2022年8月3日水曜日

Vol.269「舞台サンセットメンー東京芸術劇場にて」の巻

 ギラッギラのモンモンモン うなだれた金魚が街の中 マスクをずらしてパクパクパク 空気を吸って汗だくだ
夏でもマスクして 数字の波に右往左往 こんな世の中が来るなんて 思いもしなかった
映画で警告されてたか「アウトブレイク」 本当に起きると思わなかった
加えて時代が逆戻りしてるような 後退してるような出来事相次ぎ おまけにこの暑さだ うなだれちゃうね。
塩入りのアメを口にいれてがんばりましょうやね、ね!ね!いかがおすごしか。

 それでも街は動いてく、国は動いてく、人がそれぞれのポジションでそれぞれの役目を果たしながら、外に出なくても果たしてる、今までと違うバランスで動いてく。
 そんな中、自分は縁、縁、縁。いろんなお誘いをいただいて、こんな時でも出向きたいと思える縁だけを辿って活動をさせてもらっている。一つ一つのライブ、テレビ、動画配信、楽曲制作。

 7月は舞台「サンセットメン」の主題歌提供。既存曲の「夕空、焼けて」書き下ろし「サンセットメンのテーマ」の2曲。テーマは台本と、こんな感じでというヒントをもらって作った。何気に年に一度の早朝ライブをやり続けていた成果なども組み込まれていて、自分の中では今までにない感じの曲になって、作っていて面白かった。

「夕空、焼けて」は2015年くらいに作った曲だけど、思い入れのある曲で今も歌っている。
 働いている人たちがいて街が動いてるんだと、当たり前のことを思ったことがあった。汗をかいて頭を下げて働く大人がカッコよくみえた。そんな人たちに歌を聞いて欲しいとおもった。心に燃え残る何かを燃やしながら生きてるようにも思え、自分の中にあるものと同じものがあると思った。そこに前からあった夕焼けに対して落とし前をつけたいという気持ちが一緒になって、曲ができた。

 その曲を劇の中で、燃えカスを持った役の川野太郎さんが歌っていて、枯れていくだけではない中年の静かな熱い想いを感じて、あの時聴いてほしいと思っていた人たちに、作家の桑原さん(通称バラちゃん)の脚本の中で曲が膨らんで届けられてた。前に曲は箱のようだと書いたけれど、役者のみなさんやバラちゃんにたくさんの想いを箱に入れてもらい、曲が帰ってきた。このコロナ渦の波をなんども繰り返し、それでも何度でも超えていこうとする人たちの気持ちや時代も踏まえて発せられたこの舞台。劇の中でも外でも劇的で、千秋楽では三度にわたるカーテンコールとスタンディングオベーションが起きたとのこと。自分は二日目に観に行った。出てくる登場人物それぞれが織りなす想いに、気づけば涙がポロポロ出ながら、なのに笑っていたりして。自分の曲ではあるけれど、劇の中では完全に川野さん演じる光太郎の曲になっていた。どうしようもないところから、それでも何かを求めてもがいて生きてる人たちが愛しく思え、この時世に、自分の人生のこのタイミングでこの舞台に関われてよかったと思った。10月にはDVDが出るとのことなので、観られていない人は観てもらえたらとっ。観た人もまた違う発見がありそうな舞台なので、ぜひDVDでも観てもらえたらと思います。

 そんな「サンセットメン」。僕の中では本編の余韻と、もう一つ心の中でぐるぐる回る余韻があった。
(まだ続くんかい!と思ったあなた、なるべく短くまとめるから読んでね)

