2023年12月30日土曜日

Vol.286「苔知らずの岩、星として残る」の巻

  ほら、今年もだ、クリスマスが終わったらジェットコースターラストスパート。あっという間に年が終わってく。東京の12月ってそこまで寒く感じなくなったね、なこの頃いかがお過ごしか?

 今年もこの場で気にかけていただきありがとうございました。毎月一度、この場で長々と文を書いて、普段思ってることや書きながら探っていったりすることや、自分も自分を発見したり、整理したり、それを2000年から毎月書いてるんですからすごいですね、自分にとってはなくてはならない独り言、読んでくれる人との約束事、的なこの連載、自分にも続けて来たことがあると言うのが糧になります。これも読んでくれる人がいるからです、重ねて、この場を気にかけてくれて、つきあってくれてありがとう。

 2023年、今年も色んな場所で歌うことができました。東京、埼玉、神奈川、千葉、神戸、沖縄、札幌、名古屋、宮崎、数々の舞台で、色んな形態で、ワンマンやイベントや、どれも楽しめたし、挑戦もし、ナーバスにもなり、乗り越えたこともあったし、新たな出会いも嬉しかった。曲が出会わせてくれる歌旅、これを読んでくれてる人もどこかで体感してくれたでしょうか、ともに歌で2023年を刻んでくれてたら嬉しいです。

 突然ですがここで、今年一番、自分の曲以外で頭の中で流れたBGM1位の発表です!

1「今日までそして明日から」吉田拓郎

この歌が頭に流れ口ずさむことが多かった。当たり前のことを言っているのに当たり前すぎて、より今生きてることが実感できるし、清濁合わせもつ自分への肯定感、希望を感じることができる歌に生きてくチカラをもらい、いい歌だなぁと口ずさむ。
「私は今日まで生きてみました 私は今日まで生きてみました そして今私は思っています 明日からもこうして生きていくだろうと」

 自分の人生をふと振り返れば「はぐれ感」というものが自分を動かしてたような気がする。
 マジョリティよりはマイノリティ。例えば音楽のジャンルからしても自分は若い頃よりフォークソングに傾倒してた。にもかかわらず気がつけばロックの世界にいたりして、そして僕はとてもめんどくさいことに周りで持て囃されてる「ロック」という言葉に対しても疑問を持ち、「なんなんだよ」と。フォークにもパンクにもついてくるし、みんな同じような格好をしている。はぐれてたはずの人たちがロック村を作ってるようにも見えて、ロックっぽい人にはあえて「ロックってなんなんですか?」とか聞いてた。20代後半で厨二病はめんどくさいですよね。でも事務所が新宿LOFTの事務所だったり、レコード会社がコロムビアのトライアドだったりと、関わる場所が日本のロックを支えてるような場所になっていき、それっぽい人と話す機会が増えていくと僕は聞かずにはいられなかった。質問が質問だけにそんなことをはっきり言える人もいなかったのか、ほとんどの人の会話を忘れてる。
 そんな時期にレコード会社の社長のお別れパーティーがあり、パーティー会場から二次会に移動するときにタクシーに乗せてくれたのが同じレコード会社所属の先輩だったミッシェルガンエレファントのチバユウスケさんだった。タクシー代を奢ってくれて二次会の場で隣の席に座った。ドラムのキューさんとチバさんが「タバコかってきましょうか?」「おう、〇〇何個頼む」「〇〇っすね」「ちがう〇〇だよ!」みたいな即興先輩後輩コントを延々してて、「面白い人たちなんだ」とホッとした。その後チバさんの隣で何も喋れなかったけど、厨二病が発症し、たまらず聞いた「ミッシェルってロックなんですか?」するとチバさんは間髪いれずに大きな声で「ばーか! 俺たちはロックじゃねぇんだよ、ロックンロールなんだよ、ロールがついてっから苔がつかねんだよ!」僕は「苔?」となった。ロックど真ん中印象のチバさんが「苔」という単語を発したのが新鮮で、しかも「ロールしてっから苔がつかない」というのが絵も浮かぶし「かっちょいい」と心にストレートにはまった。
 それまでの長い「ロック」に対してのつっかかり心が綺麗に蹴っ飛ばされて、僕のめんどくさい「ロックって何?」病に終止符を打ってくれた。理屈じゃない、かっこいいもんはかっこいい、かっこいい人はどの角度からでもかっこいいんだと思った。ロックシーンにおけるチバさんの影響力はでかいので、影響を受けないようにしながら影響を受けたし、憧れもした。目標でもあったし、自分は自分だという対象でもあった。意識をしていたんだと思うし、遠い場所にいて、僕も同じ屋根の下にいたことを誇りに思う。チバさんは苔知らずのままいなくなり、苔知らずのまま残った。あの時の遠回りでたどり着いたチバさんの言葉、僕も僕として苔つかずの歳を重ねるべく、来年も色んなことに挑戦し、精一杯転がったろうと思います。
 最近よく思う「はぐれ感」ってのも大事だよなってことを書こうと思いながら違うところに着地していましたが、今月はこの辺で。ギラギラで苔つかずの、銀色の岩が転がるイメージでいけたらと、お互いにいい年にしてやりましよう! 2024年、またこの場所もよろしくお願いします、良いお年を!

 

大ちゃんと行った名古屋も素敵な場所でした。
大ちゃんとの世界観も独特で面白かったです。

時々無性にステーキが食べたくなる時がありますよね。

代々木公園にクリスマス時になると「青の洞窟」と題して木に電飾を巻きつけた催しものあり、こういうものをみて「わぁキレイ〜」とか「素敵」とかなかなか思えないのはなんでだろうかなぁと首を傾げながらパシャリ。

漫画家になったスージーとのユニット youtwo.. デビューライブ
漫画家になってからの頑張り話なんかを聞いて、僕もまだまだ頑張ろうって思う事が今まで何度もありました。スージーもまた僕に刺激をくれる歌うたいです。

沖縄で出会った佐渡山豊さんのLIVEを観に行く。
演奏者みんなが凄かったです。芸術だなこりゃ、となりました。

ウキにウキウキする
ウキオールスターズ
かわいいですね。

大体使うのはこの3つのどれか。
かわいいですね。

今年は全然釣りに行けなかったので来年はもうちょい行けたらと思いながらウキウキ。

さぁそして、大晦日は私カウントダウン
そしてその後は新年一発目のみんなでセッションを!

