2005年10月31日月曜日

Vol.69「男達からのメッセージ」の巻

 ロッテがものすんげぇ~勢いで日本一を決めた2005年のプロ野球日本シリーズ。僕はどこのファンてのはないんだけど、野球は好きで、どこが今強いとか ぐらいは知っておきたいほうだ。で、僕の記憶の中でロッテというのは今までずっとず~っと弱いチームで話題性もあんまりなく、印象的にはあかぬけなくて多 分いっつまでもこんな感じなんだろうな、くらいのもんだ った。 
 このチームで唯一興味があったのは、ピッチャーのジョニー黒木。元?エースで気合い丸出しの投げ方だ。しかも同じ延岡出身、同じ年。会ったことはないけど、この人のサインボール もってるんだぜ。イェイッ。
 で、野球に興味のない人にはまったくもってどうでもいいことだろうけど、今年のロッテは映画になりそうなくらいの変身ぶりだ。僕はニュースのダイジェストでチラっと観たくらいだ けど、あの優勝の仕方は日本プロ野球の歴史に刻まれるような出来事じゃないやろか。何より選手達が楽しそうで、ハッピーオーラがでてる。選手達の“お客さんも含めてチームなんだ” っていう意識と、野球を楽しんでる感じ。あったり前なことなんだろうけど、気持ちが見えるその変身ぶり、快進撃、お客さんを含めたハッピーオーラ。見ていて気持ちがよかった。バレンタイン監督は陽気で明るくて、相手チームも含めて周囲を大切に想うインタビュー。なんだかとても素敵です。そんなチームの優勝は結果だけじゃなく、野球界にだけじゃなく、素敵な メッセージを僕に届けてくれました。いゃあ、いかったいかった。ロッテ、優勝おめでとう! ジョニー黒木、おめでとう!!

そんな2005年の秋、いかがおすごしですか。 
 このあいだ久々にバスに乗った。僕は一番前に立って吊り革を握った。バスはゆっくり発車した。ちょっとした田舎町をするりと走ってく。運転手さんは曲がり角にさしかかる手前で優しく“左に曲がりまぁす、ご注意くださぁい”とかいちいち忠告してくれるんだけど、その言葉の中にはすごくあったかいもんがあった。バックミラーで運転手さんの顔をみると、後方確認やら左右確認やらしっかりとした目つきでおこなっていて、バスを守る、僕ら乗客を守るヒ-ローにみえた。クリント・イーストウッドにも似ていて気品さえ感じられ、自然でカッコいかった。いるんだなぁこういう人。僕は何だか焦っていたのが、そんな運転手さんのバスに揺られてると、気持ちが落ち着いてくるのがわかった。
 人の多い街の駅に着くと、運転手さんにお礼を告げてバスを降りた。いつもは苦手で、気持ちを閉ざしてた街の音がやわらかく聞こえて、アスファルトもしっくりと足の裏にいろんな音を伝えてきた。
                
 順番があるんだね。あったかい。
 いつもここからって、胸のあたりが嬉しくなった。
 バレンタイン監督もバスのイーストウッド運転手さんも、自分の仕事を通して、勝手に何かに焦ってた僕にかっこいいメッセージを届けてくれた。いるんだなぁこういう人が。出会えて よかった。 いつも気持ちから一歩一歩。         
                 
 ありがとう こういう男になりたいもんです。
2005年 10月29日 秋。 中尾諭介

 働く男。ドラム吉田くん。

0 件のコメント:

コメントを投稿