

中学一年の頃野球部の先輩でショートを守ってるカッコいい先輩がいて、そのプレーがまた飛びぬけて職人的で、その先輩の使ってるグローブがまた独特でかっこよかった。自分はソフトボール上がりだったため、軟式用のグローブに変えるタイミングだったこともあり、母に無理言って買ってもらったことがあった。

先輩に聞けばタマザワってメーカーのグローブで日本の職人さんが手作りで、延岡だと一軒しか取り扱ってないとのことで、その店に行きパンフレットをもらい夢膨らませて友達と「じゃ俺はこれ」「僕はこれや」と決めて何週間後に店にグローブが来る段取りとなって、その間もまだかまだかとワクワクが膨らみ、いよいよ10月10日体育の日その日が来た。その日も練習があり、その日に限って遅くまで練習が続き、おまけに練習後の監督の話が長く、店が閉まっちゃうんじゃないかと、早くしてくれと、いやがらせかジョリマン!(監督の陰での呼び名)と心の中で叫び、監督の話まったく聞こえず、ようやく終わって一目散に店に行きなんとか間に合い、それから長い付き合いになるタマザワのグローブ内野手用と対面することになる。

グローブは皮でできてていい匂いだ。オイルを塗り磨く、最初は皮がかたいのでボールを入れてヒモで縛ってずっとおいて型をつくる。よくなってきたかなぁとヒモほどいてボールをグローブのポケット部分に投げつけてバチ!バチ!っといい音を鳴らす。その間もずっとなんだか胸は膨らむ。そんなことを繰り返して、練習で土やら汗やら沁み込んでいって自分だけのグローブが出来上がってく、結果自分は中学3年間万年補欠であったが、このグローブとは一生の付き合いだとおもい、上京しても一緒につれてきた。野球をやりに上京した訳ではないけど一緒にいて欲しいというか、そこにあってほしいものだ。ものよ。ものだったのよ。

そうこのタマザワのグローブ、ソロアルバムのジャケットでも手にはめて登場してるのだけど、その後の今から10年ほど前に野球の試合があり、グローブのヒモが切れ、それをみた知人が「修理してきてあげるよ」と言ってくれたのでお願いし渡したところ帰らぬグローブとなってしまった。どうやら紛失してしまったらしく、かわりにこれ使ってと違うグローブをくれた。いやいやそういうことじゃないだろうと思うも言えず、さも物に執着などしとりませんよといった体で「あそう、いいよいいよ」と言ったが内心、猛烈にショックであった。ショックというかなんというかだった。

さらに小さい話で恐縮ですが、小学校のころプラモデルの色を塗る筆を友達に貸してといわれ数日貸して戻ってきた時にその筆がぐっちゃぐっちゃでかえってきた時があった。その時もショックがあったのだが、そんなことでショックをうけてる自分が小さくて嫌だなぁとおもった。このことを思い出す度に、人に何かを貸したりするときは、ほとんどあげるつもりじゃないとだめだなぁとおもうようになったし、人には人によって大事なものが違うんだなぁとおもうようになった。

そう、モノに執着するのはかっこ悪いし、自分の弱点になりえることだとおもいながら、このグローブに関しては時々思い出しては色んなものが詰まっていたからか、ポッカリと寂しい気持ちになったりもしていた。

そこにきて高校球児達のカッコいいプレーを見てまた思い出し、球児達のグローブを見るもタマザワのグローブは見かけなかったので、もう製造してないのかと調べてみた所、あった。新宿二丁目に取り扱ってる野球専門店があるとのことで、熱くなった。野球専門店というのもいいし、新宿というのもいい。これは一度行ってみなくてはと場所を調べて後日向かった。

開店が10時とのことで10時前に着いて待った。個人商店らしく、小さくて歴史を感じさせるシャッターが閉まっていて、真ん前で待ってるのも何なので車道を隔てた反対側で距離をおいて待った。が、10時になっても開かず、5分、10分と時間が経ち、うむ、個人商店ならありえることだと、もうちょっと待とうと、その間も坊主頭の高校生が何人かシャッターの前にきては帰っていき、かわいそうに、楽しみにしてきたろうに、にしても最近の高校生は諦めが早いなぁ、もうちょっと待っとけばいいのに、やっぱりあれかなスマートフォンみたいに次っ次っと横にしゃっしゃやる影響かな、などとおもったりしながら20分ほど待ち、それにしてもルーズやなぁと車道を渡りシャッターの前まで行ってみれば小さなメモ用紙に「本日は12時から開店します」と書かれていて、「なんだいっ」と呟いて高校生と同じくその日はひきあげた。

