2011年始まった。さみーさみー冬です。そろそろ雪が降るかもしれないとのこと、東京は雪が降ると、さみーのと暖かいのを繰り返して春になるイメージがある。
雪がくると春がくる。もうすぐかもね、はる。いかがおすごしか。
今回は2010年にニックバッカーズで出したミニアルバム「灯籠」に沿って書いてみようとおもう次第です。つくった歌についての詳しい解説やなんかは、なかなか難しいもんがあるので、漠然と書けたらとおもっています。
1曲目「くじら」
パオーン! それはゾウですが、漠然とそんなでっかいイメージ。
くじらってなんかいいなとおもった。海の深いとこでゆらゆらでっかく泳いでいて、いっきに垂直に口をあけて大量のエビやなんかを飲みこむべく、海面へ上昇してくる映像が頭にのこってて、なんかかっこいいとおもった。
東京の街というか、大勢、人が集まってる街ってどこも同じような街になってる印象がある。ビルは上に上に高く高く、これでもかってくらいひしめきあってて、角はかくばって壁も道路も建物もみんなツルツルしてる感じや。
好きで出てきた、そんな街の中で、自分の心までそんな風になってきてる感じがした。
やってきたことで身に付けたノウハウみたいなもんで、事が進んでいく時にツルツルな感じがする時がある。大勢、人がいるんだから、やっぱり共通言語みたいなもんが必要になってくるんだとおもう。常識について、流れについて、芸術について、幸せについて、恋愛について、音楽についての暗黙の共通言語。それが誰かにとって便利だったり、前例があるから分かりやすかったり、こういうもんだろうってなぞってく感じ。
本当は一人一人全然違うのがあたり前だし、日常生活、ツルツルの上で、暮らさせてもらってるけど、何かが誕生する時って、へその緒はそんなとこを飛びぬけたとこにあるとおもう。「音楽をやるのに音楽をやっていてもしょうがないっぺ」っておもうことがある。音楽をやってるんだから音楽をやってるでおっけーなはずなんだけど、なぜかそうおもう自分がめんどくさくなる。
なんというか、自分の思っていることが間違いであっても、勘違いであっても、そんなことを含めて、時間やら場所をこえて、きっと同じようにめんどくさく生きてる輩がどっかにおるかもしれないとおもったりした。そんで単純にこの日常のアスファルトをひっくりかえして、そんなくじらがおったらおもろいなとおもったわけです。
2曲目「情熱のパレード」
これは、語り口調になってるが、はじめはメロディーもあった。なんか今一つびしっとこないもんで、みんなでぶっ壊した。なんとなくのテーマがあったので、それをもとに、レコーディングの最中にできた。考えると頭が閉じこもってしまいがちなので、基本はありつつも歌いだしなんかは、勢いでべロンとでてきた。それを何テイクか繰り返し、出てきたものをみんなでまとめてできた。バンド全員でしぼりだしてできた感じやった。
ずっと前から、はじめてギターを弾いた時のことを歌にしてみたいなとおもってた。
高校の中庭で、音楽室のガットギター、友達に教えてもらった。
あんときの感動。風景を今も思い出す。
ギターにはコードってのがあって、それを3つくらい覚えれば弾けるようになるってのもすごくびっくりしたが、おしえてもらったGのコードを鳴らした時の感動。あん時の感動の勢いのまんま今まできてるってのは、よかったのかわるかったのか、なんかおもろいなぁーとおもう。
それさえあれば無敵ング的な、どこまでもいける的な、感覚。それは目に見えないもんだし、手で触れなくて、不確かなのに、もう絶対的というか。
若気のいたりとか、勘違いってやつなんだろうけど、どこまでもいけるってのがあったから、んじゃあ、いっちゃえとなって、友達と二人でヒッチハイク。「お金いくらもってる?」となって、まずは遊園地にいったり、のんだりして、二人の有り金を全部使い果たしてからの旅。ギターと自分たちの歌だけの旅。
あれからいろんなことを通り過ぎてきたし、知りもしたけど、基本、いまだに自分を動かしてるのは、あの不確かだけど、絶対的なものってのがおもろい。
3曲目「水に浮かぶ月」
月って、なんか見てしまう。きれいだなぁもあるやろうし、あやしぃもある、時々によって僕にはいろいろある。 海の満ち引きは月の仕業なわけでしょう、これなんかも摩訶不思議よね。人に引き寄せられたり、触れなかったり。そんなどうしようもない気持ちってあるね。実家に帰った時の月がすごくて、もらった歌です。
4曲目「祝子川」
「ほうりがわ」。インザスープでも録音したけど、ニックバッカーズでも録音した。
何曲かその時間と時代と掛け合わせて録音してみたいとおもう曲があって、その中の一つでありました。これはまず僕が弾き語りで録って、それを聞きながらみんなが絵を描いていった感じです。揺れたり、早くなったりする川に沿って演奏が進んでいくのも聞いてもらいたいとこです。
5曲目「アカリ」
「生きててよかったってことが 時々ある」ってギターを弾いてたらでてきた。
こんな感情になったことがあったから、そんな感情からもらった曲や。
手放しで「生きててよかった」そうおもえることなんてほとんどないし、感謝だけでいつもいられるわけでもない。
やっぱりそれは時々や。けど必ずある。そんな風に思えてる時のことを幸せっていうんだろね。
でもどっか、そんな気分も忘れてしまう日々が来るんだろうと思ったりして、なんか残しときたかった。完全に満たされた気分が永遠に続くなんてありえない、乾きが永遠にまったく潤わされないこともない。時々、必ず出会える感情が愛しくおもえた次第です。
それはやっぱり、ライブの最中にガーっときたりする。メンバーと音を鳴らして、一つに向かってガーってなる時なんて、奇跡的な何かに包まれたりする。人と人だから面倒くさいこともあるし、個人的な不安やらなんやら、そんなもの全部吹っ飛ぶ一瞬てのが、僕の場合、やっぱりバンドをやってると、そういう感情にさせてもらったりする。溢れる何か、できればいつも、いつでもそんな気持ちでおりたいもんです。人に対して、疑いも恨みも、見返りもなく、「ありがとう」とかそんな、あったかくて、溢れてしまうものだけで生きたいもんです。きっと生きられないことはないんだろうね。んが、まだまだヨワッちぃもんで、せめてそんな気分が自分にも、(きっと誰にでも)そう思えることが一瞬でもあるっちゅうことを確かめたり、思いだしたりできたらとおもう曲です。
そんなアカリの入った籠(アルバム)っちゅうわけで灯籠とさせていただいた次第です。うむ、分かりやすい。
以上「灯籠」一曲ずつの一人インタビューでありました。
明日は雪になりそうな夜、ぎゅっとなって春に咲くのを想い描いたりしてる蕾の気分。
は~るよこいっ は~やくっこいっ
また来月~。 おわり。
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賀正ブ-ツ。 みがいたブ-ツが俺の門松さ。 そんなことをおもいながら パシャリ。 新たな気分であるいてきましょう2011や。 |
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龍と海と。 一つのイベント事に向け、バンドのメンバー以外で こんなに共に時間とアイデアを費やしたことないね。 一曲を作りあげてるからね。 バンドのメンバ-以外との競作もおもしろし。 |
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株。株の上に乗って、木になりすます。 |