2005年8月26日金曜日

Vol.67「夏真っ盛ったお盆に帰郷。暑い宮崎の夏。」の巻

 今回は13日に行なわれた我が母校、延岡西校主催の同窓会に漫才師としてよばれた。
 漫才をやるのは13年ぶり。高校1年の弁当の時間に相方の本田誠人(今テレビドラマの“電車男”に、赤いジャージ着てネットの住民の1人として出てるか らみてみてね)と、なんかつまらんねってことではじめた漫才。それからの3年間はみっちり漫才師だ。誠人は根っからのお笑い好きで、僕は漫才のことを教え てもらった。稽古の途中に僕の集中力が切れてくるとポカリスエットやカップラーメンをおごってくれたりもした。今思えばあんな芸に厳しい高校生はめずらし いんじゃないやろか。その成果あって高校三年の時にはダウンタウンの全九州お笑い選手権で優勝までさせてもらった。あれから13年。僕は歌、誠人は演劇と それぞれの道を進んで、今また一夜限りの漫才師。    
 東京で3回ほど練習をしたがやっぱり昔のようにスムーズにいかず、“錆び付いてるね~”なんて言ってげらげら笑った。回を重ねるごとにカンをとりもどし てきて、かけあいの中でキレイな瞬間があった。歌でもお笑いでも演劇でも種類が違っても、きっとどんな仕事にでもありえることだと思うけど、そんな瞬間を 共有できた時が本当に面白いことです。       
 
 で本番はと言えば、体育館中大爆笑とまではいかなかったものの盛り上がって、懐かしい顔やら場所の中で13年ぶりの漫才は新鮮な経験だった。いつかまたリベンジや。say-you 
  
 翌日は昼から川辺でキャンプ。仲間内だけで十何人が、それぞれに奥さんやら旦那やら子供やら連れて来て賑やかだ。高校時代のマドンナの幸せそうな家族を みながら男達でなぜかショックを受けてたり、子供らと川で遊んだり、肉食ったり。夕方になって、そこから山を何個か越えた場所で花火大会。どうせ帰ってき てるんなら花火の前にちょっと歌いにきね~と誘われてたので、友達から軽トラックを借り、ギターを積んで煙り吐くオンボロ軽トラで会場へ。山に囲まれて、 会場に来ていた人と山に向かって歌い終わるとシュルシュルと花火が打上がり、ドーン! 山がこだまする。帰りは誠人と二人、軽トラで山の中帰る。結婚して ないの、うちらだけやね~なんてしみじみ話してると、あれっと異変に気付いた。出ているはずの煙りが出てなくて、なかったはずの灰皿、クーラー、スムーズ な軽トラの走り。間違えた! 軽トラ盗難。知らない人の軽トラや!っとUタ-ン。さすが田舎でカギつけっぱなしで、とられてても誰も気付いてなかった。す んなり乗り換えてキャンプ場へ。流れ星飛ぶ夜空の下で残った男達だけで酒をのみ、夜を明かす。夜がすこ~しずつ明るくなってくると、1人がパンツも脱いで 泳ぎはじめ、つられてみんなで裸族。朝もやの冷たい川に裸族がいっぱい。すっかり明るくなってガキんちょ達がおかあさん達に連れられやってくると、慌てて パンツをはきにあがったが、タイミングを逃した誠人だけが、川の中最後まで裸族だった。       
 みんな結婚して子供もいて、そんでいてぜんぜん変わってなくて頼もしかった。
 泳ぎながら口にふくんだ水をビューととばして、ガキんちょ達をおっかける。“うわ~噴水マンがきたーっ!”ガキんちょ達の声がきこえてくるわ。 
 
 翌日は弟に教えてもらった海。延岡は旭化成の工場があるせいか、それ程きれいな海の印象がなかったが、その海はすんごくきれいやった。ディカプリオの出 てる映画“ビーチ”を思い出さすような秘境の海や。山を一つ越えて細道をいくと、ひっそり白い浜の海がそこにあった。あまり知られてないから誰もいない。 小1と小2の姪と、いとこと4人。姪達は裸んぼうで泳ぎ、波にまかれて遊び、僕ももぐって目をあけると薄いグリーンの透明な海の中にず~っといたくなる、 顔を上げ振り向けば山に抱かれてるようで嬉しくなる。 ばあちゃんがもたしてくれたスイカを割って、また手で割って、海につかって塩水付けて食べた。うま い! 海の中でも食べっこした。食べこぼした姪のスイカをめがけてスーっと黄色がかったきれいな魚が寄って来て、スイカを食べて逃げてく、それみた姪はワ -っとなって“もっともっと食べね~”って叫んでスイカを投げるとまた寄って来て食べていく。“大きくなんねよ~”って叫んで、それを繰り返してた。姪が 普通に魚と通じてたのが面白かった。
 この海をずーっと残していきたいとおもった。 

 久々長く帰れたお盆だ。 
 こうやって書いてくと、川、海、山、星、子供達、せみやら川に浮かんでみた木漏れ日やらが、またキラキラ、ぎらぎらしてくる。                           
 宮崎の太陽が焼いてくれた今年の夏、すんごく濃くて、いっぱいいい匂いのした夏だった。               
 あと少し東京の夏、蝉の声、夕立ち来そうな午後にて   
  
    
バイバイ

(2005.8.23)

 宮崎空港と延岡をつなぐ電車。こっからまた海沿い走って、緑抜けて1時間半ほど走って、赤と白の煙突の小さな街へ