2023年12月30日土曜日

Vol.286「苔知らずの岩、星として残る」の巻

  ほら、今年もだ、クリスマスが終わったらジェットコースターラストスパート。あっという間に年が終わってく。東京の12月ってそこまで寒く感じなくなったね、なこの頃いかがお過ごしか?

 今年もこの場で気にかけていただきありがとうございました。毎月一度、この場で長々と文を書いて、普段思ってることや書きながら探っていったりすることや、自分も自分を発見したり、整理したり、それを2000年から毎月書いてるんですからすごいですね、自分にとってはなくてはならない独り言、読んでくれる人との約束事、的なこの連載、自分にも続けて来たことがあると言うのが糧になります。これも読んでくれる人がいるからです、重ねて、この場を気にかけてくれて、つきあってくれてありがとう。

 2023年、今年も色んな場所で歌うことができました。東京、埼玉、神奈川、千葉、神戸、沖縄、札幌、名古屋、宮崎、数々の舞台で、色んな形態で、ワンマンやイベントや、どれも楽しめたし、挑戦もし、ナーバスにもなり、乗り越えたこともあったし、新たな出会いも嬉しかった。曲が出会わせてくれる歌旅、これを読んでくれてる人もどこかで体感してくれたでしょうか、ともに歌で2023年を刻んでくれてたら嬉しいです。

 突然ですがここで、今年一番、自分の曲以外で頭の中で流れたBGM1位の発表です!

1「今日までそして明日から」吉田拓郎

この歌が頭に流れ口ずさむことが多かった。当たり前のことを言っているのに当たり前すぎて、より今生きてることが実感できるし、清濁合わせもつ自分への肯定感、希望を感じることができる歌に生きてくチカラをもらい、いい歌だなぁと口ずさむ。
「私は今日まで生きてみました 私は今日まで生きてみました そして今私は思っています 明日からもこうして生きていくだろうと」

 自分の人生をふと振り返れば「はぐれ感」というものが自分を動かしてたような気がする。
 マジョリティよりはマイノリティ。例えば音楽のジャンルからしても自分は若い頃よりフォークソングに傾倒してた。にもかかわらず気がつけばロックの世界にいたりして、そして僕はとてもめんどくさいことに周りで持て囃されてる「ロック」という言葉に対しても疑問を持ち、「なんなんだよ」と。フォークにもパンクにもついてくるし、みんな同じような格好をしている。はぐれてたはずの人たちがロック村を作ってるようにも見えて、ロックっぽい人にはあえて「ロックってなんなんですか?」とか聞いてた。20代後半で厨二病はめんどくさいですよね。でも事務所が新宿LOFTの事務所だったり、レコード会社がコロムビアのトライアドだったりと、関わる場所が日本のロックを支えてるような場所になっていき、それっぽい人と話す機会が増えていくと僕は聞かずにはいられなかった。質問が質問だけにそんなことをはっきり言える人もいなかったのか、ほとんどの人の会話を忘れてる。
 そんな時期にレコード会社の社長のお別れパーティーがあり、パーティー会場から二次会に移動するときにタクシーに乗せてくれたのが同じレコード会社所属の先輩だったミッシェルガンエレファントのチバユウスケさんだった。タクシー代を奢ってくれて二次会の場で隣の席に座った。ドラムのキューさんとチバさんが「タバコかってきましょうか?」「おう、〇〇何個頼む」「〇〇っすね」「ちがう〇〇だよ!」みたいな即興先輩後輩コントを延々してて、「面白い人たちなんだ」とホッとした。その後チバさんの隣で何も喋れなかったけど、厨二病が発症し、たまらず聞いた「ミッシェルってロックなんですか?」するとチバさんは間髪いれずに大きな声で「ばーか! 俺たちはロックじゃねぇんだよ、ロックンロールなんだよ、ロールがついてっから苔がつかねんだよ!」僕は「苔?」となった。ロックど真ん中印象のチバさんが「苔」という単語を発したのが新鮮で、しかも「ロールしてっから苔がつかない」というのが絵も浮かぶし「かっちょいい」と心にストレートにはまった。
 それまでの長い「ロック」に対してのつっかかり心が綺麗に蹴っ飛ばされて、僕のめんどくさい「ロックって何?」病に終止符を打ってくれた。理屈じゃない、かっこいいもんはかっこいい、かっこいい人はどの角度からでもかっこいいんだと思った。ロックシーンにおけるチバさんの影響力はでかいので、影響を受けないようにしながら影響を受けたし、憧れもした。目標でもあったし、自分は自分だという対象でもあった。意識をしていたんだと思うし、遠い場所にいて、僕も同じ屋根の下にいたことを誇りに思う。チバさんは苔知らずのままいなくなり、苔知らずのまま残った。あの時の遠回りでたどり着いたチバさんの言葉、僕も僕として苔つかずの歳を重ねるべく、来年も色んなことに挑戦し、精一杯転がったろうと思います。
 最近よく思う「はぐれ感」ってのも大事だよなってことを書こうと思いながら違うところに着地していましたが、今月はこの辺で。ギラギラで苔つかずの、銀色の岩が転がるイメージでいけたらと、お互いにいい年にしてやりましよう! 2024年、またこの場所もよろしくお願いします、良いお年を!