好評につき増刷いたしましたっ。

 

諭介がお答え致します

■「新しいことに挑戦する時のはじめの一歩は緊張するし勇気がいりますね。
私はその勇気が出なくて、出来ないやらない理由を探して見つけて後回しにしてきたことばかりかもしれません。 
なので諭介さんの色んな挑戦は刺激になるし格好いいなあって憧れます。
早いもので今年もあと1ヶ月。来年はもっと積極的に色んな事に挑戦できる人になりたいです」
(夕陽 2023/11/30 23:32)
→僕の挑戦も一緒に楽しんでくださいね、来年もよろしくですっ。

■「諭介さんの「紅葉紅葉 前田耕陽」を見ると何故か安心するし、「紅葉を見にいこううよう。」と返したくなります。下らないですね、お互い(笑)。
記念本、拝見しました。読みごたえかあって多忙な日々を送っているのでまだ全部は読めてないのだけど、見たことがある諭介さんの表情や見たことのない表情・・・色んな諭介さんが詰まっていてお腹いっぱいになりそうですね。大切にします。
もう年末ですね。来年も「くじら」の諭介さんを私も「くじら」になって、ザッパーンと会いに行きたいと思っています。良いお年を」
(夕陽 2023/12/25 23:27)
→おぉ今からくじら号というハコに向かうところよ、くだらなくない、くだらなくないはずや、くだらないに負けないでその向こう側を突き抜けていこうよう。
記念本、読んでくれてありがとう!


■「あっという間に12月ですね!とはいえ、今年は去年よりライブ会場にも行けるようになって、いろんな景色が思い浮かびます。そして、なんと言っても諭介さんが50歳という記念すべき1年でした!私が初めて見たのが諭介さんが25くらいのときだったと思い返しびっくりしてます。推してきた身としては(笑)、いくつになってもかっこいいまま歌い続けてる諭介さんのことは、自分のことのように誇らしく思いますね!と同時に自分も頑張ろうと元気づけられています。アーティストは孤独な時間があると思うけど、そこから生まれた音楽で共感できる時間も広がる世界もあるとライブを見たり配信を見たりで思いました。深く潜ってユラユラとする時間も楽しみつつ口を大きく開けて吠えるライブを頑張ってください。これからも楽しみにしています!よいお年を」
(A.T 2023/12/27 12:09)
→25才の頃かぁ、すごいね。25年。まさにはぐれ感あっての今よね。かっこよくありたいね、だいぶ目が見えなくなってきたりしよるけど苔知らずのギラギラで生きたいと思いますっこれからもよろしくですっ。

■「「独り」になって独りではないと感じられるライブってとてもいいですね。
残念なことになかなかライブに足を運べない私ですが、それでも今年も諭介さんの歌が聴けたことは年末になり振り返ると1年の中で嬉しい出来事ことでした。身近にもたくさんの素敵なライブ開催はあってもやっぱり諭介さんの歌が聴きたくなります☆また来年もライブに足を運べますように…と願いながら実現できるようがんばります。良いお年をお迎えください」
(hitomi 2023/12/27 22:52)
→ありがとう。来年もずーっと歌ってるからね、来れるときにぜひ、また体感してくださいね。ずっと気にかけてくれてありがとう、来年もよろしくですっ。

 

2023年12月1日金曜日

Vol.285「弾き語りワンマンー晩秋2023ー」の巻

 11月、東京は寒暖の差激しく、着る服や体が対応するのに大変ですね。今年の秋は着陸時に上下に大幅に揺れる飛行機にみんなで乗ってるようで、もう少し緩やかに、長いスロープで冬に着陸してもらいたいものです。

  紅葉紅葉、前田耕陽、紅葉色付いてきた今日この頃、いかがお過ごしか。 

  「11月24日金曜日 弾き語りワンマン晩秋2023~乾いた空に、風鈴ノ音 at 吉祥寺 ROCK JOINT GB」 無事、山を超えることができました。自分にとっては2023年の集大成的な意味合いもあり、今年行なってきたライブの景色を想い、頭の中にある今年のイメージを一つ一つ捕まえて形にすることができたんじゃないかと思います。MCではなかなか言いたいことを上手く言えなかったですが、この日までのライブでいろいろなことを共有してくれたみんなや、出会ってくれたみんな、この日会場に足を運んでくれたみんなへの感謝と祈りを込めて音響、照明、GBスタッフの協力のもと、音歌を響かせられました。遠くから、近くから、足を運んでくれたみんなに、来れなかったけど気にかけてくれたみんなに感謝です。本当にどうもありがとうございました。

  このライブが決まったその日から「超えるべき山はあっちの方にあるな」と、方角が決まり、そこへ向かう途中にも山越え谷超え、声が出づらくなったりとナーバスの海に潜ったりもしたものだから、あの山超えたらサンタ帽でもかぶって羽のばしたろかとも頭をよぎりましたが、分け入っても分け入っても青い山、2023年ラストスパート。12月も、超え甲斐のある山が続き、50超えての成長期はまだまだ続きそうです。

  今回のワンマンライブに向けて、50歳記念本「道標50」も発売になりました。これは写真家のMasumiさんのご提案、構成、デザイン、撮影、編集により完成したものですが、次に何をいつまでにやればいいかというのをわかりやすく提示してくれて、自分は一つ一つ提出し、確認を繰り返して徐々に出来上がっていく過程も面白かったです。手にとり連れて帰り、見て読んでくれたみなさんに、50の節目にこういう形で道程のいくつかを残して頂いたMasumiさんに感謝します。こんな歌うたいもいるのかと知ってもらえたら。また、「50の時はこんな感じだったよね」と、これから先の変化の基準としても持っておいてもらえたら嬉しいです。はたまた、今からバンドでやっていくんだ、音楽で飯を食うんだというような若者がいれば、反面教師的な参考書としてプレゼントするのもありかもしれません、とか言って。

  本の中で自分で言っておきながら「言い切れてないな」と感じるのは、この本のインタビューの中で「藤沼さんは中尾さんにとってどういう存在か」という質問に対して「どこにも属さず群れていない感じが好き」ということを答えてますが、藤沼さんはいくつかのバンドに属してはいるんですが、そう思わせてくれるのはそこに留まらず、より自分として考えて探求して、時代や周りに流される事なく、みんなのことを考えつつも個人が感じたままに生きていて、敗北感も知っているから、はぐれた者への目線が優しくて、、、上手く言えませんが、そういう存在に心救われ、自分もそういう存在でいたいなぁと思います。