 2001年だったか、インザスープと劇団ペテカンでグローブ座で行なった舞台「目を閉ぢる」。
そこに客演していたのが「サンセットメン」作演出のバラちゃんで、ペテカンの作演出、僕の高校時代の相方本田誠人の声がけにより「目を閉ぢる」に出演していた。そこで知り合ったバラちゃんが15年以上経って自分に役者として声をかけてくれた舞台「荒れ野」があり、ライブも何度か観てくれて今回、主題歌提供の話をくれた。サンセットメンを観劇しに行き、終演後せっかくなのでキャストスタッフの人たちに会ってくださいとのことで、検査をし、裏口に通してもらい、それまで一度も会っていなかったサンセットメンチームに挨拶をさせてもらった。楽屋から出て来てくれたキャストのみなさん、歌ってくれた川野太郎さんに歌の感想や曲の想いを話させてもらい、デビット伊東さんには高校時代に自分が本田誠人と組んでいた漫才コンビでデビさんのB21スペシャルのネタを文化祭で完全コピーし、全校生徒の前で演り高校一年で人生が変わったことを伝えさせてもらい、誠人の分も込めてお礼を述べた。「パクったんかい!」「いや、コピーです!」なんてやりとりをしていると、それを聞いていたキャストの小飯塚さんが「漫才もやっていたんですか」と呟けばバラちゃんが「本田さんと漫才コンビを組んでいた人よ」と伝えてくれ、それを聞いた小飯塚さんが「えぇ! 誠人さんと組んでた噂の人ですか!」(いや、噂と言ったかは定かでないけどそんな勢いだった)となり、楽屋に戻りまたもどってきて「まさしく今日誠人さんを連れてきたんです!」と本田誠人手ぬぐいを見せてくれて。聞けば小飯塚さんは誠人の脚本演出で舞台公演をする予定だったが2021年1月に誠人がいなくなったため、その舞台を追悼公演として行なったことを伝えてくれた。「あぁ、あの南野陽子さんが出ててハマが演出をした舞台の!」となって写真をパチリ。
 ここにも誠人を想う人がいるんだなぁと。知らなかったけど、誠人を介して知り合える人がいるんだなぁと。「絶対ここにいるよね、来てるよね」「頑張っていたら、こうしてまた会えるんだね」と話をして、誠人をこういう形で感じられて嬉しかった。
 サンセットメン初日が近づいた頃、「荒れ野」では制作として参加していて今回は主催者だったプリエール有本さんから「主題歌の“夕空、焼けて”の入っているCDがあったら劇場に送って貰えれば、物販に並べますよ」と提案して頂き、劇場に送らせてもらうことになった。送るために宛名を書く段になりようやくはっきり気づいたのだけど、その劇場は、誠人が初めてペテカンのメンバーを紹介してくれた時の待ち合わせ場所、池袋の東京芸術劇場だった。
 その待ち合わせから20年経った2013年にペテカンは芸術劇場で舞台「上手に笑えないまさこさん」を上演。
 上演する少し前、ペテカンが稽古で忙しくなる前にペテカンのみんなとたこ焼きパーティーをしたことがあった。その時にふと思った、「誠人って結婚式やってないよなぁ」誠人がトイレに行ったスキにそこにいたペテカンメンバーにその旨を伝えた。高校時代からサプライズを考えるのはいつも誠人で、周りにいる人達はひっかかってばかり。そろそろ誠人にサプライズで結婚式をしかけてもいいんじゃないか的なことを、呑んだ席で伝えた。誠人がトイレから帰って来てその話はそれから出なかったが、翌日ペテカンメンバーの谷部聖子から電話があり「昨日の話、本当にやりましょうよ、いっしっし」とのことで、本当に隠れてミーティングを重ねて遂行した。
 その舞台がたまたま結婚式会場のセットだったこともあり、千秋楽が終わり撤収までの間の限られた時間でセットを使いサプライズは行なわれた。宮崎からも友達や奥さんの泉ちゃんや子供の空人、茜ちゃん、お母さんも来て大掛かりなサプライズだった。僕は「本当に、なんていい日なんだ」と大号泣してる誠人をモニターで眺めて感動した。僕はサプライズ最後に、この日のためにつくった「今までの仕返し」という曲をキーボードの大ちゃん(田中大介)と演奏した。
 そんな思い入れのある東京芸術劇場で、その「今までの仕返し」も入っているアルバムを、「夕空、焼けて」のおかげで物販に並べられていて、ここでも誠人の仕業かもなと感じた。今回声をかけてくれたバラちゃんにキャストスタッフのみなさんに、感謝です。そして長くなってしまった僕の縁の話を最後まで読んでくれたあなたに感謝です。とりとめもなく長くなってしまいましたね、すいません、つきあってくれて、最後まで読んでくれてありがとう。今月はこの辺で。

