2006年8月26日土曜日

Vol.79「ふるさと」の巻


 ギンギンギラギラ太陽焼いて、アスファルトからのモアンと熱気に、酸素不足の金魚のように口をぱくぱく“あちーあちー”。
 で、ここ何年かで久々の風邪だか熱中症だかわからんが、体がだるい。「バカは風邪ひかん」と言うから、風邪気味な自分にどこか少し安堵もして、ぼんやり 頭に輪をかけて、ぼやーっといろいろ眺めてみる今日この頃、いかがおすごしか。
 残暑お見舞いもうしあげます。
 最近、頭の中でよく眺めるのは「四万十川」だ。行ったこともなく、どこにあるのかも知らなかったけど、前にテレビでみて、いつか行きたいなってな場所 だった。名前にも惹かれるし、テレビでみた時に感じた優雅さや、手長エビがわんさかいるところが、いいなとおもった。 
 行ってみたい、来年の夏は四万十川だ。
 エビは実家、延岡の川にもいたが、台風が来た時にみんな流されていなくなった。ぴたりといなくなった。不思議なくらいだ。それまではわんさかいて、アミ ですくって、それをえさにして釣りをした。川にえさを投げ、竿をたて、竿の先に鈴をつけて魚がかかるまでエビをとってた。小さなエビに混ざって、手長エビ もいた。
 夜になると目だけが光って、川の中には光る点々が気持ち悪いくらいいた。たった一つの台風でエビがみんないなくなるなんて、不思議だ。四万十川に行ったのかもだ。
 ついでに、昔は田んぼがひろがってのう、夏が来るとポンプ小屋が動いてドドドー!って水を流して、そこにはカニが気持ち悪いくらいいたもんじゃ。ソフト ボールの練習の後そこまで走らされて、ぜいぜい言ってポンプ小屋からの水に頭を突っ込んで、その気持ち良かったこと。カニはみんな笑ってるような模様が甲 羅にあって、笑いながらカサカサと、逃げたり隠れたり。笑ってんじゃないよと思いながらも、いつもそこにいてくれると嬉しかったもんじゃ。
 去年の今頃は実家の友達やらと川で遊んだんだなー。みんな子供連れてきて、口から水を噴出しながら泳いで「噴水マン!」とか言って。
 おぉ! 来年の夏は噴水マンだ!
「ふーるーさーとぉー」だ。
「ふるさと」的な気分は、育った場所だけじゃなく、「懐かしい」や「センチメンタル」ってなものだけじゃなく、心にあるなーと思う。例えばライブの最中な んかに、とてつもなくその空間、音、人、がたまらなくなる時なんか、そんな感じだ。うまくいえないけどそんな感じだ。
 マイクがあると「アイラブー!」と、このカタカナ英語に、溢れてよくわからんその気持ちをたくし、伝えたくなる。
 ずっと会っていなくても、ふとした時に思い出す気持ち。ふとした時に初めてきづく気持ち。あのポンプ小屋だって、カニだってエビだって。
 人や景色、音や匂い、そのライブに包まれたとき。そんな「ふるさと」たちがいてくれるから、またどっかへ行けたりするんだろうなと思う。ぼんやり頭のこの頃だ。 

 2006東京の夏を歩いた黒いサンダル。 かっこいい
 この夏、身を守ってくれて懐かしい匂いをくれた 蚊取り線香。
それにしても 甲子園すごかった。 甲子園はいつも夏を暑くしてくれる。