  元々音楽を作り発する者は、孤独であり、世の中とはぐれてる部分があり、自分の中にあるやり場のない想い、言いようのない感情を音楽に解放してもらい、自分も発するようになり解放し、自由を感じることで音楽の旅が始まったと思うんですが、これはこれで長く続けていると、はぐれた部分をもっている者同士が集まって村社会ができたりするところもあり、やれてる気分になり、同じような色になってゴツゴツ感がなくなっていく、、、などということも感じたりします。

  まだまだ上手く言えてませんが、例えば演劇「荒れ野」に誘われた時に、座長の平田満さんは「今の演劇界は全体的に仲間内で回ってる感がある」と、「“演じる方も役者で、それを観にいくのも役者”で成り立ってる部分があり、これだと演劇文化が吹き溜まってしまう」と。「それを広げるためにも、他の畑から誰かを呼ぼうとなった」というようなことをおっしゃっていて、はっは~ん、バンドマン同士が集まって、演るのも観るのもバンドマンというのはよくある、お互いがお互いの物販を買い回してるような、なるほどこれは音楽社会にも言えることだなぁと、、、何が言いたいのかしらアタシ。

  釣りをしていると、群れてる魚は一時にたくさん釣れますが、同じ形の魚が釣れる。黒鯛だって小さいのは群れて泳いでる。なんでしょうね、言いたいことを手繰り寄せるために例え話を出せば出すほど遠ざかっていく感じがありますが、「独り」と言うのは大事だなということでしょうか。弾き語りワンマンにそれを感じて、ライブではその部分と来てくれた人のその部分で繋がれたような、いい雰囲気がありました。わかりやすくみんなで拳をあげて盛り上がるってのとは違いますが、それぞれがそれぞれに楽しんでくれてるような。独りになって「独りでなはない」ということを感じられるものなのかもですね。

  弾き語りワンマンー晩秋2023ー……ここに向かってきたのだから、やってきたことの結果だと、ジタバタしてもはじまらんと、やることをやるしかないと潜り挑んだこの日。今回もいい経験をさせてもらいました。重ねて、気にかけてくれたみんな、応援してくれたみんなに、足を運んで体感してくれたみんなに感謝です。本当にありがとうございました。 

 これからも歌旅、誰かと鳴らしあったり、独りで鳴らしたり、どちらにしても「くじら」でいたいと思います。深く潜ってユラユラと、時々は急上昇でザッパーン! 口を大きくあけて吠え、突き抜けて歌旅、続けていきますので、ぜひまた会いに来てもらえたらと!……と思いながら今月はこの辺で、寒暖差の波に気をつけて、ハバナイス2023年末、冬、よい12月を!

 

出来上がる前の道標50をチェックする草場先生。

外丸さんもまたはぐれ鳥。そんな部分で繋がってる気がします。

「コウノドリ」や、今は週刊文春で 「竜馬がいく」を連載してる漫画家スージーとユニットを組みまして12/23 プレゼントもありますのでぜひもらってくださいー

生中継、スリルがあって楽しかったです。

ハモニカは値段が高いので 中身だけ取り寄せて自分で組み立てるも、自分のメンテ能力が信用できず、新しいのを購入。

巾着袋

道具入れとして巾着袋を買ったのですが
調べたら色んなのがあって楽しい
これも見つけてかわいいなぁと思いポチ

我独り特訓。

月に呼び止められて。

ギターのここを一本一本磨くと
音がよく伸びます

照明の浪川くん。

音響の山ちゃん。
一緒に作り上げたGBスタッフにも感謝。

習字も楽しかったです。

ありがとうございました!

諭介がお答え致します

■「待ちに待ってた3年ぶりのジュテーム、弾き語りワンマンライブ、めっちゃ楽しかったです✨✨
「道標50」と今回の記事を読んで、今までの1つ1つの積み重なりが今の時間に繋がっているだなって感じました。
どんな景色が見えていくのか、これから見る景色も楽しみにしています😊」
(柿の種 2023/11/28 8:41)
→ありがとう!これからも重ねていきますんで、一緒に景色を刻んでもらえたらと!

■「何かをはじめるときの一歩。はじめの一歩が何よりも難しいし大変だと聞くし実感します。私は、はじめの一歩を踏み出せず見送ってきてしまった大事なことがいくつかあったなと思うので。諭介さんは一つ一つ若い時からはじめの一歩を踏み出してきたのはほんとにすごいなぁと思うし、それがずっと繋がり今の現実があるのですね。今も歌ってくれていることに本当に感謝です。「道標50」の本にもたくさん記されていて、年表とか見ていて私もこの時期はライブに行けてたな行けてなかったなぁとか、Masumiさんのロングインタビューも興味深い内容ばかりで☆購入できてよかったです。これからの諭介さんも楽しみにしています」
(hitomi 2023/11/28 17:47)
→ありがとう!読んでくれたのね、いやいや踏み出せなかった事、僕もたくさんあるわ。でももう後悔はなるべくしたくないから思いついたらなるべく踏み出したいね。

■「何かを始めるはじめの一歩は、何かが始まるはじめの一歩。諭介さんの一歩がいろんなところに繋がって今があるんだなぁと思いました。弾き語りワンマンも大成功でしたね!「勇気で輝く道の上で」という今回のコラムのタイトルを思わせるようなライブで、孤独な挑戦の先のステージで諭介さんもキラキラしていました。汗が光っていました!記念本からもいろんな挑戦を感じられて「中尾諭介 道標50」よかったです。そして、私の周りにも新しいことを始めたり、何かに挑戦している人がたくさんいるなぁと改めて思いました。すごいな、かっこいいなと思いながら、自分が何もしていない気がしてちょっと焦るけど、いくつになっても挑戦すること、勇気を出せることがあるのは素敵なことだなと考えたりしています」
(A.T 2023/11/29 16:33)
→ワンマン大成功ありがとう。年重ねると経験が増えて、色んな事を知るから踏み出せなくなる事も増えるんですだろうね。老いていくと視力が落ちてくるけど、そのたびに、見えるうちに釣りの糸の結び方を一つでも多く覚えて、見なくても結べるようになっとこうとか、老後のために動けるうちに動いとこう、60、70になった時にやる事全部やってきたと後悔なしで思えるようになれたらいいね。
 

