2023年8月2日水曜日

Vol.281「沖縄から北海道、その歴史の上で」の巻

  あぁあちー夏、もはや温暖化ではなく「灼熱化」だとSNSで見ると合点がいく暑さ、紫外線が痛くて海に行くわけでもないのに日焼け止めを塗るようになった2023年夏、いかが? いかがおすごしか。

 6月に沖縄に行ってからの7月札幌。今回は同期のシンガーソングライター龍之介君のお誘いで札幌でライブをすることができた。
 6月に沖縄の防空壕病院跡で聞いた「沖縄戦の兵士の4割が北海道からの兵士達だった」の言葉。ナビゲーターのおばさんの静かな言葉を「え、北海道?」と、もう一度聞き直して聞いた。沖縄の湿度の高い炎天下の下で聞く「北海道」という言葉が響いた。その防空壕の病院の外にある、兵士たちが歩いたという山道を登った時、靴に土がついた。一緒に行ったフトシさんにも「靴に土がついてるよ」と言われたけど土をはらう気になれずそのままにしてた。その靴についた土と一緒に東京に戻り、ライブをして行く中で土は自然となくなっていった。うっすらとだけ沖縄の土のついた靴で北海道へ行った。

 2日間のライブで久々な札幌のみんなに新しい曲を生で届けられ、聴いてもらえて嬉しかった。
 3日目は帰るだけだったけど、飛行機の時間が夜だった。自分はいつも何もない場合、夜に羽田に着くのが嫌なのでなるべく昼間の飛行機をとるのだけど、今回はライブができたり、何かあるかもなぁとなんとなく遅い便を取った。結果ライブはなく時間が空いた。やりたいことはあったけど、組み立てが難しかったので一旦「ようし、この日は何にもしないぞぉ!」と、わざわざ決めた。僕は「何にもしないぞぉ!」から始まる旅が好きだ。焦りをなくして心の奥から本当に何がしたいのかが浮かんでくるのを待つ、贅沢な「何にもしない」を決めているので、何にも浮かばなくても何にも焦らない。するとすぐに浮かんだ。
 
 沖縄に行ってから、沖縄戦の事、日本の戦争の事、佐渡山豊さんとの出会い、自分の音楽のルーツなどがいつもどこか頭にあったので、ふとナビゲーターのおばさんの話を思い出し、もしかすると沖縄戦の慰霊碑などがあるかもしれないと調べてみると、ホテルから歩いて20分くらいの距離にあったので歩いて行った。靴の土をはらえなかった事、北海道という言葉が響いてきた事、沖縄に行った後に札幌のライブが決まっていた事、ホテルから歩いていける場所にあった事などから、僕の中で勝手に、役目をもらったような気持ちで歩いた。
 
 アイパッドを頼りに「沖縄戦没者慰霊碑」のある公園についた。厳かな雰囲気の護国神社にお参りをし、その横の慰霊碑のある敷地へ行った。そこには沖縄戦だけではなく、樺太などでの戦没者達の碑もあった。その土地土地から運ばれたとても大きな石が碑として並んで立っていた。なんとなく知っていた事ではあったけど、石に刻まれた文を読み、沖縄と同じく、北海道もまた終戦末期、そして終戦してからも一般人や兵士が犠牲になった事を改めて知り、手を合わせた。そして沖縄慰霊碑の前にいき、手を合わせた。敷地内には誰もいなく静かで、木々に囲まれて空気の流れが止まってるようだった。一緒に帰ってきたような気持ちにもなった。石碑には一人一人の名前が刻まれていて、何も考えず、名前の刻まれた石碑の上に落ちてる葉っぱをゆっくりはらって歩いた。静かな時間に想像し、手を合わせて浮かんでくる想いは、腹の奥で深い感謝になった。敷地を出る時に振り返り、静かな気持ちで頭を下げると風鈴の音が聞こえた。止まっていた空気が動き出したように一つ二つ音が重なっていき、複数の風鈴が鳴って響いてきて僕はそれに包まれた。頭を下げ目を閉じたままそれを聴いた。風がやみ音が消えるのを待って、また静かになったので目を開け頭をあげた。役目を終え心が落ち着いた。順番が整ったような気持ちで帰った。

