おはこんばんちわ。2020年今年も11月末ですよ。すごいですね、毎年のことではあるけれど今年はなんちゅうか、あっという間に加えて「なんだったんだべか」という感もありつつ、それでいて今年初めに行なったライブ、例えば1/18のペテカンとの2マンライブや2/22の紅白歌合戦のことなどをパッと思い出しても、あれが今年の出来事だったのかと。今は完全に新たな時代に突入してる感もあり、こうなる前の生活がもっと昔に感じたりもして不思議な感じであります。だが新型ウィルスとは関係なく今年も冬へ向かって着々と寒くなってきて、予想通りに感染者が増えてきてまたもや「どうなんだべか」なこの頃ですが、いかがおすごしか。ほんとに、いかがおすごしか。
自分はこの11月もライブを敢行した。マスクはもちろん消毒液も持ち歩き、電車に乗ってもトイレにいっても何か触ったらシュッシュッシュ、カサカサカサカサとハエのように手を擦り合わせて、ライブ敢行するからには思いつく限り、できるだけの対策をしてのぞんでおります。なかなかどうして、こう感染者が増えてくると経済を回すってのとウィルスを封じ込めるというのの両立は難しいのだろなとも思いますが、できることをやって、できる限りはできることを探っていきたいなと思っております。
そんな11月始めの7日はアナーキーの藤沼伸一さんの誕生祭、藤祭りに出演。今回は外丸さんとのダブルボーカルに加えてベースに穴井仁吉さんとドラムにレイコさん、そしてギター藤沼さんの5人バンドとして全曲藤沼さん曲での参加となった。他出演者もロック界で活躍しているそうそうたる出演者の中でこのバンドがトリを務めるとのことで、「ようしやったるで」と2度のバンドリハに加えてみっちり個人練習もして向かった。本番当日、熱いライブが進み、他出演者の時間にも藤沼さんは出ずっ張りだったので、本番直前の楽屋では藤沼さん以外の4人で過ごし本番を待った。楽屋の厚い扉の向こうからは熱いロックの圧が押し寄せていた。ドラムのレイコさんは「胃が痛くなってきた」というほどにトリのプレッシャーを感じていて、外丸さんからも張り詰めた空気が漂っていた。自分もわくわくしながらも緊張し、同時にありがたい経験やと背筋が伸びて神経が張り詰めた。
そう、そんな我々とはうって変わってベースの穴井さんだけがずっと、ずーっとしゃべっていた。「ネットフリックス観てる? おもしろーい、ネットフリックスおもしろいわー」と博多訛りの愛嬌ある静かな声で話していた。穴井さんといえば陣内孝則さん率いるロッカーズのベース担当で大御所の御人。風貌もポスターなどで見るにサングラスをかけてロックの匂いバリバリでハードボイルドな感じだが、その語り口調と人となりは親戚のおいちゃんみたいで、そこにいるだけでなんだか落ち着く人だ。その穴井さんが「ネットフリックスおもしろーい」と言うので「なに観てるんですか」と聞けば「ナルト」「ナルトって子供が観るやつじゃないんですか」「いや大人が観ても面白いのよ、武器を持たんでたたかうんよ、それがねぇ、諦めたらいかんなぁって勇気がでてくるのよ、ナルトおもしろいわー」と。月イチの連載で書くことだろうかと思われる方もおられるかもわかりませんが、この日のライブが過ぎて一ヶ月近く経つというのに、あの穴井さんの博多訛りの「ネットフリックスおもしろーい」という声が時々頭をよぎって胸がくすぶられて笑い玉が溜まりに溜まり、この場をお借りして胸に溜まったこちょこちょをお伝えしたく思った次第です。うまく説明できませんが、大爆笑するわけではなく、思い出すとずっと胸に笑い玉が転がってる感じ、わかっていただけたら幸いです。そういうことありますよね。窮屈感じることが多い昨今、だからなのか余計に穴井さんの「おもしろーい、観てしまうー」が胸をくすぐるのであります。そんなこと言いながらもさすがの音圧でバンドを支えるベースは図太くて迫力があり、肩に力が入ってないのに力強くて安心感があり、かっちょよかったです。また会いたい人であります。