2023年11月1日水曜日

Vol.284「勇気で輝く道の上で」の巻

  なかなかまだまだ暑い日が続いてます東京。しかし空気は乾いていてやはり秋、朝夕は涼しいです。乾いた空気でギターも乾燥してよく鳴ります。同様に心も敏感になって、なるほど、だからこの時期に文化の日があるのかと思ったりもして。太陽の光は白っぽくなり、アスファルトに自分の影がくっきりと浮き彫りになる。自分の影はただの点のように一つポツンと、自分が生きてることを知らしてくる。そうよね、ギターがよく鳴るように、人も感動し心を震わせて、自分を実感する季節なのかもしれないですね。文化の日、芸術の秋、いかがおすごしか。

 10月6日は3年ぶりのインザスープワンマン、ジュテーム at 下北沢シェルターで、こちらも「インザスープ」を来てくれたみんなやメンバーと実感して共有できた。来てくれた人たちの熱やいい顔が今も残っていてありがたい。メンバー一同で「やれてよかったね」となりました。来てくれた人、来れなかった人、応援してくれた人に感謝です、おかげで在ることができました。みんな本当にありがとう。

 インザスープは1996年に結成して2000年に27歳でメジャーデビュー。歳をいくごとに、出会いや縁、道程というのは面白いなぁと思う。高校を卒業し神奈川大学に行かなければメンバーと会っていなかった→大学に行けるような成績ではなかった自分は申し込み期限ギリギリで一芸一能入試の存在を知り合格した→高校時代、本田誠人と漫才をやり九州で優勝したから受験資格を得た→中学から高校入試の合格発表では目指した学校の掲示板に名前がなく、落ちたとおもったら、家から遠い学校に回されていた→入学したクラスに中学の時同じ野球部だった誠人がいて遊ぶようになり、漫才がはじまった。そこから僕は人の前で何かをする人生が始まった。

 今までたくさんの舞台に上がってきて、自分で踏み込んだ印象深い「はじめの一歩」的舞台は、初めて誠人と教室で漫才をした時。大学の教室で開催した「FOLK LIVE」。平塚の路上で歌い始めた時。四谷コタンというフォークライブハウスのオーディションを受けた時などなどが印象深い。どうなるか全くわからない世界、へのはじめの一歩。

 たったの一歩が未知への扉を開いてくれて今に続くんだなぁと。例えば、大学の学園祭で主催した「FOLK LIVE」は、授業を受けていて「この階段教室でライブしてみたい、授業だけに使うのはもったいない」と思いつき、やろうと思ってから何度も躊躇した。「やっぱ今年は一年生だし、まだやめとこうかなぁ」とか、「段取りとかめんどくさそうだなぁ」とか。学生課に許可をもらいにいく前に躊躇したが、「えぇいやってしまおう! やるなら今しかねぇ」と決断して飛び込んだ。勇気がいったが飛び込んでしまえばやるしかなく、次々にアイディアが浮かび楽しくなった。許可をもらえたので贅沢な遊び場をもらったような感覚になり、学校中のギターを持ってる先輩、同級生に声をかけて出演してもらった。階段教室の黒板前をステージにして、畑からワラをとってきて敷き詰めて、友達のバイクを持ち込んでヘッドライトで照明にしたり、お香をたいたり、布を壁にはったり、思いついたことをやりたいように実際に実行した。お客さんはそんなに入らなかったし、学生課に注意もされたけど、面白がってくれる仲間に出会えた。そんな中にインザスープのメンバーもいて仲良くなり、一緒に面白がれた。ハチとは当時あまり話さなかったけど(今回のジュテームに向けてのSNS上でのハチ、あんまりしゃべらないけど文章だと饒舌キャラが面白かった)出演してくれたり、吉田くんとKには次の年から主催を引き継いでもらったり、路上で一緒に即興で歌って稼いだり。僕が一年の時にヒッチハイクで歌って旅したことなんかを話すと面白がって聞いてくれて、実際に自分たちもヒッチハイクをしてた。音楽の前に未知へ飛び込む一歩、そのドキドキをバンドメンバーと共有してたのがインザスープにとっては大きいことだったと思う。今回のジュテームに向かってる時も、本番でもつくづく、それぞれがそれぞれで面白いなぁと思った。吉田くんなんて前日のリハーサル終わりで「冒頭で一曲目に繋がるような小芝居を入れるのはどうだろう」と、良いこと閃いた的なオーラで言ってくる。「はあ?」となりながらもメンバーの訳のわからない提案はなんだか乗ってみたくなる。「誰がやんのそれ?」「あんたが」「そういうメンバーの案で僕が何回失敗してきたと思ってんだ」みたいなことを言いながら、上手くいくかより乗ってみたいだけでジュテームで実際にやってみたりして、失敗だったのか成功だったのかはわからないけど、「まったくとんでもないこと言うからなぁ吉田くんは」と人のせいにしながらも、そんなことが今もできてるのが相変わらずでやっぱり嬉しい。

 話が少々ずれましたが、挑戦をする時、孤独感みたいなものと少しの勇気で道が輝き、その上で同じように心震わし、面白がれる人と繋がれて、ここまで続いてきたように思う。勇気を持って何かに踏み出すと自分が浮き彫りになり、周りからも認識されやすくなるんだろうか。正解はなく、自分で掴むしかない道。そこを行く時、不安もあるけど自分で歩いてる実感、生きてる実感が湧いて、踏み込む足どりは力強い。あぁカッコ良い、カッコ良すぎるけれど、いつも自信はなく、だからその穴を埋めたくて思いつくことを実践し、自分なりに足をばたつかせてそこへ向かう。性分としてめんどくさがり屋の飽き性が根底にあるけど、茨の道はそれを上回る刺激をもらえて、「音楽」に出会えて本当によかったと思う。

 最近の自分にとって、11月24日の弾き語りのワンマンライブ at 吉祥寺ROCK JOINT GBの存在はとても大きい。コロナ期であった一年前の4月から始まり、春は「始業」として秋は「晩秋」として、次で四回目となるが毎回が初めての気持ちだ。決まった時から全てのライブがそこに繋がっていて、それまでの自分や繋がりを知れたり、逆にそこがあるからそれまでのライブにも張りがでる、音楽人生において本当に良い機会をいただいてます。加えて今回は、「50歳の記念に本を作りませんか」と写真家のMasumiさんより提案して頂き、写真を新たに撮ってもらったり、記事を書いたり、インタビューをまとめてもらったり、10人の方からコメントをもらったり、自分では思いつかなかったアイディアを形にしてもらっていて、子供の頃に背が伸びるたびにつけた柱のキズのように、50ページから成る記念本と言う形で自分の50歳を刻んで頂き、自分的にも改めて道程を感じ、手のなる方へ、この先へ行くための記念本となりそうです。11月24日(金)ぜひ吉祥寺はROCK JOINT GBへ足を運んで頂き、一度しかない2023年の歌旅を体感してもらえたらと!そして記念本「中尾諭介 道標50」も手にして頂けたらと思いながら今月はこの辺で。よい食欲?芸術?スポーツ?読書?LIVE?の秋を。ハバナイスオータム!