 手を合わせ心を沈め犠牲となった先人達に想いを寄せ繋がり、その上でいま自分が在るということ。鎮魂、感謝、当たり前ではないという事、その上で鳴らす、伝えていく事、願い、生きるという事、その上で歌い、希望や自由を繋いでいく事、そんなことを思いながら今月はこの辺で。
 最後まで読んでくれてありがとう。また来月に。

荻窪TOP BEAT CLUB
入っただけでテンション上がるライブハウスでした。

明治大学の中にある阿久悠記念館へ
「時代おくれ」という曲は高校以来いまだ指針となる曲です。
ライブではあまりやった事ないけど、脳内BGMとして誰しも数曲ふと口ずんで生きてきた曲があるんでないでしょうか?

すごいですね

そしてこの日の本命は、佐渡山豊さんが出るというので明治大学の沖縄コンサートへ。
この民謡の方々の歌からも歴史を知り、終戦後も沖縄は占領され、基地にするために生活を追いやられていたんですね。歌から伝わる歴史、生活。これこそがフォークソングだと思いました。

追いやられた人達が自分達をこう呼び抵抗したらしいです。



そして佐渡山さんと国吉さん
年の差感じさせないコンビネーション
この日は本当に大阪であった「人類博物館」というようなタイトルの曲にびっくりしました。

挨拶くらいしてかえればよかったなぁとちと後悔。

渋谷などで「パーリラパリラ高収入!」とかってトラックで大音量で流してる宣伝カーがあるんですが、それにヒントを得ましてマイ宣伝カー

一彦さんとのライブに向けて特訓。

正直、この日が決まり近づくにつれてずっと緊張してたんですが、一緒に音を出してリハしてからは、その分ずっと楽しかったです。やっぱボカァ、かっちょいい音と一緒に歌えるのが何より嬉しいし楽しくなってしまいます。

前の写真と photo by Masumi

こちらもいい写真

一彦さんと笑って演奏できて嬉しかったです。

がはっ

帰りも一緒に電車に乗って。
またいつの日か!

前3枚とこの写真
Photo by 三浦麻旅子

観劇。自分が出たからその良さを知りいうのかもしれませんが、演劇ってやはり人類の歴史上なくてはならないものだと思いました。不条理で訳わかんなくてもなんでか感動するとか、普通じゃないもんね。普通じゃない感動を身近に感じられる演劇ってやっぱすげぇなぁと。音楽もそうなんだけど。演劇は本当にたくさんの人が関わって、時間と労力を使ってほんの数回やって終わりというのがまた儚くて。感覚を洗ってくれるようなものだと思いました。

で、その帰りに1人カラオケに行き札幌でのセッション曲「接吻」だけをひたすら歌う。

んで、出会えてよかった北海道のベスタ君、音楽面で頼りになる男、我々より全然若いのにっ

次の日は怪談話もあったりして、意外にもクォリティが高かったりして

行きつけのバーにて。

慰霊碑

樺太の事なども知らせてくれたんだと思います。

沖縄の方角

慰霊碑

この裏にも同じだけ名前がありました。

Twitterにもあげましたが、ここにも載せときます。

この奥にも立ち並んでました。

総体へ行き応援。

から、インザスープ15周年の時もブッキングでチカラをかしてくれた石川さんにご挨拶。

から、近くのラーメン屋をiPadで探して見つけた三平ラーメン
なんとデパートの雑貨フロアの片隅にあり

中に入れば
かなり本格的な雰囲気
お店の人受け答えにも自信が感じられ
期待できる、これは期待できるあたりだと。
出てきたラーメンのスープをいただく
「なぬ!?」となる。
想像してた味噌ラーメンと違う
これはなんだ?おいしいのかどうかもわからない
が、完食
平塚のラオシャンがそうであったように独特すぎてクセになるタイプのやつか一回目じゃわからんっと思い東京に戻り調べた所、札幌の元祖味噌ラーメンとの事。
はっはーん延岡にあるチキン南蛮の元祖なおちゃんでタルタルソースがかかってないみたいなものか。岡本太郎が言ってた、アバンギャルドなものが風穴を作り、二番煎じ3番煎じのものが流行っていく図式があると!そういう事かと合点がいった。

