2014年3月4日火曜日

Vol.168「体が向いた方向に歩いていくのさ」の巻


 今年も三寒四温繰り返し、じわじわと春へ向かっていくまっただ中。今日は雨、絶好の連載書き日和、いかがおすごしか。すっかりいつもの月末を過ぎてしまい締切間に合わず申し訳ありません。27日のワンマンに向け切り切り舞いでとてもポチポチとキーを叩ける心持ちでありませんでした。ならばその前に書いとけよって話なので言い訳できませんが…ってしてるか。というわけで今月もあれやこれやおもったことを書かせていただきやす。

そう、今月よくおもっていたことがあって、あまり人に言うには不確かな実感のないものだし、効力も薄れそうな気もするし、後付けやん、とか言われそうなので、あまり人には言うとりませんが、自分…預言者かもしれません。 っつって。預言者は言いすぎですが、思ったことのいくつかが叶う確率が高いんじゃないかと、そんなことよくおもう一ヵ月でした。まずは先月のここの連載にて、「今年は雪がたくさん降るんじゃないかと中尾予報士がなんの根拠もなく言っています」的なことを書かせていただきましたが、ご存じのとおり後日記録的な大雪になりました。なったよね!なったよね!と念を押し自慢したいところですが、あれは根拠がなかったわけではなく、うっすらと、なぜなら、ビコーズというのがあった。あったけどそれも不確かなもんで説明できずに根拠なく書かせてもらった次第です。その不確かな根拠ってのが、何年か前、タクシーの運転手さんから聞いたことがあった「東京の雪って春になりかけの頃にふるんだよ」よく覚えていないのだけど、気圧だか雲だかの関係で暖かくなってからその反動で雪が降るんだよと教えてもらったことがあって、その肝心の間の説明はまったく覚えていないのだけど、それから自分には「そっかあったかくなってくると雪が降るのか」とインプットされ、先月連載を書いていた時が、おっ春かと、まだまだ一月だというのに暖かすぎるなぁと、そんな日和だったからということでした。
 であったので、こないだの大雪でタクシーの運転手さんの言っていたことは本当だなぁと納得したのでした。

 それではキミキミ、自分が思ったことが叶うってのとは違うじゃないかと野次がとびそうなのでもう一つ。
 ここ半年ぐらいか、よくおもいだす歌があった。尾崎豊の「シェリー」 尾崎豊のこの歌をマジマジと聞いたことがなかったのだけど、大学時代、友達がよく歌っており「シェリー俺は今もバカと呼ばれているか」なんて一節が記憶にのこっていた。本人ではなくその友達が歌うからその時はなんだかおもしろく聞こえていたけれど、ここ最近、少々自分の調子が悪い時、気分が落ち込んでる時などによくおもいだし、「そうやな僕もシェリーって人がいたら聞いてみたいわ!」と思いだしていた。たずねて「そうよ、あなたはバカと呼ばれているわよ」と聞き、「ん?じゃあどこをどう直せばいいかね」とか相談してみたいなと、半ばヤケクソ気味にそんなことを度々思っていた。思っていたらば今年に入って、ライブの打ち上げにて共演者のみんなとワイワイやっていたらば、自分の横に女の人が座った。知らない人なので知らんぷりをしていたらば話しかけられ、その女の人は髪をかきあげながらこう言った「アタシ、シェリーって言うの」。それはまるでトレンディーなドラマ、浅野どちらか、どちらでもいい、そんな感じだった。「あぁそうですか、変わった名前ですね」と初対面なのでちょっと距離をとりながらそう答えると「アタシ、あの尾崎くんの歌になったシェリーよ」と言う。
 僕は一瞬ひいた。なんなんだこの人は、初対面でいきなり話しかけてきて、聞いてもいないのにそんなことを言いだしてなんなんだと。少々心かき乱され「え? あぁそうですか、え?」すっかり自分は、よおしそれが本当か確かめてやろうじゃないかという気持ちになり、いくつか質問し、そのシェリーは浅野どちらかばりに余裕で答えてきた「うん、そう尾崎くんとはね…」等など。尾崎豊のことを「くん」と呼び、どうやら本物らしい話をいくつか聞いて、半信半疑ではあるが、本物だろうということで納得した。納得したがそれ以上聞くこともないのでまたワイワイにもどった。そしてその翌日などにやはり思いだし、なんだったんだろうあの人、本物なんだろうけどと思い、そこでやっと自分がこの頃、「シェリーって人がいたら聞いてみたいわ!」とおもっていたことを思い出した。「しまったっ聞けばよかった」と思ったが、聞いたところで初対面なのでわかんないかと、シェリーって人に会っても自分がバカと呼ばれているか聞けないもんだなぁ、自分でがんばろうとスッキリした。