10月23日茅ヶ崎でのライブに向けて
主催のM.M.KINGより「5回目なのでTシャツ作りませんか」
とのことでイベント5回目でTシャツって大げさだなぁと思ったけど
3人それぞれに絵を描いてできた描が思いの外、いいやん!となりまして
こういう事もやってみるものだなぁと思ったりして。

早朝野球にて。ヒット打ちました。
気持ちよかったっ

劇団ペテカンの濱も来てくれて、色んな気持ちになりまして、打ち上げでも話できてお互いのこれからが楽しみです。

14曲目バイブレーション前のインストもリハーサルで、
みんなで意見出しあって作ったのも楽しかった。

せーのっ、がむしゃら!
ありがとうございます。

3年かくれんぼ

吉田君作チラシ。楽しかったんでしょうね作演出家としても、ジュテーム終わり数日してから送られてきたチラシ、終わってからですから、本当にただの思い出のために作ってくれたんですね。
ジュテームありがとうございました。

秋はラーメンが美味い。こんな美味いもん提供してくれるお店に感謝の気持ちが溢れ、店を出て振り返り、爪楊枝くわえて店を眺めながら美味かったぁ「かぁっ」と首傾げて軽くおじぎしちゃいますもんね。

レコード会社先輩の哲さんとのLIVEも楽しかったっ

金木犀の匂いに呼ばれて

銀座のノハラ

整理されて綺麗になっていくばかりだと人間てゆくゆく気が変になってしまうんでないでしょうかね。無造作な、そのまんま野原的な考え方がもっと広まったらいいのに、いいぞいいぞとパシャリ

高校の先輩で沖縄在住の那須さんまのライブへ
生き様みせて頂きました。

那須さん、映画も作ったんですね、このタイトルの曲もよかったです。
今年は沖縄に一気に親近感です。

僕はどれだけのラーメンを食べてきたのだろう
上手に付き合えてると思う
店によりますが、ラーメンは体にいいと思います。

月と。

秋の乾いた風に鳴る風鈴の音に永遠を感じた事がありました。
11月24日吉祥寺にて、そんな音を鳴らせたらと。
ぜひ足を運んで頂けたらと!よろしくお願いします。

 

 諭介がお答え致します

■「3年ぶりのジュテーム楽しかったです!吉田くん演出の諭介さんの小芝居から始まったり、ハチさんがX(旧Twitter)で解説してくれたことを思い出しながら聴いたり、私がいたところからは一番よく見えたKさんはニヤニヤしてて、諭介さんはタンクトップでラブソング!wwwそういう景色や想いが印象に残る、今年は今年のジュテームでした。3年ぶりに開催されたこと自体もそうですが、50歳になってもそれぞれの個性が生きていて、1曲の中でそれぞれが1つになるライブは変わらずかっこよくて嬉しかったです。それが宇宙というのもわかるような。生きてる限りという言葉も心に残りました。一年が早い。来月は諭介さんの弾き語りワンマンですね。楽しみです」
(A.T 2023/10/27 12:51)
→ジュテームっありがとう、おもしろかったね、本当にのびのび保育園かってなそれぞれ感よね、お客さんさんも自由だし、面白かった、共に楽しんでくれてありがとう。
 弾き語りワンマンもよろしくお願いしますっ。


■「ジュテーム行きました。ゆらゆらと音の波に乗ってとても心地よく楽しい時間でした。奇跡的にIn the Soupの音楽に出逢えた事が本当に嬉しいし幸せだなあって思うし、この出逢いを一生大切にしていきたいなって思います。
これからもどうぞよろしくです。
来年のジュテームもどうか無事に開催されますように」
(夕陽 2023/10/27 23:44)
→そう、奇跡なのよね、こうして共有できることが。ジュテームっ、ありがとうね。
  そこにしかない音の波、体感して楽しんでくれてありがとう。これからもよろしくお願いします。
















2023年9月30日土曜日

Vol.283「ぐんぐんと満ちる月の力をもらって」の巻

  9月、朝夕は秋らしくなってきたけど、まだまだ日中はあちーでやんすね、9月の終わりにこんなに湿気ってあったっけ?ってな月末ですがいかがお過ごしか? 今日は月がキレイにみえた。歩いてたら建物の向こうから出てきてすぐ近くにあるようなお月さん。いい月だなぁ、キレイだなぁ、と白くて優しい大きな力をもらってありがたい。調べれば明日が満月なようだけど、今日みたいな月の満月に向かうぐんぐんとした感じが僕は好きだ。

 10月6日・下北沢シェルターにてインザスープワンマン「ジュテーム2023~3年かくれんぼ~」が近づいてる。そこにぐんぐんと向かっていっている日々もまた楽しい。SNSではギターのハチがサブスク記念として全曲解説に取り組んでる。ギターリストの視点から解説をしていて面白い。あの時ハチが考えていたこと、感じていたことを知れるのも面白かったり、当時気づけなくて切なかったり。自分は今日スタジオにいき曲順を並べてほぼ全曲を歌い個人特訓をしてきた。曲ごとに色んな気持ちになった。ここでも何度か「曲は箱のようだ」と書いたけど、一曲一曲に色んな想いや景色、匂いが詰まってる。秋の匂いがそうさせるのか少しセンチメンタルな気持ちになったりもして。

 ドラムの吉田くんからバンドのボーカルに誘われて一ヶ月ほど「やるわ」と言えず、吉田くんは平塚から下北沢の僕の家に説明しに通ってくれた。「グランジとあんたのフォークが融合したものがやりたい」などなど吉田くんの頭にあるビジョンを聞いていてぐんぐんとワクワクしてきた。しかし、大学を卒業してからのことだったので、本当に覚悟をもってみんなでできるのか慎重になったし、団体行動が苦手な上にバンドという形態にどこか苦手意識があった僕は吉田くんを試すように答えを出さずにいた。最後「今日ダメだったら諦めるわ」と言って帰ろうとしたので「やるわ」と言った。吉田くんはいつもハイネケンを一本買ってきてくれた。

