2018年10月2日火曜日

Vol.223「秋の渇いた空気にギターの音がよく響く」の巻

9月末、2018年もあと3ヶ月、いやはや早いよ早いよあっちゅうまだ。もう来年の手帳も売り出されてるんだろうな。こないだ手帳を買ったばかりな感じなんだけど。でも2018年のその手帳を開けば毎月ライブが数本入っていて、色んな場所にも行ったんだなぁと。山を越えたらまた次の山があってその間にその山に向かって頭と心と体が動いてを繰り返してきたのだなぁと実感する。次の山は10月6日下北沢シェルターだ。インザスープワンマン、「ジュテーム2018」。只今、曲順をあぁしてこうして練り練り中であります。そんな季節の変わり目、ジュテーム目前、寒暖交互にやってきて風邪なんかひいてられない9月末、気をつけていきましょ、いかがおすごしか。

毎年、この頃になると手帳が売り出されるのを見ては年の終わりを感じますが、もう一つ、コンビニの本屋のコーナーにある細木数子の占い本が並んでるのを見ても、今年も終わりかと感じます。占いは信じるか信じないかと言えばどちらでもない気がしますが、やはり気になって立ち読みしてしまうあたり、「気にしてる」んだろうと思います。しかもこれ「来年はいい年だ」なんて書いてありますとワクワクして、「もっとくれもっとくれ、いいこともっとくれ」と、コンビニの片隅に、もっとくれ妖怪現るとなってページをめくりますが、でもそれを過ぎると細木数子の場合、周期があるので、また悪い年に向かってくのかと思うと調子に乗れないものだなぁと、結局見なきゃよかったと思ったりもして。良ければ良いで「気を引き締めなくちゃ」、悪ければ悪いで「気をつけよう」となるあたり「占い=調子に乗るべからず」なのかもしれませんね。ちなみにあたくそ火星人マイナス、来年はとても良い年みたいです、やったー!です。調子に乗っとるがなって話ですが、変わらず、山越えて、また次の山越えてと一個一個前に進めたらと思います。

先ほどから山と言ってますが、自分の場合はライブ、音楽のこと。最近、改めてよく思うのが、「歌、音楽、ギターがあってよかったなぁ」ってこと。今までも思ったことがありますが、最近もまたよく思います。色んな場所に行って、色んな人、景色に出会えるというのもそうですが、「分け入っても分け入っても青い山」山頭火の句のように、旅を続ける中で、まだまだ何か新しい曲を作れるんじゃないか、作りたいと思えること。音楽を聞いて大感動したり、ぶっ飛べたり、曲ができて嬉しかったりできるのも含めて、変わらずそこだけはいつも初期衝動、自分の中にある。心がそうなる度にまた先に行ける気がしてくる。

バイザウェイ。
話は変わるようで繋がる話だと思うんだけど、20歳くらいの頃、警備員のバイトをしたことがありました。真夏の炎天下、神奈川の交通量の多い大きな道路であちらとこちらで信号の代わりになって赤い棒で車を止めて、工事をしている向こう側の相方と合図を出して、交互に車を止めたり流したり。オーバーアクションで自分側の車線の車を止めて丁寧にお辞儀をしてから車に背を向け、相方のGOサインを待って、サインが出たらまた車の方に向きなおり、お辞儀をしてから赤い棒を回して何台もの車を流す。この繰り返しを日中炎天下で1ヶ月やったのですが、さすがに飽きるわ、暑いわ、ぼーっとしてくるわで、なによりつまらないというのが一番の敵でした。ある時、お昼休憩の時にコンビニの弁当を食べ終わりぼーっと弁当箱を見ていたら割り箸が目につき、ひらめいて、その割り箸をふたつに割ってポケットに忍ばせて、また午後から車道に立ち車を止める。止めた車に背を向けてる間に半分の割り箸を2本、鼻と口に縦にかませて(志村けんなどがよくやるザルを持ってほっかむりをしてドジョウすくいの踊りをやる時に鼻と口にかましてるあれ)相方のゴーサインが出て振り向くと警備員の顔がドジョウすくいのあれになってるというようなことをやったのですが、初めてそれを試みた時はやはり緊張しました。震えてきて、でも、ここでやらなきゃ男じゃない、お前がやらないで誰がやる的な気分になり、何よりこう、ひらめいたことをやらずにいられないので、今思えばどうでもいいというか、やっちゃいけないことだろうとおもいますが、若気の至りで時効だと許していただきたいのですが、その時はそれが自分も楽しく、また、止められてイライラしてるだろう車の中にいる人たちも少しは和んでもらえるかもしれない、こういう警備員がいてもいいんじゃないかとも思い、んが、楽しいことをするには覚悟が必要だと、その緊張と戦いました。合図が出て振り向き、笑う人、怪訝そうな顔で見る人、無視する人。笑ってくれたのは7割くらいだったと記憶しています。そこで僕が思っていたのは、決して見返りを求めないってことでした、見返りを求めるな、ブレずにその先へ突き抜けろってことを言い聞かせて、ふざけているんですが、ふざけてないと言いますか、命がけと言っては大袈裟ですが、何か覚悟を持って挑み観察していました。ここで言う見返りとは車に乗ってる人たちが笑ってくれるということ。笑ってる様を見てこちらが嬉しくなって調子に乗り浮き足立つと、アドレナリンみたいなものが出てオーバーアクションになって楽しいは楽しいんですが、独りよがりでどこか薄ら寒い、自分に気持ちの悪いものを感じる。笑ってくれた人たちはその時は笑ってくれても記憶の中で、調子に乗ってる警備員がいたなぁと残ってしまう。人の記憶を汚したくない、そのために見返りや、さもしい心などの自分のいらない心をなくしてくようにしました。それでもずっとやってるとやはり心が緊張しなくなり、おざなりになってくるとどこか伝わるのか、笑う人が減ったり、怒られたりすることが増えて、やはり伝わってしまうものなのだなとおもいました。今おもうとどちらにしても気持ち悪いな自分、炎天下で頭やられてたのかなとも思いますが、これはこれで色んな人の反応を知れて、人前で何かする時は覚悟がいること、見返りを求めず挑むということを知れて無駄じゃなかったような気がします。