そのルーズな感じにもまた心惹かれ、スムーズに会えない感じがまたタマザワへ会いたい気持ちを膨らませ後日夕方に行き、すんなり開いていたので店内へ入った。狭い店内の壁にグローブが並び、皮のいい匂いに包まれる。 いろんなメーカーが並ぶ中からタマザワを探すとほんの3つだけあった。やっぱりかっちょいい。いい匂いだ。奥に白髪のスラっとした店主がおり、行ってタマザワのグローブは他にないですかと聞くと出てきてくれ「いや~ないんだよね、なかなか仕入れられなくて」とタマザワは昔流行っていたが、一度生産中止になってまた再開したことや、職人が作ってることを教えてくれた。自分もタマザワを使っていたことを話すと嬉しそうにまた話をしてくれた。店の雰囲気とその匂いの中で話を聞いていると買わない手はないとなってきて、夏らしいことがあまりない夏の記念だと自分に言い訳をして買った。店主、タマザワだったからかいろんなおまけもつけてくれた。

左手にタマザワのグローブをはめて電車に乗って帰った。気持ちがよかった。これから第2のタマザワグローブの時期突入だと帰って油をぬり、球を入れて型をとって、匂いをかいで、球をバッチバッチとグローブに投げつけて音を鳴らし、こちらいつでもオッケーと準備万端。甲子園にはもういけないし、野球の試合の予定も何もないけどバッチバッチとやるだけで心膨らむグローブ。きっとそれぞれに、きっと何かしら、一緒に時を刻んでいきたいモノ、色んな気持ちを思い出させてくれるモノ、そういうモノってあるんでしょうね。野球選手じゃないけれど、自分にとってはあってくれると心強いモノのひとつ、タマザワのグローブ。2014年、夏の記念品です。



夏のあち-日 アルタ横の果物屋の前を通ると食べずにゃいられん真っ昼間の三日月メロン。

通るたびに入ったなぁと思いだす、渋谷の川 せんまいせんまい空映す。

夏、ライブ以外のおもひで番組収録。番組しゃかりきのセット

かわいらしや 吉祥寺はハモニカ横丁。


そう そしてこれがタマザワのグローブ 店主「これはカンタマですね」とすすめられ、
「カンタマってなんですか」「漢字で書いてあるタマザワのことです」と自慢気に言われたけど
英語で書かれてるのがほしかった。
んがこれもこれでかっこよし。手のひら部分にはでっかく江戸前玉澤と刻印されてる。
これからよろしくお願いします。

この夏ともにツアーしたGONDAさんと東京ファイナル決定。

蝉はカラカラと

夏はいいわね

にしても根気強い

沖縄にきました。 写真ですが 銀座の交差点にて。看板だらけの街に涼しい風。

ラムネを上手に飲めるか否かが大人の別れ道。

蛾もパタリと燃え尽きて。

夏のはじまりがなつかしや、もう秋がきますよ。

ボタンがいっぱい



♦独占企画 諭介がお答え致します

■「世話焼きおじさんがツバメを愛でる話微笑ましかったです(笑)うちの犬のえさを食べに来てたスズメのことを思い出しました。昔、怪我した鳩を一時的に飼っていたときがあるのですが、そのときは犬がめっちゃ焼きもちを焼いて、ワンワンほえたのに、スズメが自分のえさをつまみ食いしに来てるときは、なぜかボーっと見てるだけなんですよね。やっぱり、かわいいやっちゃな!って思ってたんですかね。少しだけ犬と諭介さんが重なりました(笑)札幌でのライブ。あったかいものをたくさんもらえてよかったですね。もっといろんなところに行ったら、諭介さんが知らなかった待っている人の想いにまだまだ気づけるんじゃないですかね。お誕生日も初ワンマンもおめでとうございました。新しいギターかっこいいですね」(A.T 2014年7月16日 9:24)
→行きたいね、いろんなと、いろんな想いに出会いたいね。すごいね犬と重なる想い。あ、ツバメじゃないよスズメだよ。