 初めてのリハで声を出しても爆音でかき消されて、路上で無敵だった僕は落ち込み、心をへし折られたまま家に帰り体育座りでシャワーを浴びた。翌日吉田くんに「やっぱりできない、やめるわ」と1日でやめようとしたら「フェーダーをあげればいいんだよ」とPA機材のツマミをあげてみせて解決。そんなことも分からない地点からのスタートで年齢はすでに23歳だった。分からないなりにも自分の信じることを精一杯やった。ハッタリもかました。自分はフォーク上がりで卒論も「日本におけるフォークソングの受容と変容」というタイトルで、フォークのルーツを調べて辿り根っこを生やしてたので、それが自分にとっての武器になった。大抵のバンドマンが知ってることを知らない代わりに、その人たちが知らないことを僕は知ってた。あの時代、たくさんあったバンドの中で角度を変えて食い込むことはできたんじゃないかと思う。その代わり最初はメンバーと意見が合わなかったりもした。徐々に解ってもらったし、僕もメンバーの言ってることを理解するようになった。

 少しずつバンドとしての塊ができていってぐんぐんと力をつけていった。メンバーには本当にいろんな感情をもった。ネガティブなものやポジティブなものや、気持ちが離れたり近づいたり、バンドって修行だなと何度もおもってきた。紆余曲折ある中で、27年経った今でもリハに入り音を一緒にバンっと鳴らせば唯一無二の音楽の中にいれることが嬉しくなる。生まれて生きてきてこんな場所に自分がいれることがありがたく感じる。メンバーそれぞれにも色んなことを思ってきたんだなぁと思う。今思えば器量のなさでうまくいかなかったことも多々あったけど、同じくらいに、一緒に乗り越えて見てきた景色もたくさんある。

 神奈川から東京進出した頃、このバンドとしての強みってなんだろうと考えたことがあった。僕が行き着いたのは「メンバーそれぞれの人柄じゃないか」だった。うまい具合にみんな個性がバラバラでそれぞれにそれぞれがそれぞれで面白く、MCなどではそれを伝えようと思った。音楽面でも寄り添うとかではなく、一曲に対して4人が自分としてぶつけ合う化学反応みたいなものがあって、その分一筋縄ではいかないこともあり、予測不能、誰にもこのバンドのことは解読できない。アメーバのように変化するインザスープは生物だ。ハチが解説で書いてた「絵を描くようにギターを」という感覚がみんなにあって、当たり前だと思っていたけど、結成当時からそんな感覚を共有できたから僕はバンドのボーカルをやれたんだと最近よく思う。

 釣りをする時、海の満ち引きで月の引力の関係性を感じる。今まで何度もその引力に僕自身が包まれたことがあった。例えば満月の夜、見えない海の中の魚が、餌を食ってくるタイミングがわかったり。波の動きや風、月の光と自分の呼吸が一緒になって心が満たされて万有のものと一体化したり。それと同じようなことがインザスープでも何度もある。音の中で幽体離脱をしているような、自分が歌ってるんだけど、その自分を自分がみているような感覚。勝手に体が歌ってる感覚、車でいったら自動運転モード。愛の中にいる感覚というか、羊水の中というか。そうなれる時、音楽人として幸せ、冥利に尽きる。そんなことを感じられるなんて、奇跡的な音を鳴らしているバンドだと思う。そんな僕らが作った箱に、それぞれの想いや景色、匂いをもって共有し、感じあってくれる人がいるのが本当に嬉しい。少々宇宙規模の話になってしまいましたが、ぐんぐんと満ちるように10月6日へ向かい、下北沢シェルターにてぜひ一緒に楽しんでもらえたらと思いながら今月はこの辺で。


たまには肉をガブリと食べて
店の雰囲気もいがったのでパシャリ

夏の終わりのハーモニーを井上ユウ水と玉置浩シとして

雨の新宿が綺麗に見えた雨の日

レッドクロスにもポスター貼ってもらいました。ありがたい。

スタジオにて一人特訓。

ぐんぐんと、光浴びていざジュテームへ。

レッツゴっ!

超えたら、また次の山へ。

諭介がお答え致します

■「諭介さんのコラムを読んで調べてみたのですが、「初期衝動」っていう言葉の意味ってはっきりしていないんですね。頭で考えたりせず、内から溢れ出る感情、情熱のようなもの。なるほど、好きなものに対して、これがあったら無敵なんでしょうね!10月6日ジュテームが近づいてきましたが、私も難しいことは考えず、ただ楽しむぞ~!そんな中、突然始まったX(旧Twitter)のハチさんのサブスク全曲解説にもとても楽しませてもらっています。たまに難しいところ、よくわからないところもあるけど、その辺にもハチさんの初期衝動を感じてしまいます!(笑)ジュテームでは何が聴けるのかな~♪楽しみにしています!」
(A.T 2023/09/26 12:22)
→そうだね、うまいこと言いますな。ハチの初期衝動やね、所々記憶が違ってるなぁと思うところがあったりするけど、おもろいね、ハチの初期衝動。機材の話とか僕もわからんのがまたおもろい、頼もしいね。ジュテーム、こちらも楽しみますんでぜひ楽しんでください〜。

■「初期衝動を持って何かをやってる人は、その何かに対して真剣に立ち向かっていて、楽しそうで見ている方も自然と引き込まれていく感じがします。
諭介さんにもそれを感じるので、諭介さんの音楽を聴いていると楽しくなるし嬉しくなるしワクワクします。無敵になれます。
もうすぐ久しぶりのジュテーム、楽しみですね」
(夕陽 2023/09/28 22:16)
→楽しみやね、初期衝動あるね、ぼかぁフォークの流れもあって普遍的な曲と言うのにこだわりがあった。時代が変わってもずっと歌える歌。そうしていてよかったと思う。時代が変わっても箱の中にその時の自分を入れられるから今の歌として歌える。無敵になれる歌、これからもぜひ楽しんでくださいませ。

■「ハルカカナタさんの登場曲で「東京野球」を使っていたってすごく嬉しいですね。
音楽はほんとすごいなって思います。心に深く入り宇宙をも思わせてくれるインザスープの音楽に諭介さんの歌にいつも感動やらいろんなものをいただいていて、どうやってお礼をすればよいのだろう…?といつも思うくらいです。目に見えないものほどそうゆう力が大きいのかもしれないなって思います。
今年初めて食べたシロクマ☆特に美味しいと感じなかったけれど、諭介さんの写真のシロクマはすごく美味しそう☆色んな種類があって鹿児島名物とはじめて知りました」
(hitomi 2023/09/29 16:04)
→子供の頃から身近にあったよシロクマ、でも今年が1番美味しく感じたわ。そう、インザスープの音楽は宇宙を感じるのよね、それに僕はただ歌わされてる感じやわ。聞いてそれを感じてくれてありがとう。