 このことが大分不思議で、自分が会ってみたいと思っていたから出てきてくれたのかもしれないなぁと都合よくそう思った。 会いたいなと思った人に会えると言えば、中学の頃、長渕剛にも思った。そのことを今も覚えてる。きっと長渕剛がお爺さんになった頃には小さなフォーク喫茶などで歌っていて、自分はきっとそこで出会えるだろうなと。 お爺さんになる前に会え、一緒に歌った。 陣内孝則さんにも思っていた。きっと一緒に何かする時がくるだろうなと、勝手に。宮崎は延岡の実家のテレビで観て、そう思った。東京に出てきてデパートで一度、陣内さんをお見かけしたことがあり、テンションがあがった。あがったが、ここでこういう形で出会うべきではないと、話しかけることはしなかった。それから5年後NHKの番組に出させてもらった時、出演する直前に司会が陣内さんであることがわかり、やはり時は今だったかと興奮した。
 もちろんいろんな人達が会わせてくれたのだけど、何度かそんなことに出くわす度に、願いは叶う、そんなことを信じてみたくなったりもする。

 するが、そうそううまくいかないことも多々ある。最近で言えばライブで宇都宮へ行くことがあった。宇都宮と言えば餃子を食べない手はないということで、リハーサル終わりで一人出かけた。ライブハウスを出ると右手には大きな東武デパートがあり、その中にはきっとレストラン階があって餃子屋さんもあるのだろうけど、ここまできてそれでは寂しすぎる、もっと古ぼけた老夫婦が二人でやってるようなお店を探そうと、何も調べず左手に歩いていった。帰り道に迷うといけないのでこの道を真っすぐ、老夫婦の餃子屋があるまで歩いてみようと決めた。何も調べないで探すのは修行だとおもっている。自分の鼻、思う力の修行。そして思い描いた場所に出会えた時、やっぱりねと嬉しさも倍増するし鍛えられた気分にもなる。な訳で旅気分で歩いていったわけだが、どうにも閑散としていくばかりでまったくありそうな匂いがしない。試されてるなと意地になって歩いていくが、老夫婦どころか餃子屋がない、餃子屋どころか店がない。昼間なのに大きな通りは静かで、匂いどころか音も聞こえない、いつか行ったグランドキャニオンの静かすぎて耳の奥で風の音だけがうずまいてたその現象が起こり心細くなり、風の音が聞けたからいいかと、意地になるのをやめひきかえした。ひきかえしライブハウス横の東武デパートに入り、レストラン階へ行き、やはり餃子屋はあったが悔しいのでその横のとんかつ屋へ入った。注文し待っていたらば、向こうのテーブルで夫婦喧嘩がはじまり、周りの人が席移動をするほどであった。喧嘩というより、女性がヒステリックに旦那の食べ方、ドレッシングのかけ方などについて一方的に怒っている。ちょっと壊れかけているような店中に響きわたるそのヒステリックは僕の味覚を完全に失わせた。女性のヒステリックはこの世の地獄だと、僕はラブ&ピースってことについて考えながら口に運んだ。

 ライブが終わり終電乗るべく駅へと急ぎ駅で冷凍の餃子を買い自宅で宇都宮を堪能しようと思うも、とっくにお土産屋さんも閉まっており、くっそーとなってコンビニの餃子せんべいなるものを買いおさまりつけようと新幹線に乗り帰った。帰ったがやはりせんべいではおさまりつかず、自宅最寄りの24時間弁当屋で餃子を買い家で食べたが、冷えた餃子のその味は、この世今まで食べた餃子の中で一番おいしくなく感じられ、餃子って遠いなぁとこの日の自分と餃子の距離を感じ、やはりまだまだ思う力の修行が足らんかと思わされたのでありました。