旅は空白がある方が奇跡的な出会いがあったりしておもろい。
ラーメン食べて一休みしたくてカラオケ店で横になる。
何にもしないぞってのがいい、そんで結局何かしらしてるってのが。
ぷらっと散歩したりして。歌屋という所。やすくてありがたかった。

そして再び応援へ。

勝利した仙君
試合を見届けてすぐ帰ろうと廊下を歩いていたら試合直後の仙君
追っかけてきてくれてチカラ強く、次も必ず勝つと宣言してくれました。
キラキラして希望がたくさん詰まってて僕にもビリビリきました。

そして8月頭はコレ!
何卒です!

諭介がお答え致します

■「暑中お見舞い申し上げMAX!(真似してみました。笑)50代になる6月が濃い時間になってよかったですね。沖縄ライブの諭介さんのセットリストからもいろんな想いを知り、配信でも参加できてよかったです。そして、延岡での出来事「GOLD FISH」の脚本家さんと漫才大会で一緒だったのびっくりですね。えぇ!となってる諭介さんを見て本田さんもまた笑ってるような気がしました。どの経験にも誰かとの繋がりがあって諭介さんの歴史を感じる50歳の6月でした!10年目のONE NIGHT STANDもとってもかっこよかったです!しかも最近の諭介さんの方が若く見えてこちらも元気をもらいます。とはいえ(笑)、毎日猛烈な暑さなので、身体に気を付けてライブたくさん頑張ってください!」
(A.T 2023/07/26 16:25)
→うん、本当に気をつけよう、こりゃたまらん暑さや、繋がりといえば、2日目のLIVEのあとにコンビニで、インターハイで来てるだろう高校生が、レジの前から店内にいる友達に〇〇ー!お金かして!って大きな声で言ってて、お金持ってないのにレジにいったんかいっと思って見てみたらTシャツにNOBEOKAって書いてて、一気におおっ延岡か、同じく延岡!とグータッチをしたのを思い出した。繋がりというか偶然だけど。
ONE NIGHT 観てくれて、配信も観てくれてありがとうっ


■「暑中お見舞い申し上げます。
先日足を運んだライブで聴いた「虹をかけて泳ぐ魚」がとても印象的で私の心にも虹がかかりました。素敵な歌に出会えて良かったです。ありがとう。
脚本家の港さんとの話、私もビックリ鳥肌が立ちました。そんなドラマみたいな話、本当にあるんですね。
濃くご多忙だった6月。この夏もたくさんの歌旅、暑さに負けず、健康で楽しく素敵な旅になりますように」
(夕陽 2023/07/26 23:25)
→ありがとう、アチ〜からね、お互い気をつけてこう。
ね、びっくりよね、宮崎出身てのも知らなかったし、誠人の仕業だろうねぇ。2人で永瀬さんのファンだったし。新曲聴いてくれてありがとう。


■「中尾さんこんにちは。
6月のブログ…本当に濃いですね!
中尾さんが50年紡いできた縁が芽吹いて出来た森を探検しているような読みごたえでした。大人になるってそういう楽しみがあるような気がしました。私も色んな種を蒔いていきます。
7月のブログも、8月のライブも、楽しみです。
私の夏は、暑いので、プールに行って泳いで(というより、浸かって?)プールサイドで売店のカレーライスを食べたらなかなか良かったです。
あと、バニラアイスにヨーグルトかけて食べると美味しいです」
(しゃるろっか 2023/07/31 17:31)
→あぁ、いいねぇ!プールっ忘れてた夏のお楽しみ、そうだプールがあったか、んでカレーうまいだろうねぇ。夏らしい事一個はやらんとねぇ。連載も楽しみにしてくれて長いのに読んでくれてありがとう!繋がる縁縁縁、確かに大人の楽しみかもねぇ。