また、その頃、平塚駅前で歌うようになりました。自分がそこで歌うようになった頃は路上で歌ってる人が誰もおらず、地元の人に聞けば「路上狩り」というのが流行ったことがあったとのことで、ヤンキーだかチンピラか、路上で歌ってる人を見つけてはボコボコにしたりカツアゲしたりと、そこから路上で歌う人がいなくなったとのことでした。それを聞いてひるみましたが、試されてる気分にもなり歌い始め、4曲ほどの持ち歌以外はずっと目の前の景色からインスピレーションをもらって即興で歌っていたのですが、「生半可でやってると狩られるぞ」というのも頭にあり緊張感をもって歌っていると、月日を重ねるごとに聞いてくれる人が増えていき、狩られることもなかったので僕はどこか、平塚を制した気分にもなり即興に慢心が生まれ。ある日、そんな慢心で歌っていると、自分のすぐ後ろにある壁、頭のすぐ後ろで破裂音がして振り返ると足元に粉々になったライターが転がっていました。誰かが人混みの中から思い切りライターを顔をめがけて投げつけてきたのだとわかり、力が抜けました。投げられて慢心に気づき、投げられたとしても覚悟があれば力は抜けなかっただろうと、この時のことは今も最低限の自分の基準になってる気がします。

この二つの話がなぜ、「音楽をやっててよかった」という話から続いたのかと言いますと、なんでしょ、覚悟がいること、震えるようなことに立ち向かうことが大事な気がしたからだと思います。そこを超えて自分というものが浮き彫りになったり、経験を積めたり、またわからなくなったり、だからずっと探求できる気もして、自分には何もないことを知らされ嫌になったりもしますが、そんなことを気づかせてくれるのを含めて、やり続けられるものがあってよかったなぁとおもいます。曲作りは特に、長くやってるからと言ってノウハウが役にたつかと言えば自分の場合、そんなことはなく、逆に足かせになったりするところもあり、やってきたことを忘れようとしたり、プライドや慢心、マイナスやネガティブ、いらないものをなくす作業が必要なのも「分け入っても」なとこなんだと思います。やってきたことやノウハウだけでは通用しない、ごまかしのきかない部分、曲ができたと思える説明できない基準だけがやってきたことの結果な気もして。

よくわからない文章になってるかもですが、「分け入っても分け入っても青い山」って句が好きなのは、どこまで行っても青いってところ。どれだけ旅を重ねて汚れて老いても青い部分があること、分け入っていくごとにその青さは輝くイメージ。樹木希林さんが生前、テレビで「ゴミを出さないように生きて、死んで」的なことをおっしゃっていて素敵だなぁと思いました。よくわからない心の山の中に流れる綺麗な川、チロチロと輝く水脈を探すように、もっとシンプルに、簡単に身軽になっていけるように音楽の山を分け入っていけたらと。料理でも掃除洗濯でも、自分を知らせてくれたり、戒めてくれるものは日常の 作業の中にも無限にあるんだろうとおもいますが、自分にとっては音楽が一番わかりやすく、音楽と心がどんどん繋がって、ただ棒がそこに立ってるようなシンプルな自分になれたらと。そうなれたらきっと日常の些細なことでもっと感動できたりもっと感謝できたりするんでしょうね。秋の渇いた清潔な空気にギターがよく鳴るように。と、今月はこの辺で。


空気が乾くとほんとによく響きます。ギターの音がよく鳴らせると嬉し。

最近はほとんどの会場にこのアンプを持参して音鳴らしとります。AERのアンプ、弟が使ってて音を聞いてこれだとおもい購入。

コレ全然うまそうに見えませんが、納豆をかき混ぜ、生卵も混ぜて、醤油少々にオリ-ブオイルを入れてまたかき混ぜたもの。
これがうまくてこの夏を乗りきったスタミナ食でもありました。
テレビで体にいいと知り 直接なめたり、なんでも入れまくってるオリ-ブオイル。うまいっす。