2023年9月2日土曜日

Vol.282「転がる初期衝動の無敵感」の巻

  お盆が過ぎるとやはり、きちんと風に秋が混じり出して少し切なくなる。切なくなるも今年の秋はどうやら暑そうで「小さい秋 小さい秋」ならぬ「あーつい秋 あーつい秋」か。今年の夏はファミリーマートのシロクマにだいぶお世話になったな。毎年ハマるアイスが変わるもんですね、あずきなんかが「おいしい」と感じるようになり大人を感じたりして。真っ盛りの夏も抜け、切なさあれど、少しずつ過ごしやすくなっていくんでしょうね、そんな暑い秋の入り口、いかがおすごしか。

 8月は久しぶりにIn the Soupでのライブがあった。翔想工房というバイク屋さんイベンターの斉木さんの企画で、前々からIn the Soupを呼びたいと言っていて、対バンさせたいバンドがあるということでお誘いをいただいていた。
 ファズアクトというバンドとハルカカナタという若手バンドとの3マン。それぞれ別々に知っていたけど3組一緒で演奏するのは初めてだった。斉木さんが違うバンドを観に行った時に対バンで出演してたのがハルカカナタで、登場曲として我々の「東京野球」を使っていて「インザスープ好きなの?」と声をかけてから繋がったとのこと。
 今回は我々のアンコールの時に、サプライズでハルカカナタの眞田君をステージにあげて一緒に歌った。主催の斉木さんからのイタズラの提案だった。伝えていないから歌えないだろうと思いきや歌詞を見なくても歌えていて、何より目がキラキラして嬉しそうで眩しかった。20年前、眞田君が20歳の頃、スペースシャワーTVで我々のライブを観て気に入り、そのままCDを買いにいって聴きまくってくれてたらしい。自分たちが発したものを知らないところで受信してくれて、時を経て一緒に歌えて嬉しかった。何より30代前半のファズアクトと40代前半のハルカカナタのそれぞれのステージが心にまっすぐ届き素晴らしく、感動した。荒野と深海ほどの違いがある両バンドだけど、迷いなく突き抜けていて希望をもらった。

 僕は音楽を聞いてムクムクと沸き起こる、嬉しくなる感じが好きだ。無敵な気持ちにさせてくれる音楽。目に見えず触われないものなのに、空気の振動だけでそう思わせてくれる音楽はやはりすごい。音楽を聞いてそんな気持ちになれるうちは、自分もステージに上がって音楽を発していてもいいんだと思える。
 思えば遠くへ来たもんだと振り向きたくもなる年頃であるが、自分が50歳だなんて信じられない。それは、初期衝動を今も持ち続けてるからじゃないだろうか。「初期衝動を持ち続ける」ってのが大事なんだと思う。とは言え振り返れば、何度も飽きてきた。大好きなギターに飽きてしまうと、とても自信がなくなる。若い頃に何度も経験して何度もそれを超えてきた。一回一回大袈裟に「ぼかぁもう終わりなのか」なんて劇的に感じていたが、何度も繰り返していると「今、こういうときなんだ」と客観的に割り切れて、だったら全然違うことをしようとか、角度を変えて音楽を探求できる。飽きてからが勝負なんだと思う。初期衝動を感じられる角度を探す、その結果音楽は無限であると信じられる今がある。

 演劇「荒れ野」の体験をよく思い出す。ベテランの役者さんたちの中で僕は開き直る部分があった。自分は音楽をやってきたが、音楽というのは誰だってできると思ってる。それと同じで役者も、誰だってできる部分があるだろうと思った。なぜなら人は誰一人として全く同じ経験はしていないし、自分の心は自分にしかないから。その部分を信じて向かった。無論、経験や技術の差があり、とんでもなく追いつけないことの方が多いけど、手前で取り繕わないように、ただそこに心を置いて晒した。一筋の光、初期衝動の部分で通じ合おうとした、そこは共鳴できる部分だろうと。結果、やはりベテランの人たちも、というか経験のある人ほど初期衝動というのを大事にしているのだなぁと感じたし、面白がるプロなんだなぁとおもった。テレビの世界もしかり。畑違いの場所で共通する光を通そうと思うと、自分が浮き彫りになり確かめられて面白い。ではその反対は何かというと、やってきたことの上にあぐらをかいてプライドばかりが大きくなる怠慢ではないだろうか。自己を肯定するためにマウントをとったり、人を自分の思い通りに動かそうとしたり、わがままになったり。そうならないためにも色んなことに挑戦をしてジャブジャブ魂を洗い、何者でもないようにしておきたい。何者でもない事を知るためにやったことのないことをやったり、旅に出たり。知らない世界に飛び込んだり。身近でも遠くでも、小さいことでも大きなことでも。

 今回主催してくれた斉木さんも、本職はバイク屋さんではあるが、「自分が思う面白いこと」に実際に踏み込んで体を動かしてる人だ。人に紹介する時には「変わってる人」だとわざと言うけど、初期衝動を持ち続けてる人だ。プロでもアマでも、ベテランでも初心者でも、先輩でも後輩でも、畑違いも同業でも、国籍だって関係ない。いつもゼロから立ち向かってる人は同じ。この世で初めて吹く風を額に受けている人たちはみんな、一筋の光を求めて同じ目線で話ができるんだと思う。共演の2バンドも然り。

 運良く自分はそういう人たちに出会えてきたと思うし、そうでないものに巻き込まれないようにしてこれたようにも思う。初期衝動を持ち続け、昔よりは時間の限りを知り、一度一度のライブ、一音一音が大事に思え、今、音楽が楽しい。祈り、感謝を込めてギターの音を歌を、気持ちよく深く、伝えていきたいと思いながら今月はこの辺で。

大森洋平この人もまた初期衝動
純粋な水を持ってる
歌いあい気持ちよかった。

Photo by Masumi
この人もまた自分の初期衝動持って向かってる。

人類の挑戦
ためされてるんじゃないだろうか。

斉木さん手書きのチラシ。

そうコレ、シロクマ
中の練乳加減もちょうどいい

時々無性に
銀座のてい食屋さん
千と千尋の風呂屋で働いてる女の人達のチャキチャキ感あり

色んな場所で歌う
煙がモクモクのお店でも
ビリージョエルのピアノマンのPVを思い出しながら
歌は本当に色んな場所に連れて行ってくれる
※煙が予想される場合、事前にわかればブログにその旨書いておきます。
右のギターはミッシェルアベさんのギターだそう。
店主はチバさんににていた歌舞伎町カバチヤ。

銀座はしご。

アンプのつまみメモ。

プレゼント準備をするリズム隊。

東京野球 歌うハルカカナタ眞田君

荒野感なファズアクト

深海感の
ハルカカナタ

越谷にて
いい夜でした。

で、ファズアクトの徳永君が「中尾さんと一緒に呑みたいっす」というので二人で朝まで。
久々の朝まででフラフラでしたが、あっという間でした。ぼくとつとしてかわいいやっちゃ。

テンポ感強化の練習

めちゃくちゃ美味しかった、楽器正宗

群れてるイメージがない
一匹狼達の歌音

さぁそして刺激もらって10/6へいざっ
チケットはeプラスにて、お早めの購入をよろしくお願いします!