 

大ちゃんと行った名古屋も素敵な場所でした。
大ちゃんとの世界観も独特で面白かったです。

時々無性にステーキが食べたくなる時がありますよね。

代々木公園にクリスマス時になると「青の洞窟」と題して木に電飾を巻きつけた催しものあり、こういうものをみて「わぁキレイ〜」とか「素敵」とかなかなか思えないのはなんでだろうかなぁと首を傾げながらパシャリ。

漫画家になったスージーとのユニット youtwo.. デビューライブ
漫画家になってからの頑張り話なんかを聞いて、僕もまだまだ頑張ろうって思う事が今まで何度もありました。スージーもまた僕に刺激をくれる歌うたいです。

沖縄で出会った佐渡山豊さんのLIVEを観に行く。
演奏者みんなが凄かったです。芸術だなこりゃ、となりました。

ウキにウキウキする
ウキオールスターズ
かわいいですね。

大体使うのはこの3つのどれか。
かわいいですね。

今年は全然釣りに行けなかったので来年はもうちょい行けたらと思いながらウキウキ。

さぁそして、大晦日は私カウントダウン
そしてその後は新年一発目のみんなでセッションを!

好評につき増刷いたしましたっ。

 

諭介がお答え致します

■「新しいことに挑戦する時のはじめの一歩は緊張するし勇気がいりますね。
私はその勇気が出なくて、出来ないやらない理由を探して見つけて後回しにしてきたことばかりかもしれません。 
なので諭介さんの色んな挑戦は刺激になるし格好いいなあって憧れます。
早いもので今年もあと1ヶ月。来年はもっと積極的に色んな事に挑戦できる人になりたいです」
(夕陽 2023/11/30 23:32)
→僕の挑戦も一緒に楽しんでくださいね、来年もよろしくですっ。

■「諭介さんの「紅葉紅葉 前田耕陽」を見ると何故か安心するし、「紅葉を見にいこううよう。」と返したくなります。下らないですね、お互い(笑)。
記念本、拝見しました。読みごたえかあって多忙な日々を送っているのでまだ全部は読めてないのだけど、見たことがある諭介さんの表情や見たことのない表情・・・色んな諭介さんが詰まっていてお腹いっぱいになりそうですね。大切にします。
もう年末ですね。来年も「くじら」の諭介さんを私も「くじら」になって、ザッパーンと会いに行きたいと思っています。良いお年を」
(夕陽 2023/12/25 23:27)
→おぉ今からくじら号というハコに向かうところよ、くだらなくない、くだらなくないはずや、くだらないに負けないでその向こう側を突き抜けていこうよう。
記念本、読んでくれてありがとう!