はたまた今回は藤沼さん曲を歌ったのですが、曲からも刺激をもらい、特に「風景」という曲は聞きなれない難しい言葉を使った歌詞で、例えば「常に揀択申し立て」という言葉がでてきて「けんじゃく」って何だろうと調べてみると、自分的には「何かを求めてあぁだこうだ言う」的な意味だと解釈したのですが「禅」の世界の言葉だと知りました。サビは「浮世を彩る これはただの風景 まどろむ瞳に ただ吹く風の如し」とあって、世の中を半目開いてまどろんで観てみたらただの風景だ、としてるのがすごいなと。「愛を欲しがる人の世も 神を求める人の世も 常に揀択申し立て 一心不乱の屑(くず)集め」曲調も相まって爽快な悟りの境地やなと。自分は以前から手塚治虫のブッタを全巻集めたり、見よう見まねで写経をしてみたり、禅や坊さんにもなんとなく興味があったことが直結して、その後もっと知りたくなり今は禅の本を読んでいるのですが、なるほどやはり面白いし安心します。到底自分はお坊さんの様にはなれませんし、なりたいとも思いませんが、指針をもらったインディアンの「リトルトリー」や高倉健さんの「あなたに褒められたくて」にも通じていて、ずっと心にあったことのように感じます。
特定の神様がいるわけではなく自然の中の一部、自然の中で感謝して繋がりを感じ、人間の「生き死に」を見つめる。人との関わりの中で「徳を積む」ということ。写真でも紹介しますが、この筆者の坊さんは修行というか禅の世界に身を置きながら「徳を積む」ということがどういうことなのか、見返りを求めずそれを遂行する中で自分の矛盾を感じて反省したりするとこなんかも、人間らしくて面白いです。
話は戻り、その日のライブ後、自分は楽屋の隅でしゃがんで落ち着こうとしたら身体中の毛穴から汗が吹き出し続けていて、音に解毒作用があるのか心身共にサラサラとしていくのが感じられ気持ちがよかった。音場所人と響きあいサラサラと自分を洗ってもらったような気持ちになり、空っぽに洗われたアンテナにインスピレーションをもらいました。ただの一つごとに向かえてそれだけになれる時というのがやはり気持ちよく、そこからインスピレーションというのが繋がっていくのだなぁとも思いました。
最近はこのコロナ禍でのライブ、配信ライブを何度か敢行し、今まで、そこに集まってくれた人たちとも響きあってライブを作っていたのだなと改めて実感することが多く、同時にその「場所」自体とも響きあい鳴りあってきたのだなとよく感じます。お客さんのいない配信ライブなどは特にその場所の壁などが愛しく感じます。
この先がどうなるのかわかりませんが、配信、デジタルを駆使して、この「場所と鳴る」ということができたらと思ってます。ライブハウスでも洞窟でも、喫茶店でも、川沿いでも、廃墟でも、森の中でも、ただギターを鳴らしてみたい、きっと一般的にはそんなに面白い動画ではないかもですが、「場と鳴る」。場と鳴って生きてること。日常生活でも、色んな音を鳴らして生きてる面白さ。同じギターでも場によって変わる面白さ、単純にギターの響きを楽しんでもらいたい動画作成を、いつかできたらなと。デジタルを駆使しての発信も視野に入れ、現在は機材を集めて合間合間に勉強しているところであります。
コロナ前だったらやらなかった、説明書を読んで、わからないことを一個一個調べてデジタルに立ち向かうということを、この機にやってみようと思います。と書いたのは機材を集めただけで何もやらないかもしれない、デジタルを駆使するんでなくて、屈してしまうんでないかとも思ったからでありますが、実現したら楽しんでもらえたらと思います。よろしくお願いします。
コロナ禍の影響でデジタルがより身近になり、よりアナログが貴重にもなるだろう今。立ち止まり、自分を見つめろと言われてるようにもとれるこのご時世に、本を開けば元々を、生の実感を思い出させ感じさせてくれる禅の本、おすすめしたいなと思いながら写真のコーナーに託して今月はこの辺で。
感染対策、気をひきしめながらもよい年末を、また来月に。
風景 |
ありがとうございました。 |
そして中尾と草場もワンマン配信。稲毛Ks Dreamも血の通った音を鳴らし合ってきた場所です。震災直後から続くk主催の「頑張ってるぜ日本」100回を迎えてこれからも今まで通りゆるゆると続いていってほしいイベントです。 |
ニックバッカーズドラム大輔も駆けつけてくれて気持ちよかったっ。 |
MusicCollectors#ZAIKOアーティスト編第4弾。こちらも出演させてもらいますのでチェックのほどよろしくお願いします。右記より。 shakehandsmusic.zaiko.io/_item/332414 |