そして今年も決まりました
晩秋2023
また挑戦です。
   

諭介がお答え致します

■「こんにちは
今の時期になると戦争のことを考える人は少なくないと思いますが、たまたま行った旅先での出会いから札幌でもそういった繋がりがある場所に足を運ぶのはすごいことだなと思いました。有名な観光地などたくさんある中…。
現地で話を聞いたり、感じたことがそうさせたのかもしれませんが、そんなところが諭介さんの歌に説得力を与えてるのかなぁなんて思いました。これからもこういったことを発信していってくださいね!」
(はまなす 2023/08/16 18:15)
→タイミングがあるんでしょうね、本当にたまたまな事が続いて。10年前から発案されてた事なのに、「江ノ島の裏磯にて」ができたタイミングで具現化したことも、そこに佐渡山豊さんがいたことも、全部のタイミングがあって心が自然と受け入れて役目を勝手に感じてって。これからも色んなテーマで感じた事を発信していきますので受信のほどよろしくお願いしますっ。読んでくれてありがとう。

■「今年の夏は中尾さんにとって、めっちゃ濃い夏ですね。北海道の慰霊碑で風鈴がいっせいに鳴ったのは中尾さんの思いが伝わったことを知らせるために鳴ったのかもしれないですね。
8月27日の久しぶりのインザスープのライブも楽しみにしています。
猛暑が続いているので、くれぐれも無理なされませんように」
(柿の種 2023/08/16 22:47)
→猛暑ですねー、あちー。今年の夏は確かにアチかったね僕にとっても。そう、風鈴が鳴って沖縄から一緒に来たみんなが「わぁーって」僕を囲んでお見送りしてくれてるように感じたの。ふとした出来事だったけど、ずっと残りそうな体験でした。ここの文章で、一緒に感じてくれてありがとう。

■「札幌まで歌を届けてくださりありがとうございました。諭介さんが札幌から帰った後の8月にNHKの北海道スペシャルというテレビ番組で沖縄戦に行った北海道兵の特集を見ました。いつもなら映像を目の当たりにするのが辛くて目をそらしてしまう内容ですが、諭介さんの6月の沖縄のライブから始まりどうしても目をそらせなくなりました。両腕を切断された北海道兵の方がその時看護にあたっていた学生さんに、僕が北海道に帰ったら君にすずらんの花を送ってあげようね。ありがとうありがとうと言って息を引き取ったと。当時看護にあたった高齢の女性が話していた話がとても印象的でした。
「何もしない」を決めるっていいですね。私もたまにやりますがほんとに贅沢な時間ですよね。でも今回の沖縄から北海道に渡った諭介さんは護国神社に足を運ぶために時間が空いた気がしますね。お役目ご苦労様でした…☆またぜひ札幌でライブでお待ちしています」
(hitomi 2023/08/23 0:49)
→ねぇ。お役目だね。たまたまの。でもそうして今まで観なかったテレビを観るようになったという話を聞けて嬉しいです、役目が果たせたような。自分だったらやっぱり、そんな歴史があった事、知ってほしいと思うと思うし、その上で今の自分がある事を知ると何か地に足がつく感じがして自分のためにもなるよね。きっとそういうタイミングがあったんだろうね。受信してくれてありがとう。

■「残暑お見舞い申し上げます。
今年の夏も例年以上に本気でしたね。私も日焼け止めをいつもより強力なものを使うようになりました。

戦争のこと、忘れちゃいけない大事なことなのに私も含めて平和ボケしているのか毎年この時期にならないとあまり思い出さない事でもあるように思います。
諭介さんのように音楽を通してこういった事を伝えていってもらえるのは平和ボケしている私達も自分事として心に刻む良いきっかけになると思います。これからも大切に歌い伝えて下さいね」
(夕陽 2023/08/26 21:33)
→うん、歌事をしていると時々役目をもらうんだろうね。その事ばかりをやっていきたいわけではないけどタイミングなんだろね。自分もそれから、なぜ戦争というとこに行き着いたのかなど調べていくと次から次へと出てくる。キリがない。平和ボケって僕も使って来たけどどういう状態なんだろうね。きっと一つでもその歴史を知る事、語る事、感じる事、その上で自分がいることを一瞬でも実感する事でそうではないと言えるんだろうね。ありがとう、大切に歌ってくので受信してね

■「7月札幌ライブ楽しかったです!セッションでの『接吻』、諭介さんのアドリブ、チュッチュペロペロが忘れられません(笑)そんな楽しい時間ももらって、沖縄からの札幌の旅の話、諭介さんから知らなかったことたくさん伝えてもらっているなぁとここでもライブでも感じます。札幌2日間のライブで『江の島の裏磯にて』を歌っていたことも記憶に残る時間でした。3日目のこと、沖縄の土が着いたままの靴で来た北海道で、沖縄から北海道に一緒に帰ってきたような気持ちにもなったという諭介さんからの文章からは、本当に風鈴の音が聞こえてくるようです。伝えてくれてありがとうございました。そして、昨夜IntheSoupライブ、今年久しぶりの開催のジュテームがとても楽しみになる夜でした!」
(A.T 2023/08/28 17:16)
→あ〜すっかり忘れてたペロペロ。なんで口から出て来たんだろうね、もっと感じたかったんだろうね、それがおしゃれでない形で、おしゃれとのバランスをとるためにも自分の中のバランスマンが発動したのだろうけど世の中的にはなくてもバランスとれてんだから余計でしたね。田島貴男さんにも申し訳ないわ。越谷もいい夜でしたね、体感してくれて、文から風鈴を聞いてくれてありがとう。