■「あっという間に12月ですね!とはいえ、今年は去年よりライブ会場にも行けるようになって、いろんな景色が思い浮かびます。そして、なんと言っても諭介さんが50歳という記念すべき1年でした!私が初めて見たのが諭介さんが25くらいのときだったと思い返しびっくりしてます。推してきた身としては(笑)、いくつになってもかっこいいまま歌い続けてる諭介さんのことは、自分のことのように誇らしく思いますね!と同時に自分も頑張ろうと元気づけられています。アーティストは孤独な時間があると思うけど、そこから生まれた音楽で共感できる時間も広がる世界もあるとライブを見たり配信を見たりで思いました。深く潜ってユラユラとする時間も楽しみつつ口を大きく開けて吠えるライブを頑張ってください。これからも楽しみにしています!よいお年を」
(A.T 2023/12/27 12:09)
→25才の頃かぁ、すごいね。25年。まさにはぐれ感あっての今よね。かっこよくありたいね、だいぶ目が見えなくなってきたりしよるけど苔知らずのギラギラで生きたいと思いますっこれからもよろしくですっ。

■「「独り」になって独りではないと感じられるライブってとてもいいですね。
残念なことになかなかライブに足を運べない私ですが、それでも今年も諭介さんの歌が聴けたことは年末になり振り返ると1年の中で嬉しい出来事ことでした。身近にもたくさんの素敵なライブ開催はあってもやっぱり諭介さんの歌が聴きたくなります☆また来年もライブに足を運べますように…と願いながら実現できるようがんばります。良いお年をお迎えください」
(hitomi 2023/12/27 22:52)
→ありがとう。来年もずーっと歌ってるからね、来れるときにぜひ、また体感してくださいね。ずっと気にかけてくれてありがとう、来年もよろしくですっ。

 

5 件のコメント:

  1. チバさんのことはこの人かっこいいな!と思うことが私にもありました。そして、今回の諭介さんとのやりとりを読んで、自分の中のチバさんがさらにアップデートされた気分になりました。いろんな人のチバさんのエピソードをSNSなんかで知ることもあって、いつまでも誰かの中で存在が消えないのは苔がつかなかったからなのかなぁと銀色の岩が転がり続けているのを感じます。諭介さんとチバさんにこんなやりとりがあったことも憧れがあったのもちょっと意外な感じがしたけど、聞けてよかったです。自分は自分、諭介さんも諭介さんのかっこよさで歳を重ねていると思います。苔つかずで転がって行くのを追いかけますね!ゆっくりめで(笑)今年もよろしくお願いします。

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  2. 今年の冬は暖かいなあと思っていたら急激に本気を出してきましたね。
    チバユウスケさんの事はネットニュースで知りました。あまり好んで聞いてきたわけではなかったけど、もちろん楽曲は知っていたので、思わず「えっ!」と声に出して驚いてしまいました。
    諭介さんとのエピソードを読んでイメージ通りのロックンロールな人だったんだなあと感じました。最近、50代60代くらいの有名人の訃報や病気の報告をよく聞くので諭介さんのこともとても心配になりました。どうぞご自愛ください。今年もよろしくお願いします。

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  3. 弟がチバさん(The Birthday)の大ファンです。いつかライブに行こうと思っていた矢先の訃報に大変ショックを受けておりました。
    このコラムを弟に紹介し、いろんな繋がりやエピソードを読み、チバさんへの思いを話してくれました。
    ただ、先日の献花会の事を当日まで忘れていたらしく、自分の事を薄情だな、と。でも、私達には日常があるからどんどん薄れていって、悲しんでとどまると苔が付くから、日々ロール
    してるってことなのではないでしょうか。
    コロナ渦を経て、行かずに後悔するくらいなら、行って後悔した方がマシだ、と思い立ち、昨年はライブにも行けとても良い年でした。今年も良い年にするべく、ロールしていこうと思います。

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  4. 2000年から続けてるってすごいですよね。私たちも普段聞けない諭介さんの考えてることや思いを知れて、歌の根源を感じられたり、毎月必ず書いてくれるので楽しみにしています。
    ロックンロールの話、音楽だけではなく自分の生活や活動にも通じるなと思いました。私も今年は諭介さんに負けずに、ゆっくりかもしれないけれど苔つかずの日々を過ごしていきたいと思います!

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  5. しゃるろっか2024年1月31日 22:49

    今日はペンション中尾とても楽しかったです!チバさんの曲も聴けて!中尾さんの歌旅繋がりで東京ですと吉祥寺や下北沢に行く機会が増えました。お気に入りのお店はありますか??

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