2019年9月1日日曜日

Vol.234「2019年8月、待ち合わせ〜ワロタモンガチ〜」の巻


 8月も末になり、これでもかってな陽射し強く、暑い中にも秋の空気がさわさわとお久しぶりですってな今日この頃、いかがお過しか。

 2019年8月、今月、地元の宮﨑は延岡にて「待ち合わせ~ワロタモンガチ~」と題して高校時代の漫才の相方、本田誠人(今は劇団ペテカンの脚本演出、役者、詳しくは先月分にて)とのライブを25日に行ないました。去年2人で行った延岡での「待ち合わせ」を見てもらった主催の方より「来年、総合文化センターの1300人キャパでやってみないか、もっと多くの人に見てもらうべきだ」との電話をもらい、軽く鳥肌が立ち「やります」と答えるもどこか遠い話にも思えてそのまま時間が過ぎ、去年の年末に具体的に日にちが決まってから実感をもって動き出した。
 本番に向けて、会議に出たりキャンペーン活動などで何度か宮﨑に帰り、今月も本番に向けて1週間ほど前から宮崎入りした。今回はそんな延岡滞在日記と「待ち合わせ~ワロタモンガチ~」のことを書こうと思います。お付き合いのほどよろしくです。

 17日(土)昼に宮﨑はブーゲンビリア空港に着き、そのままFMラジオに行き乱入、乱入と言っても先に生放送に出演している誠人の横に座り普通に途中参加。和んだ感じで終了して夜は誠人が主催してる人狼ゲームのイベントに参加。なんとなく昔漫才をしていた頃の感覚、誠人とのチューニングを合わせる日にもなった。

 18日(日)は延岡にて、誠人との予定はオフ日。里帰りしていて本番も一緒に1曲演る弟のウコカと曲の練習。ウコカがジャンベを叩いて歌い練習していると、ウコカの子、小1男子の太郎と、いとこの子、幼稚園女子のゆずが乱入。どうせなら「セッセイ!」という合いの手を覚えてもらって一緒に練習を盛り上げてもらおうとタイミングを教えるも、何度教えてもそのタイミングではボーッとしてし~ん としているのに、まったく関係ない箇所、というかそれ以外の箇所のほとんどで「セッセイ!セッセイ!」を2人して大声で連呼。こちらが「違うって!」と困った様子を見せると「言いなりになってたまるか」と言わんばかりのパンクな2人はさらに激しくなること街宣車の如し。こちらも負けじとそっちがそうくるなら何があっても動じない練習だと、チビっ子2人の「セッセイ!」連呼にも負けず何度も歌い通して稽古続行し、動じない心を鍛える。
 練習を終えて、また別の従兄弟が出るという郷土芸能大会が「待ち合わせ」の会場である文化センターの大ホールで行われるとのことで観に行く。従兄弟の神楽を舞う姿に感動し、体の動き、足の動きなどを観て演劇で教わったことなども思い出す。昔も今も舞台で演じるというのは共通する何かがあるんだろうなぁと思った。本番当日の会場を客席から観ることができたのもよかった。
  神楽を見終えて夕暮れ時、ウコカとその友達、そして上記したパンク2名と近くの港へ釣りに行く。海は穏やかで足元からどこまでも広がってた。夕暮れを映してピンクになった水面がきれいだった。竿のないチビっ子2人のためにウコカが木の棒で簡易的な竿を作ってやり、2人で一本の竿を渡した。すると女子ゆずのほうが釣りが好きなようで、自分で餌をつけて海に仕掛けを落としを黙々と繰り返してた。男子太郎はゆずの横にいき撒き餌をパラパラ撒いてあげて、先ほどのパンキッシュな2人とは違って集中してがんばってた。大人達も一尾も釣れず、もう少し陽が落ちないとダメかなぁと思っていた時、ゆずの木の棒竿に小さい魚が釣れてみんなで「すごいねー」と感動した。ちっちゃいとは言え、まさか一番最初に釣るのがパンク2人組だとは、しかも木の棒で釣ったんだからすごい。男子と女子を見ると、この頃は宮﨑駿の映画「ポニョ」をよく思い出す。詳しくは見ていないのだけど女の子が魚を釣ったり、強かったり賢かったり、ちゃんと自分の感情を言葉にすることを女の子のほうが長けているイメージ、それに比べての男の馬鹿さもよく目について面白い。結局その日は大人もそれなりに釣って帰宅。いい時間だった。