あぁあたしゃおったまがったんですが、大型電気屋にて、これがオーディオサングラスというではありませんか、007などに出てきそうな映画の中で見てたようなものが家電量販店でもう売られているんですから。文明よどこまで行くかと、そんなに急いてどこへ行くかと少し泣けてくるのはなぜなのか、この気持ちはなんだろうかとパシャリ。 |
楽器屋にて。楽器屋で時々見かけるのですが、このご時世にまで生き残ってる感に泣けてくる味わいがいいですね。弱音器、これを作ってる人達がいつも見てみたくなります。 |
横浜サムズアップにて。初めての場所でありましたが、自分、横浜というだけでミーハーにテンションが上がる上にサムズの雰囲気がこれまたよくて、入った瞬間に今日はいいイベントになるなこりゃと思った上に共演のお二人、スタッフの皆さん、集まってくれた人達の気がよくて最高でありました。なかなかね、来れない人達もいたでしょうけど、またね、来れるようになったらぜひっな場所であります。 |
みんなガキンチョの心を持ってて面白かったですっ。穴井さん頭と鼻を同時にかいてますね。藤沼さんも穴井さんも60オーバーですが、人に教えたくなる魅力的な人達でいい生き方を見せてくれます。サラサラとした汗はそんな人達と音を交わしたからじゃないかと思ったりもして。 |
「食えなんだら食うな」関大徹 |
諭介がお答え致します
今年ももうすぐ終わりですね。今年はどんな一年でしたか?なんて聞くのもどうなのかと思うくらい謎な一年でしたよね。数えれば切りがないくらいマイナスなことはあるけれど、年末になって振り返ると良かったこともあったと思いたくなります。満員電車に毎日乗らなくなったこと。行きたくない飲み会が減ったこと。家族と過ごす時間が増えたこと。自分にとって不要なものを捨てたこと。きっとあのまま普通の日々が続いていたら、持っていてもどうしようもなかった気持ちを手放せなかった気がするのでそれはよかったと思っています。今まで頑張ってきた力が抜けたというか、自分がしたいようにする、少しわがままな部分を出せるようにもなった気がします。一方で持っていたのに気付けていなかったものもありました。会いたいと思う人がいること、周りの人の優しさにもっと気付けたこと。諭介さんはどうでしたか?ライブハウスには結局行くことができないまま今年が終わってしまうけれど、この月一コラムや配信では楽しませてもらって笑ってしまうことも多かったです。先月のを読んでからは、手の消毒をする度にハエだなと思うようになってしまいました(笑)メリークリスマス&よいお年を!
返信削除今まで当たり前だった日常が当たり前じゃなくなってもうすぐ一年になりますね。2020年は思うように行動できなくて悔しかったり、先が見えなくて不安だったり・・・ライブへもなかなか足を運べなくて決して楽しい一年じゃなかったけど配信ライブやリモートなんちゃら等、少し抵抗があったアナログじゃないものの便利さやありがたさを発見でき、時代の流れにもついていけるようにしなくちゃなあと感じた一年でした。
返信削除2021年はどんな年になるのでしょうか? コロナもまだまだ終息するとは思えないけど、上手く付き合いながら楽しい事もして良い一年にしたいですね。
諭介さんにも随分お会いできてないのでライブへも行けるようになるといいなあ!
今年も残りわずかですね。このような世界になり、私自身も心がぐーっと辛くなったときにどこにも逃げ場所がないその一瞬の気持ちのときに、諭介さんの配信ライブのお知らせや歌つなぎなどを目にしてすごく助けてもらったなと思い出します。不要不急の…と何度も耳にしましたがライブ配信が普及し、他のみんなにとっても音楽は必要とされているものなのだなと思うとなんだか嬉しく感じました。諭介さんの「場所と鳴る」すごくいいですね!なんだか生け花を思い出しました。生け花は空間を生ける、花と花の間(ま)を生けるのでギターとはちょっと違うかもしれませんが空間とを表現する意味で少し繫がるかな、と。でも海とか波や風の音とギターとか良いな~。諭介さんの声も入ってると嬉しいですけどね⭐新たな挑戦ですね!
返信削除残りわずか、どうぞ良いお年をお過ごしください。