 そして冒頭で、この連載の遅れた言い訳にした27日のライブ。一夜限りのバンドを組んでのワンマンライブ。
 組ましてもらったギターの藤沼伸一さんとドラム大島治彦さんは20年くらい前にライブを観に行きかっこいいなと思わされ、3,4年前に泉谷しげるさんのライブを観に行った時に泉谷さんのバンドとして出演していて、それがまたものすごく、そのライブを観て血が煮え、戦場ってこんな感じかと思わされる音の嵐で感動というかすげーなと、かっちょええなと、なんだろうと、自分があの真ん中にいたらどうなるんだろうと、この音の凄まじさはと、その立ち振る舞いなども含めて完全にやられたのでした。その何週間か後に藤沼さんとの対バン共演の依頼があり、むむむっとすごいタイミングやなと二つ返事。その後、藤沼くんと中尾くんというユニット企画もやらせてもらい、その後今回のバンド形態、一夜限りのワンマンにいたったわけです。またベースの曽我っちとは15年ほど前にブレイクアウトというテレビ朝日の番組の企画にて全国代表のバンドが一つのバスに乗り全国ツアーを周るというのがあり、それぞれ違う代表としてバスに乗っていて、その後何度か会ったことはあったけれど、また藤沼さんのバンドのベースとして再会し、今回初めて同じバンドとして音を鳴らしあったわけです。 その重厚な音に自分は喰らいつくのがやっとでしたが、嬉しくなり心はねました。この体に叩きこまれた音はずっと残るやろうなと、前進できる力になりそうです。刺激的でいい経験をさせてもらった。

 ブログにも書いたけど、人に会えるのも、餃子が遠いのも、いろんなことを体感できるのも全ては、ギターを弾いて歌うことをはじめた、あの高校の中庭から始まったこと、はじめて弾いたGのコードの気持ちがここまで連れてきてくれた、もちろんいいことばかりじゃないけど、それでもおもろい旅やなぁと思えるのが嬉しい。

 願えば叶うとも、思えば叶うとも言い切れないけど、願ったり思ったりするとその分だけ体がそちらを向くってことはあるかもしれないなぁとおもったりもして。 会いたい人に会えることを書いたけど、そう思うと、今まで会った人、今から会う人、体感してきたこと、すること、全て、みんな自分が会いたいとおもったり望んだことだったりしたのかもしれないなと思えてくる。ここから先もどんと来い!な気分になって、やったるで!と楽しみになったりする今です。どんな状況にいてもやったるで!な気持ちでいたいもんです。な訳で今月はこれにて。

 重ねまして更新が遅れたことをお詫び申しあげます。 来月からはまた月末に会いましょ。

かなり降った   

三角コ-ンスマイリ-

つららもできてた

雪降った後日開催できるか危ぶまれたけどニックバッカ-ズの日ニクニクしく開催大成功!

そして今年二度目の雪
二度目になると、え-また-となって勝手なもんです。

そんな雪ん中、なくしたiPodを探しに思い当たる店にいき なく、
次の思い当たるところへ いき なく 、
三軒ほどコンビニや薬局など雪ん中ペンギン歩行でまわり
あぁなかったと諦め帰ったら机の下に落ちていたiPodさん

役者をしている友達が「オレボンゴレビアンコきわめたんすよ-」と自慢気にいってくるので
作り方を聞いていたらさすが役者かなり美味しそうに思え、家に帰りつくるも
あさりの砂抜きに塩 パスタ茹でに塩 具材に塩 全体的に塩と かなりの料の塩分を投入してしまったらしく
とても食えないくらい辛く 仕方ないのでお湯をかけながら食べたマイボンゴレ