■「餌付けですか?(笑) 優しいですね、諭介さん。 スズメが部屋に入ってくるなんてそうそうないと思います。そんな人柄が伝わって、安心してたのかな?ちよちよ。 札幌、バースデー2マンLIVEにワンマンLIVE。 スペシャルな2日間でした。 たくさんの歌を届けてくれてありがとう。 誰よりも、諭介さんの笑顔がいちばんキラッキラしてましたね☆ あの笑顔にやられっぱなしでした( 〃▽〃) 不思議なことに、 わたしもなぜかアメリカ(行ったことないのに)を感じていましたよ! ココペリ(小さかったけど)にも遭遇しました! 私的なことですが、嬉しい偶然があったりと、 札幌には何か不思議なパワー、あると思います☆ 本当に楽しい2日間でした。 そして、お誕生日のお祝いに参加することが出来て嬉しかったです♪♪♪ 改めて、お誕生日おめでとうございます。 知ってました?誕生日に「おめでとう」ってたくさん言われるほど、幸せになれるらしいですよ♪ 41歳も諭介さんらしく、走り続けてくださいね。 P.S.諭介さんの新しい相棒、素敵ですね☆」(ゆな 2014年7月17日 2:23)
→ギターほめられると嬉し。たくさんのありがとうで幸せになるのはじめてきいたわ、幸せもんよねぼかぁ。その話聞くと、おめでとうって人にたくさん言いたくなるね。

■ 「「ちよちよ」って可愛いですね。読んでいてその温かい光景が目に浮かんで私の心も温かくなりました。 私も餌付けはしないけど 近所でよく見かける野鳥がひょこひょこ歩く姿が可愛くて密かに「ぴょこりん」と名付けています。 あと、札幌。 私は行けなかったけど諭介さんの41回目のバースデーが特別なものになったようで何よりだし、そこに行けなかったのが悔やまれます。 諭介さんはたくさんの人に愛されてますね。私も愛してますけどね!(照)」(つぼみ 2014年7月28日 20:58)
→なはっ。

■「諭介さん 男の子の話でピンときました(笑) 男の子二人を育てていますが、虫取り網、公園では枝、戦いごっこの剣 私にとっては全く未知の世界ですが 大きくなるときっとこれが、ギター、野球のバッド、釣り竿に変わるんだなー。ふみふむ。と読ませていただきました(^^) 札幌でのソロライブ、諭介さん好きな人がたくさん集まりあったかい空気に包まれながらたくさんの歌を聴くことができて、いまだ私のこころにあったかい光景が思い出されます(*^-^*)またの帰札をお待ちしています☆彡」(hitomi 2014年8月8日 0:27)
→ピンっとくるあたりさすが母。その視点でみれないこともないよね。また札幌でっ。

■「諭介さん、こんばんは。 確かに八月になったらすぐにお盆が来て、街中も秋を迎える準備を始めたりして暑さは続くものの 夏のエンディングを感じますね。 そう思うと早い時期から夏宣言をして夏を楽しむのは間違いないです! 私もこの夏も海とか花火とかバーベキューとか 「夏っぽい」行事予定は何もなく、ひたすら暑さと戦うだけの毎日になりそうだけど、蝉の声や夕涼み、スイカ、生足サンダル… 夏にしか出来ない事を楽しみながら諭介さんが作った 「ぬか漬け音楽」を美味しくいただきたいです♪
【休憩】
私は野球とかスポーツには疎いし自分がやる機会もほとんどなかったからよく分からないけど、ピッチャーとか、サッカーのキーパーの何ともいえない緊張感や責任感ってすごいものだろうなぁって思います。 でもそれを成し遂げた後の解放感はきっと作り上げてきた音楽が出来た時にも似てるのかもしれませんね。
【P.S】
第三部はR-15なので読むことができませんでした。ごめんなさい(←サバ読みすぎ!笑) 」(夕陽 2014年8月11日 20:27)
→夏って行事何にもなくても、部屋の中で外の蝉の声きくだけでも立派に夏行事よね。なはっコメントで休憩って斬新やね、疲れやすいのねっ

■「男の子代表諭介さんのギターと野球の話、面白かったです。でも、ギターも野球もそれぞれチームプレイ(ギターの場合はバンドというチーム)だから、そういうチームの一員としてのプレッシャーみたいなのも似てるのかもしれないですね。ステージに立つプレッシャーと、ピッチャーマウンドに立つプレッシャーは違うと思うけど、自分1人なら楽なのに~と思う気持ちがあったり、逆にみんながいるから助かる!頑張れる!と思ったりするのはちょっと似てるかななんて思いました。そして、そこで戦う姿は同じようにかっこいいなと思ってしまうし、今はちょうど甲子園の時期でもあり、コラムのおかげでより選手の心境とか想像しながら見ちゃいますね。男の子かっこいいです。」 (A.T 2014年8月18日 17:11)
→男って何かしらプレッシャーがあったほうが幸せな生き物じゃないかしら。何にもなかったら何にもしないもんね。