 と、このペースでいくとかなり長くなりそうなので巻き気味でいきますが、次の日から本番まで誠人と毎日稽古。稽古の合間に色んな会合に出席したり挨拶にいったり、ラジオの生放送を2人で1時間ジャックさせてもらったりもした。そして本田家戻っては誠人と音楽と漫才の稽古。

 漫才は昔やっていたネタと今回のための新作の2本。
 昔やっていたネタは思い出して何度か練習。新作のほうは前回延岡に帰った時に誠人が渡してくれてた台本を読み合わせするところからはじまり、何度か繰り返していくと徐々に流れがわかってきてどんどん笑えてくる。笑えてくるとそこが膨らんできてどんどん脱線して、ふたりでセッションしてるみたいな感覚になって台本から外れたところで誠人のキャラが誕生したり、それを見てただただ笑わされたり。突っ込まくちゃいけないのにずっと見てたくて誠人を眺め聞いてるとまた面白い言葉が出てきて腹を抱えて2人で笑った。気づけば予定時間の倍にもネタが膨らんでしまい、どこを削るかと相談したり。こことここのどちらかを削ろうとなって、どうせなら思い切り2つとも削ってしまおうと、そこからまた稽古を繰り返すたびに膨らんで基本が出来上がっていきながら毎回違う何かが生まれておもしろかった。懐かしい感覚であったけど、高校時代にも増して2人の感覚が反応しあって稽古できたのがすごく面白かった。演劇と音楽という別々の道を選んだ同士、それまでのそれぞれがあったから違う角度から見られる何かがあるような感覚が面白かった。僕は音楽でも漫才でも演劇でもテレビでも人と会話するのでも、こういう時間、瞬間が好きなんだなぁと再確認もした。人はみんな違うもの同士、それぞれがそれぞれの生きてきた道をもって、感じることをそのまま反応しあってモノが出来ていくのが楽しい。頭悩ませたり、選択しなくちゃいけなかったり、新たな壁が出てきたりしたりして徐々に出来上がっていく。バンドのみんなでアレンジをあぁしようこうしょうやってみようと作り上げていくときと同じで、それが面白い。みんなの真ん中に元ネタがあって、それぞれをもってそこに向かっていく。それぞれをもってぶつかるんだけど、自己顕示欲やら支配やらプライドやら計算やら嫉妬やら見返りを求める心やらが自分の中にあることも気づかされる。普段がほとんどそうだからか、そうではなく誰かとただただいいもの、誰の頭にも想像できなかったものができたとき、だけど徐々に前に進めてるな、できあがってきてるなと感じ取れる時が嬉しい。そうおもって立っていると相手から足払いをかけられて、気づけば気持ちよく受け身をとっていたりして笑わされている感覚もまた面白い。
 稽古中も誠人のおいちゃんおばちゃんが昼食を出してくれたり子供が遊んでたり、2人でぼーっとしたり高校野球を観たり、そんな景色も後々いい時間だったなと思い出す。いい写真を撮ろうとおもわなくても自分のフィルムを真っさらにしておくと、いつの間にか景色が心に焼きつくものなのかもしれないなとも思ったりもして。そんな風にこれからも旅できたらいいなぁとおもう。

 嬉しいのは何かを感じること、思いつくこと、それを形にしていくことから始まって、それを真ん中において誰かと水平線に立って向き合えること。遠回りしても、構築されていってるような感覚を共有できること。心にある意地やプライドや凸凹が、どうでもいいものだと思えること。
 馴れ合いや慰め合いでなく、生きてきた道で研いだ刃をもってお互いに向きあえること。その化学反応を見てもらえること。見てくれ聞いてくれた誰かが何かを感じてくれること。反応があること。反応がなかったとしても成立するものを作れること。
 はたまた自分が発したものが誰かの心に広がって、自分がそうなようにまた別の、絵でも音楽でも文でも、漫才でも料理でも会社の中でも、なにかしら前を向けるようなバトン、イメージやアイディアを渡してそれを回り回って知った時。人の中で自分が生きてると実感できた時。生きててよかったと思える時、おおきな優しさに包まれた時。子供はもちろん、大人の中の無垢に触れた時。焼きつく夏を、張り付く景色を心に残せたとき。そしてまたそこに止まらず、大事に抱えなくても失くならないものをつれて、次の旅へ向かえること。などなど。