人って塩とりすぎると夜中喉カラカラで目が覚めるね ミイラの気持ちが少しだけわかりました。

その宇都宮の…

そんな 27
ONE NIGHT STAND
いつもこういうときみんなで写真をとらないよね
とっとけばよがった。

撮ったのはバスツア-仲間の曽我っちと山ちゃんと。またツア-したみんなで集まってみたいもんやねとパシャリ。

友達に誘ってもらい武道館へ、やっぱりかっちょいいねせっちゃん。

♦独占企画 諭介がお答え致します



■「元旦羽田のゆうすけ率、すごかったですね!そんな面白いことを知っていたゆうすけが諭介さんだけだったのもなんかいいし、お正月も、テニスに負け、将棋に負け、面白いことだらけでしたね()2月になって東京にも本当に雪がたくさん降ってきて驚きました。大人になると、わぁ!と喜ぶより先に、交通への影響や予定の変更などを気にしてしまうのもそうですが、各地の被害を見て雪が怖いイメージになっていくのも、少し淋しく思ったりしてます。でも、慣れない雪道はペンギンペンギン♪と歩くようにしたおかげで一度も転びませんでした。というわけで、今月の中尾天気予報士さんには“春はもうすぐそこですよ”って言ってほしいところです。早くあったかくならないかな~」(A.T  2014218 15:13
→もうすぐ春ですよ


■「二月に入ってから冬が本気を出してきたみたいで中尾気象予報士が言ってたみたいに雪がいっぱい降ってビックリですね。

諭介さんが昨年末からの一ヶ月をノンストップで書いてくれたから私もノンストップで読もうと思ったけど、蛇口出しっぱなしはやっぱり勿体無いから時々蛇口を閉めながらちょっとずつ読ませてもらいました。
たった一ヶ月の出来事なのにこんなに色んなことがあって、私は振り返っても毎日同じ風景しか浮かんでこないのでちょっと羨ましくなりました。あと残りの10ヶ月は面白おかしい毎日にしてやる!! 」(夕陽 2014222 11:02
→毎日おもしろいいぇっえってえなりかずきをおもいだしたわ、時々おもろいこと、ぶちあたれたらいいね、おもったらそうなるかもね、いぇっえ。


4 件のコメント:

  1. 見たいと思ってたLIVEを見れたから満足。歌ってるわーと嬉しくなった。願いは叶う!笑

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  2. 私も会いたいなと思った人に会えるんですよね。それってすごくラッキーだって思っていたけど、諭介さんもそうなんですね。意外とみんなラッキーなんですね(笑)でも、最近見たドラマの中で“自分が会わなきゃいけない人には会えるんだよ”って台詞もあって、もしかしたらそうなのかもしれないですね。今までしてきたこともこれからすることも全て、自分が望んだことなのかもって書いてあったけど、そんなふうに思える諭介さんならきっと理想の老夫婦がやっている餃子店に出会えると信じています。って、餃子だけじゃないですよね(笑)これからも自分の願ったり思ったりする方へ体を向けて歌っていてください。ちなみに諭介さんに出会えた私はすごくラッキーです☆

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  3. 中尾さん、こんにちは。尾崎豊さんはリアルタイムで見てたけど当時の自分には重すぎて、どんな歌だったかなと「シェリー」を今回じっくり聞いてみました。苦しいくらいエネルギーに溢れてて、死にそうなくらいに純粋で驚きました。中尾さんのエッセイを通してすこぶる心に響く歌と出会えました、ありがとう。「愛される資格はあるか。決して間違っていないか」など、印象深いです。その女性はうまく笑っていましたかな?
    色合いが綺麗でとても美味しそうなのに、ボンゴレ、、。

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  4. 強く願えば叶う・・・私もそう信じてます。実際にいつも心に描いていたら無理っぽい願いが叶ったこともあります。あと、普段の生活ではほぼ気にかけていなかった友人、知人を突然思い出して、「あの人どうしてるかな?元気かな?」と思ったら偶然再会するなんてこともよくあります。
    「強く願い信じていれば願いは必ず叶う。奇跡は起きる」 って私の好きな詩人も書いてました。

    強く願っていたら食べ損ねた宇都宮の餃子がある日突然、諭介さんの前に現れるかも!(笑)

    では、27日の更新楽しみにしてますね。

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