 

今月の東京座るべからず

人 街 川 時 風 雲

友達と。長嶋さん来てた。

長嶋さん

近藤さんとの2マンはまたの機会に。この吉田拓郎と近藤さんが似てる。

今年前半戦頑張ったんだ褒美に釣りしかしノーヒット

サンセットメンを観たその足でニューロティカ野音へ。

芸術劇場にてオレンジの太陽

サンセットメンチーム

舞台を観ててデビさんて誠人に似てるなと思った。芸風というか顔立ちというか。そういえば誠人、デビさん役だった。

いつも大差で負けてるけども気持ちよか早朝野球。しかしこうしてみると釣りに野球にLIVEに演劇観戦と色々やってますね。

西麻布 赤のれん。ここの1番の調味料は、いいとも終わりのタモさんをここで見かけた事。

ペテカン次回公演

みんなでチカラ合わせてやった事ない脚本を書くことからやるんだからすごいよ。   

 

諭介がお答え致します。

 ■「梅雨中の猛暑、梅雨明けからの豪雨、ついに日本の四季もおかしくなってきた気がしますね。もっと穏やかに季節も時間も流れていてほしいなと思う今日この頃です。そして、その異常な暑さの中での植木仕事、本当にお疲れさまです!「タンクトップの植木屋はあんまり見ないね」は最高(笑)舞台「サンセットメン」諭介さんのおかげでお芝居を配信で見るのも初めての経験でしたよ。先にライブで主題歌を聞きましたが、僕にしてはポップチューンって言ってたように、諭介さんにはあんまりないタイプの曲調で新鮮!役者さんが歌ってもいいなと思ったし、諭介さんの歌が流れるシーンは一番いいシーンでしたよね!そんな場面で歌われた「夕空、焼けて」も改めていい歌だなと思えました!兄弟たちに負けず、長男も頑張ってるなぁと思いました。不安な日々は続きますが、日本の夏、キンチョーの夏、緊張が続いた後は緩和の夏も過ごしてくださいねー」
(A.T 2022/07/25 12:57)
→がはっありがとう。もう見ての通り野球に釣りにと大忙しです。
配信で舞台を観てくれてありがとう。僕もみて生にはやはり叶わないけど表情も観れて、こんな時だからやはり配信もありがたいね。うん、弟の言い方がいいね、あんまり見ないという冷静な言い方が残るね。言い訳をさせてもらうとズボンが冬用だったからへばったんですね。上はタンクトップで下が冬用というコーディネートで体がどっちやねんとなってしまい、へばったんだと思います。その旨後日弟にも伝えておきました。


■「梅雨に入ったと思ったらすぐに明けてしまい、いきなり夏が本気を出してきたと思ったらまた梅雨のような天気が続き・・・今年の夏も猛烈に暑くなりそうで、夏が苦手なので諭介さんの頭に「紅葉紅葉前田耕陽」がよぎる季節が待ち遠しいです。
タンクトップで植木仕事とは随分攻めましたね。夏の本気に肌もヒリヒリになったんじゃないでしょうか?それにしても弟さんに「いざとなったら・・・」って私も心の中で「おい!長男!」ってツッコミましたよ。
これからも弟さんや妹さんに負けず歌屋で突き抜けていく諭介さんを応援しています。良い夏を!」
(夕陽 2022/07/25 23:14)
→がははっ歌屋で突き抜けるよ、本当に。突き抜けたい願望がどんどん溜まるこの頃です。紅葉紅葉前田紅葉なんて言ってたら男闘呼組が復活してたね。思いも書けなかった引き寄せ力でうっすらとおもしろかったです。タンクトップで植木屋、それが全然平気だったのよね。弟は加えてこうも言っていた「タンクトップで植木屋をしてる人がいればそれはただのモグリか強者のどっちかやね」と。かゆくもならなかったしなんともなかったから後者って事でいいんでないでしょうか。