 なぜかふと自分が嬉しいと思うことを書きましたが、「待ち合わせ~ワロタモンガチ~」に向き合う中でたくさん幸せモンやなと思うことを感じたからだと思います。イベント内容については具体的にかけてませんが、写真のほうで紹介できたらと思いながら今月はこの辺で。よい秋を。

Pinkの夕焼け

パンク少女とパンク少年

稽古の合間に宣伝活動。

今回は動画撮影に演者としても手伝ってくれた茜さん。

今回はピアノと歌で井上侑ちゃんにも参加してもらい、自分も「樹」と「死にゃあせんが」の2曲で共演。
とても気持ちよかった。感謝です。そしてペテカンからはハマと四条も来てくれ力を貸してくれた。
ハマには舞台監督をもやってもらいリハーサルから進行をやってくれ退館時間までの片付けまで仕切ってくれました。ありがたし。

誠人息子。本番中漫才を見てる。
親子漫才もやってるからちょっとしたライバル。
終わったあと漫才どうだったと聞くと、おもしろかったと言ってくれて嬉しかった。

楽屋にてて。

頼もしや弟ウコカとリハ。

侑ちゃんとリハ。

母と誠人の父ちゃん母ちゃんの打ち上げ挨拶。
お世話になりました。

本田家稽古場
お世話になりました。

宮崎県北で発行されてる夕刊デイリーにて。

今回はこの規模でのライブを提案していただき、そこに向かって本当にたくさんの人たちに力を借りまして当日を迎え、当日も会場整備やら小雨降る中の駐車場整備など、自分たちも見えていないとこでも当日たくさんの熱をくれた皆さんに、遠路からも足を運んでくれたみんな、いつも応援してくれてる人たち、気にかけてくれたみんなに感謝です。本当にどうもありがとうございました。またいつかやってみたいと思ってた漫才、でもできるかなぁと不安だった漫才、けどやってみると稽古も本番もほんとに面白かった。誠人にも感謝や、ありがとう。また遊ぼう。


諭介がお答え致します

 

■「「待ち合わせ~ワロタモンガチ~」あと一週間になりましたね!本田さんとの漫才の練習はどうでしょうか?去年の待ち合わせでも見せてもらいましたがとっても楽しみですね!(ハードル上げ)今だからこそ思うのかもしれませんが、諭介さんの方がツッコミなんですよね。ライブだと諭介さんはボケてもないのに、他の出演者からつっこまれているのを目にすることが多いので、諭介さんがツッコミ役なのがとても意外で、個人的にはもうすでにそこから面白いです(笑)学生時代のことはコラムで読んだり、ライブで聞いたりして、知っているような知らないような感じですが、なんだか27年前の二人にも会えるような気がしています。このイベントのおかげで完全に便乗型ですが、大ホールで聴ける諭介さんの歌、この夏の延岡のアツさを体感できることを嬉しく思い、汗だくでワライに行きたいと思います。」
(A.T 2019/08/19 17:09)
→ありがとう。バッチバチ突っ込んでたでしょ?やるときはやるんですよ。
そう、普段、共演者に突っ込まれるときあるけど、笑いが起きてよかったとも嬉しい反面、そんなにへんなこと言ってるかなぁとよくわかってない部分があって、ほんのり自分は何か欠陥してるのかと不安になったりもすることがあるんですよ。スターの悩みですね。ライブだと歌以外に神経がいかず言葉足らずなことが多いんでしょうね。


■「学生の頃からスゴかった本田さん。そんな本田さんが相方に選んだ諭介さんですからきっと諭介さんも自分が思っている以上にスゴかったんだと思います。
そんなお二人の27年の時を経ての復活ライブ。チケットもソールドアウトでポカリやカップラーメンをもらってた頃の諭介さんもビックリですね」
(夕陽 2019/08/27 20:39)
→うん、ビックリやね。自分にもなんかあったんだろうなとおもいたいとこです。
27年も経ってまた漫才をやることになるとはとも思うし、いつかまたやるだろうなと思ってもいたような気がします。高校時代にやってたことが体にくっついてるんだろね。一回やってみてまたいつか稽古からやりたい自分もいるわ。