白馬のリハにて。

スキ-場が多いんですね

スキ-場の独特感あり、ホテルの廊下で思い出すは映画「シャイニング」

はじめていった場所にて はじめましての人達と一緒にフォークソングを歌った。
歌ったり楽しそうに体を揺らしたりしてるのみて嬉しくなり、ここでもまた音楽ってすごいなぁとおもった。

秋のお祭り
町内会の人達が一週間も前からテントを立てて会合したり 呑んだりしてて
東京の町ごとにお神輿があって 担ぐ人達に特色があっておもしろい。赤坂はパンチパ-マ大目。

ガラケ3年半くらい使いそろそろ買えどきかと携帯屋にいくも どこいってもほしいガラケ-が在庫切れとかで ないと言われる。
もはやここまでか スマ-トホンにしろという携帯会社の無言の兵糧攻めに いやはやたまるかと踏ん張る私。

ARB 40周年
これも20歳くらいのこと 大學の後輩が「ゆうぼうさん絶対好きなはずですよ」 聞いてみるとなるほどかっこよくてハマッた。
Kと組んでたバンドで数曲コピ-してライブで披露してた。
ビデオも食い入るようにみてた。まさか そんな人達の40周年で本人達と歌えるとわっ。
ぼくもKもいまからテンション高めであります。

そしていよいよ 目前
10/6下北沢シェルタ-にて。

わかかりし頃、母と。

2。

寒かったのが温かくなってきたからか窓が曇り落書きココペリ。   


諭介がお答え致します

 

 ■「私にも諭介さんのピアノマンはこの夏大きめの思い出となりました。諭介さんも手が震えていたかと思いますが(笑)、私も初めて見る諭介さんの姿に緊張や感動で震えてしまいました。背中を向けて弾いていたのは、緊張を最大限に和らげる作戦だったのでしょうか。むしろそれで顔が見えないから、背中がいろんな顔しているみたいでした。たくさん、たくさん練習してたんですね。素敵でした♪曲を変えようとしたとき、変えない方がいいと言ってくれる本田さんでよかったですね。きっとそこで変えてしまっていたら、今みたいな気持ちとは少し違っていたんじゃないかと思います。お互いレベルを上げ続けられる素敵な関係ですね☆諭介さんのことは昔から変わらないなと思っていたけど、毎年いろんなことができるようになっていて、よく考えたらすごい変わりまくっていたんじゃないですかね!」
(A.T 2018/09/19 17:24)
→見ている人を緊張させるピアノマン、発表会の親御さんの気持ちにさせて申し訳ね。安心して聞いてもらえるようになったらまたぜしっ。新しいことをやると初心を思い出せるからずっとやってきた事にも繋がって変わらないでいられたり、青い山の青を忘れないでいられたりするのかもね。

■「こんにちは。 歳を重ねるごとに、「何かやりたい、始めなきゃ!」って思っても、「今さら?」って言い訳してやめてみたり三日坊主だったりで続かなかったり・・・毎年新しい事に挑んでいる諭介さんをスゴいな~‼って尊敬します。
数年前に買って部屋の隅に飾ってあるギターを私も久しぶりに弾いてみようかな?
追伸 一回きりじゃ勿体ないので是非またどこかでピアノ披露してください♪」
(夕陽 2018/09/24 16:29)
→いまさらってのじゃないけど本を読んでも時間がもったいないからすっ飛ばして読んで、意味わからずまた最初から読む、はじめからちゃんと読んどけばよかったなあってのにも似て、あんときやっとけばいまころできるようになってんだろなあとおもうと、ほんのちょっとでもやりたくなるけどなかなか最初のきっかけがつかめんよね。たくさんあるわ、ほったらかしてるの。

■「中尾さん、こんにちは。ピアノすこぶる上手でした。2ヶ月であんなに弾けるようになるなんて!中尾氏の才能めいた逆境から成功へ向かう活力と根性、and本番の心の置き方に、嫉妬するくらい、そうやって目標と向かい合って呼吸してるもんなんだなあと、驚き勉強になりました。ピアノに中尾氏の優しさが見えて素敵な演奏だったと思います。
p.s. 高倉健さん出演の映画でおすすめは何ですか。」
(たかの 2018/09/25 20:29)
→「日本侠客伝」シリーズなどの任侠バリバリのもセクシ-ですし、長島茂雄さんらとともに時代を一斉に背負っていたスタ-だったんだなあとわかりますますが、「夜叉」「あ、うん」など任侠ものというよりかは秘めなくてはいけない想いを心に持ちながら日常を生きる男を演じてる健さんの映画が好きです。日本の刑事としてマイケルダグラスやアンディガルシア松田優作と共演されてる「ブラックレイン」そばを食べたりうどんを食べたりする日常のシ-ンや、突き飛ばされてサっと起き上がるシ-ンが好きです。思えば「幸せの黄色いハンカチ」しかり、健さんの飲食シ-ンなどの日常を表すシ-ンのほうが刀をもったり鉄砲をもったりしてるより好きかもです。