■「海は行けましたか?諭介さんは夏が好きなんですね。庭の枯れ葉と石のミネラルの話もそうなんだ!とふむふむとお勉強になりました。庭の大きめの石をひっくり返すと虫がたくさんいて、虫たちにも必要な場所だったり。樹木医、素晴らしいお仕事ですね。「サンセットメン」配信ですが観ました!お芝居も歌もすごく感動して泣いて、会場で観れたらもっともっと良かったんだろうな~と想像できました。今年はテレビでもタンバリンの方とのセッションとか、色んな方面から諭介さんの歌が聴けて嬉しいです。しっかり夏を感じてパワーチャージしてまた聴かせてくださいね」
(hitomi 2022/07/29 17:51)
→あぁ、ありがとう。演劇も生の方がいいとはいえ配信があって観てもらえてよかった。やってみてわかったけど人の日常、歴史の中で演劇もまたなくてはならないものだなぁと思うね。そんでタンバリンゴンゾーさんとのセッション、ゴンゾーさんのタンバリンが歌っているように感じて面白かった。自分でも色んな経験をさせてもらっているなぁと思うけど、自分だけじゃなくて一緒に楽しんでもらえて嬉しいです。ありがとう。海は何度か行ったよ、その模様を8月半ば頃に動画でお届けできると思うのでお楽しみに!
 

4 件のコメント:

  1. 「サンセットメン」には、諭介さんの心の中での余韻がもう1つあったんですね。読んでいて、ずっと前にやってきたことがいろんなところに繋がっているんだなぁと知って、すごいなと思いました。今も本田さんを介して知り合える人がいることにもそう思いました。そして、初めての待ち合わせ場所の東京芸術劇場を選んで、そこにいろんな人を集めたのも、本当に本田さんの仕業のように思えてしまって感心しちゃいました。今回の「サンセットメン」でもいつかの何かに繋がっていくのが楽しみですね。今月私は配信でしたが、久しぶりのIntheSoupのライブでした。会場の雰囲気が伝わってくると、やっぱり生で見たくなりますね。イマヤスさんのインスーいじりがすごくて、インザスープは全員ボケてるっていうところに笑ってしまいました(笑)今週はGONDAさんとのツーマンも楽しみにしてます!

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  2. 「スキップカウズ25周年2マンインザスープin下北沢251」
    インザスープとしてのライブだったので、行きたかったのですが、地方在住の為とこのご時世・・・ということで、配信で初参戦させていただきました。配信ライブというのも初めてでしたが、インザスープを知ってからまだ間もなく、こんなに早くライブを観ることができるとはと嬉しく、通しのライブはどんな感じなのか、繋がるまでワクワクドキドキ。
    2曲目のせんこう花火、CD以外で聴くのは初めてでベースのイントロで鳥肌&感激。当時タイムリーに曲を聴くことななかったのですが、切なさやノスタルジーを感じ、以前書かれていた「歌は感情の無限箱」、昔の自分の思い出や当時の感情などが、無限箱にすっぽり入ったような感覚になっていました。セットリストも夏を感じる曲が多く、臨場感もありアッという間の1時間。うまく言えないですが、本当にすごく良かったです。素敵な時間でした。
    ツッコミ不在のMCも楽しかったです。

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  3. 先日のIn the Soupのライブ、配信で見ました。気軽にライブへ足を運べないご時世になってしまったけど、画面の向こうには変わらず熱くてカッコいいIn the Soupがいて、離れた所にいても色んなものが伝わってきて、私もそこにいるかのように一緒に歌い躍り楽しみましたよ。In the Soup大好きです。
    次回、In the Soupのライブが行われる頃には安心して会場で一つになれるようになってますように・・・。
    諭介さんの2022夏が忙しくも充実しているようで何よりです。残暑厳しいですが健康で楽しくお過ごしくださいね。

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  4. 今回のコラムの「もう一つの余韻の話」がとても感動的でジーンとしちゃいまいした。最初からすべてを仕組んでいたのかな?とさえ思ってしまう流れで。見えなくても今も在るであろう諭介さんの靴下の片方の存在が私にもなんとなく感じられたお話でした。素敵なお話ありがとうございました。
    今月は嬉しいことに配信ライブがあり8月だからか、なんとなく江の島の裏磯にてを聴きたいなと思っていたのでライブのを聴けて嬉しかったです。GONDAさんとのnight riderの音源も配信視聴なのにいただけて感謝しています☆今も聴いていました。すごくいいです。ありがとうございました。

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